儂のB級オーディオ遍歴

 再燃した“B級オーディオ趣味”について、その遍歴を纏めました。未だにアナログ至上主義を貫く古くさい男でございます。音楽は自分でも演奏するクラシック・ジャズ、フュージョンに加え、ビートルズ、ストーンズ、クイーンからJ-POPまで、幅広く聴きます。一番影響を受けたのは、70年代後期にラジオ深夜放送で流れた楽曲の数々です。オーディオ遍歴も丁度、その時代が起源になります。1979年〜1985年が第一期、その後の寮生活中はラジカセ中心。1993年 〜2000年が第二期、2020年〜が第三期です。何れも最高級機なんぞに突き抜けたことは一度もありません。更に言うなら“云万円のケーブル”だとか、そういう非科学的なことには全く興味がありません。

 

 


  1. ステレオラジカセ偏
  2. プリメインアンプ偏
  3. スピーカー偏
  4. ターンテーブル偏
  5. オープンリール・デッキ偏
  6. カセットデッキ偏
  7. DAT デッキ偏
  8. CDプレーヤー / ユニバーサルプレーヤー 偏
  9. チューナー偏
  10. その他・機器

ステレオラジカセ偏

モノラルラジカセ遍歴は、また別の機会に書きます。同世代の皆さま同様、70年代はステレオラジカセからスタートです。

ナショナル RX-5500

DISCO MACの愛称とともに一世を風靡しました。小生にとっては初ステレオラジカセです。それ以前はモノラルラジカセを使っていました。当時、エントリーモデルのカセットデッキを買うか、ドルビー付きラジカセを買うかで迷った挙げ句に選んだモデルです。家では後述のJA-S9に繋いで使ったため、殆ど本機から直接音を出すことがありませんでした。以来40年にわたり所有しています。(写真右)10年前、実家を取り壊す際に納戸から拾い上げました。埃まみれで再起不能かと思いきや、時間を掛けてレストアし見事復活を果たしました。隣(写真左)は、部品取り用にオークションで拾ったジャンクでしたが、結果的にフルレストアするはめに。汗汗 左側の個体にはBluetoothレシーバーを仕込み、長らく作業場(ラボ)で使っていましたが、コブラトップと交換して現役引退し、オーディオルームで位相調整モニターとして余生を送っています。ジャンクから復活させた個体は寝室のラジオとして活躍中です。(1979年頃 購入)

 


日立  TRK-8290 

パディスコ8290は、質実剛健なイメージの日立製作所謹製ラジカセです。Lo-Dブランドカセットデッキと共通のメカを持つ、極めて高音質な隠れた名機です。DISCO MACは妹に譲り、このメタルテープ対応のドルビー付きラジカセを購入、ワウフラッター0.07%はデッキ並の性能、FMの感度も良く、当時流行の海賊FM(ミニFM)放送受信にも大活躍しました。このラジカセで録音したテープは未だに残っています。転居の際に引越業者によって手荒に扱われ再起不能となり廃棄処分しました。実に残念!! 良品があれば入手したいラジカセです。(1980年頃 購入)

 

 


ソニーZILBA’P  CFS-V8

上の二台とほぼ同時期の製品です。今は愚息が大事に使っています。同じ家に住んでいた従姉妹が使っていた物で、そのまま残置されていました。DISCO MAC同様フルレストアで復活させました。ドルビー非搭載ですが、デッキ部の音質は非常に優れ、TC-KA5ES、TC-K700Sで録音したテープを今も軽快にならしています。愚息に頼まれ、こちらにもBluetoothレシーバーを追加搭載させました。先日REWとFFが効かなくなり、平ベルトを取り寄せに時間が掛かるので、上記のRX-5500(その2)を代わりにあげると言ったら、「こっちが気に入っているので直して欲しい」と・・・。愚息よりも33歳年上のラジカセなんですけど。平ベルトを交換して絶好調です。(購入時期 不明)

 

 


パナソニック RX-DT707

コロナ禍の中、何となくオークションで目に止まったジャンクでした。(4,000円 で落札)バブル期のコブラトップ型CDラジカセです。アルミのサランネットが所々陥没し、Wデッキのアジマスはメチャクチャな上に再生速度もバラバラでした。全分解し埃を除去の上、サランネットを内側から叩き出しして面を出しました。塗装が剥げている部分はタッチペンで補修。ついでにオーディオのケミコンを全てSilmicⅡに交換。Biアンプで4個のスピーカーは別々にドライブされ音質は上々です。デッキ部も80’sラジカセよりもチープな構造なのに音質が優れています。公称のワウフラッター値は0.1%程度ですが、RX-5500(ワウフラッター0.09%)よりも安定しています。新しいからかな。 ドルビー付きですが、録音レベル設定はマニュアル操作不可です。再生専用機として活躍中です。(2020年7月 ジャンク購入後レストア)

 


プリメインアンプ偏

半導体アンプばかり4台使いました。球は無線機だけでお腹いっぱいです。笑 昔、LAXKITのA-3500Aを組んだことがありますけど、真っ先に“段斜里”対象になりました。投資するならマッキントッシュですね。インテリアとして憧れます。

ビクター  JA-S9

オーディオマニアだった叔父のお下がりです。確か高校に上がった頃だと思います。後述のDS-303、DP-3000、TC-4650SD、TX-8900と一緒に譲り受けました。当時のビクターはSEAというグライコがお家芸でしたね。フロントパネルの下部に並んだ小さなツマミがそれです。音質なんて判らない頃だったので善し悪しよりも、兎に角壊れまくるファイナルに悩まされたアンプでした。修理代のを方が高くついたかも? 汗このアンプ3〜4年使いました。確か東芝製の石だった記憶が・・・。(1979年頃 中古入手)

 

 

 


ヤマハ  A-6a

既に「オーディオ沼」に填まっていた頃です。頻繁に壊れるJA-S9に嫌気が差し、始めて購入したアンプです。本当はワンランク上のA-7が欲しかったのですが、貧乏学生は他にも色々買いたいものがあり・・・。結局少々薄型のA-6(マイナーバージョンアップのA-6a)を買いました。闇夜にもわ〜っと光るスイッチのイルミネーションが格好良かった。「オーディアは観て他しむもの」なんて人が居ますけど、正にソレなんだなぁ。笑 透き通るような“ヤマハのNATURALサウンド”も好みでした。DS-303との愛称も良かったみたいです。(1982年頃 入手)


ケンウッド  KA-5060R

10年くらい使ったA-6aがいよいよ調子悪くなり、リレー暴れが頻発するようになりました。長らく実家に放置したせいかも?? 当時カセットデッキやチューナーをケンウッド製で揃えるなど、少々ブランド的に傾倒していたこともあり本機種を選んだ様に思います。長らく転勤+寮生活でオーディオから遠ざかっていましたが、マンション購入を切っ掛けにオーディオ熱が再燃しはじめた頃です。アマチュア無線機ではTS-950シリーズが注目されていた時期と重なりますが、デザイン的な共通点はTS-50やTS-60に垣間見れる気がします。リモコンでメインボリュームのステッピングモーターが動作して見た目が華やかなアンプでした。音質はジャズ・ロック向きな感じ。(1991年頃 入手)


デンオン  PMA-2000Ⅱ

再び転勤・転居が続きました。引越の妨げになる為、後述のスピーカーを重量級のDS-303から小型ブックシェルフに買い替えた際に、アンプ・ターンテーブル・CDプレーヤー・カセットデッキも新調しました。アンプは当時大ヒットしたPMA-2000の後継機種を選択。近隣オーディオショップのオヤジさんの奨めもあり、本機に落ち着きます。以来20年使い続けることになるとは思いませんでした。それまでの半導体アンプの寿命は精々5年が良いところ。この頃から半導体素子よりもケミコンが先に逝かれる様になりましたね〜〜。PMA-2000系の音は非常に気に入っています。近年、セレクタSWとボリュームのガリが顕著です。そろそろ愚息へ”take over”を検討していますが、多分次もDENONなんだろうなぁ。スペースの問題もあり、球にはイケそうにありません。(1998年頃 入手 現有機)

 


スピーカー偏

40年に及ぶB級オーディオ趣味ですが、実は2台しか使っていません。(FOSTEXキットを除く)スピーカー選びは慎重になりますよね。

ダイヤトーン  DS-303

兎に角重かった記憶だけが残ります。前述のJA-S9と共に叔父から譲り受けたスピーカーで、実家から2km先の叔父宅から友人とリヤカー引いて運んだです〜〜。当時は自転車屋でリヤカー貸してくれました。(懐かしい) もらい受けた時点で既にスコーカーだかツィーターだか、片側が壊れていました。ユニットで10,000円くらいしたと思います。その後20年使うことになり、その間何度かユニットが壊れ散財しました。転勤族でこんな巨大な荷物を都度運び出すのにはムリがあり、98年頃に無償譲渡しました。音質は低音から高音までバランスよく鳴るのですが、巨大スピーカーなので音圧が低く、ある程度入力させないと鳴りきりません。元々スタジオモニターとして使われていたモデルですね。しかし三菱は補修用部品を20年近く提供していたのには驚きました。A&Dの頃には流石に修理対象から除外されていました。(1979年頃 中古入手)

 


ケンウッド  LS-11 EX

20年も重量級密閉4ウェイを使ってきた小生です。正直なところ買い換えには数年悩みました。DS-303は転居の度に角が削れて行く始末、これでは人間もスピーカーも保ちません。転居の際にアンプと共に新調することにしました。これも近隣の“ザ・ステレオ屋”のオヤジさんの一押しで決めました。確か長岡鉄男さんの推薦モデルだったと記憶しています。ブックシェルフは友人宅のNS-10Mを聴いたことがあり、小型なんてこんなモノという先入観があったのは確かです。しかし、実際にオーディオ店の試聴コーナーで色んなサイズのSPと聞き比べると、小さなLS-11Exのバランスの良さが光っていました。3ウェイ・バスレフなので置き方次第で低音も鳴るんです。WAKATSUKIのSPスタンドと共に購入、以後一度もユニットやネットワークが逝かれること無く今日に至ります。マンション暮らしが長かったので、大音量にすることもなく、適度に鳴らしてきたの良かったのかもしれません。PMA-2000Ⅱとの相性も良いようですね。気付けば20年以上使っています。最近少し音圧が下がった気がしますが、自分の耳が悪くなったのかも。(1998年頃 購入)


ターンテーブル偏

振り返ると5台も所有してきたんですね。見栄えはDENON、実用はTechnicsな気がします。MichroやCECなどマニアックなものは知りません。

テクニクス SL-1200

上述のRX-5500と共に購入したプレーヤーです。購入時はラジカセ+ターンテーブルの組み合わせで使っていました。従って、カートリッジもテクニクスの安いMM針だったと思います。言わずと知れたオーディオ界のロングセラー商品で、これはオリジナルになります。オーディオマニアの叔父からの奨めもあり、プレーヤーだけは無理してでも中級機を買っとけと言う助言に基づき選びました。お陰でシスコンを買うために貯めたバイト代はすっからかん、ステレオラジカセ+ターンテーブルで15万が飛びました。1979年ですから、今の貨幣価値に換算すると40万以上払った感覚です。当時マクドナルドの時給が450円くらいだったかな? なんと数ヶ月後に叔父からDP-3000を譲り受けることになり、新古品として友人に譲渡しました。(1979年頃 入手)

 


デンオン DP-3000(DP-3500)

正確にはキャビネットを含めDP-3500というモデル名があったようですね。ターテーブル単体でDP-3000というモデル名です。上述のJA-S9と共に叔父から譲り受けました。渋谷の某JAZZ喫茶では、大理石のキャビネットに本機を載せていて憧れたななぁ。商社勤務の叔父は海外に家族と共に転居することになり、幸運にもオーディオ機器を全て譲り受けました。それが前述のJA-S9、DS-303を中核としたシステムだったのです。DP-3000も一緒に我が家へ運び込まれました。トーンアームはオートリフトの無いシンプルなものが付いていました。キャビネットが立派なのでSL-1200よりも低音が響きます。見た目の高級感も優れていたため、買ったばかりのSL-1200を友人に譲って、本機がリスニングルームの主となりました。以後15年ほどDP-103やAT-33を鳴らしてくれました。クオーツロック無しのFGサーボで、末期には暴走に悩まされました。ワウフラッターも残念ながら後のクォーツロック機とは比較になりません。頻繁に修理を繰り返しましたが、後述のQL-Y55Fが安価に入手できたためお役御免となりました。(1979年 中古入手)


ビクター QL-Y55F

DP-3000の修理費用が嵩んで嫌気が刺していたところ、オーディオユニオンで投げ売りされていたので(何も考えずに)飛びつきました。勿論新品箱入りです。(長期ストック品だったのか??) 既にCD全盛の時代で、アナログレコードの新作など当然出てきません。ターンテーブルのニーズは皆無で、DJ用のSL-1200系ですら投げ売りされていました。こちら1981年リリースの製品ですので、10年以上製産されていたということになります。アナログオーディオ時代には珍しいことではありません。中級クラスのターンテーブルでしたがスペックは申し分なし。しかし、あることに気付きました。“軸ズレ”です。コレはターンテーブルとしては致命的。“投げ売り”の理由はアウトレットだったということですね。汗 2年足らずで選手交代となりました。まともな製品を使っていないのでインプレッションはできません。(1993年頃 入手)

 

 


テクニクス SL-1200LTD

SL-1200系列はこれで2台目です。1996年当時新品購入できるターンテーブルの選択肢は皆無でした。“1200”の良さは起動特性なんだと思いますが、小生は横幅が狭く、置き場に困らないという点を強く評価しています。笑(そこかよ!)”LTD”を冠しているだけあってゴージャス感はあったなぁ。可変ピッチなんて、普通にレコード聴く分には不要なんですけど、SP盤時代の作品を刷り直したLP等は、マスターテープが僅かに延びていて、例えばA=440Hzが438Hzになってしまっていることも多々あります。軽音楽の世界では録音時間の帳じり合わせで盤に収めるために一度分ピッチを上げるなんて手法もありました。音楽やる人間にとってはコレが実に気持ち悪いんです。そんな時にピッチコンがあるのは実は便利でした。そもそもクォーツロック以前のFGサーボなどはストロボスコープ観ながら調整したものですけどね・・。保有していたLPや38cmの音源全てをDATに移し替えが完了。転居にともなう段斜里でY!オクに出品。今振り返ると惜しいことしました。涙(1996年 入手)


デンオン DL-57L

今のところ、最後のターンテーブルです。製品自体は1982年リリースなので、40年前のアンティークになりますが、購入は2002年頃です。上記のSL-1200LTDを手放してから一年経つか経たないか、そんなタイミングでした。やはりどうしてもLPを直接聴きたくなり、Y!オクで漁った品物です。DP-3000時代から使用してきたFFのトランス(後述)を処分せずに温存していたことが切っ掛けだったかも・・。アナログオーディオが再認識される前だったので、安価に入手できました。今なら確実に落札価格が高騰する物件です。残念ながらストレートアームしか付属していませんでした。ストレートアームだと汎用のシェルが使えません。どうせ使用するカートリッジはDL-103と決めているので問題はありませんけど。先日S字アームの出物をY!オクで見付け落札したのですが、これがとんでもない粗悪品でした。状態の良いS字アームがあれば飛びつきます。この頃のDENONは素晴らしいターンテーブルを沢山出していましたね。このゴナナは中級機ですけど、所有欲は十分満たしてくれる製品です。メンテナンス性も優れてろい、まだまだ拙宅の主として鎮座し続けることでしょう。やはり高級感漂う、観て楽しむプレーヤーはDEONOな気がします。笑 何だかんだで18年使っているなぁ。致命的に壊れない限り今後も使い続けます。(2002年 中古入手 現有機)

  1. ステレオラジカセ偏
  2. プリメインアンプ偏
  3. スピーカー偏
  4. ターンテーブル偏
  5. オープンリール・デッキ偏
  6. カセットデッキ偏
  7. DAT デッキ偏
  8. CDプレーヤー / ユニバーサルプレーヤー 偏
  9. チューナー偏
  10. その他・機器

オープンリール・デッキ偏

主に2トラ38cmをLPダビングに使っていました。DAT移行(TC-R7故障)とともに我が家から消えたのが2000年頃です。

ティアック A-4300

7インチの4トラ19cm機です。秋葉原のダイナミックオーディオで購入した中古機でした。既に6〜7年落ちでしたが、“難アリ”コーナーに置かれていた二束三文のジャンク品です。“高音に隠り”的なコメントが付いていたと思います。既にカセットでアジマスを弄りまくっていたので“何とかなるのでは”という期待で衝動買しました。当時はテストテープも無く、家にあった何かのテープ(父が勤務先の放送局から持ち出した?)でそれに合わせて調整した記憶があります。キャプスタンやピンチローラーなどに支障はなく、数年後にソレノイドが逝かれるまで使えました。故障後も暫くは巻き上げ専用機として使っていた記憶があります。正常動作時の記憶はワウフラッターにやや難有りの印象がありましたが、80年代のカセットデッキの方が高スペックだった様ですね。人生“初”オープンリールデッキであり、最初で最後の4トラ機でした。(1980年 中古入手)

 

 

 


ソニー TC-R7-2

どうしても10インチ機が欲しくてバイト代を投じて買ったデッキです。本機はSONY最後のオープンリールデッキとなり、主軸はカセットテープに移行した時代です。AKAIやTEACはEEポジションやDBXで武装し進化継続を模索していましたが、Technicsと共に早々にオープンに見切りを付け、カセットオーディオにフルシフトしていきましたね。その数年後にはCDが誕生。本機は4トラ再生も出来たので、A-4300で録りためたエアチェックなども再生でき重宝しました。勿論、2トラ38の為に背伸びして買った機材です。当時はレンタルレコード店がボチボチ出店しはじめたころで、我が町にも「YOU&I」が進出していました。トリオ盤時代のキースジャレット・ケルンコンサートやビルエバンスの殆どの作品、ナベサダ、ヒノテル、北村英治などを借りまくっては録音の日々でした。小生の記憶の中で、これ以上のテープレコーダーはありません。既に製産終了していましたが、最終ロットに運良く巡り会うことができました。1995年くらいまでソニーサービスで修理してくれたのですが、いよいよ補修用部品が底付き、修理不可となりました。やはり最後はソレノイドです。騙し騙し2000年くらいまで使っていました。本機との別れ=“オーディオ趣味の終焉”だった様に思います。(1981年 入手)

 


デンオン DH-510 

TC-R7が再起不能となりましたが、録りためた2トラ38テープをDATに移す作業が終わっていませんでした。本機は緊急避難的にY!オクで入手した個体です。上位機種はBTS規格だったと記憶していますが、DH-510もそうだったのかな?? TC-R7 購入時に比較対象となった製品で、憧れもありました。2000年前後はY!の流通量も少なく、今ほど価格高騰もしなかったので、かなり安価に入手した記憶があります。巻き上げに多少難アリでしたが、再生には問題はありませんでした。大量の10インチリールをDAT にコピー、ただそれだけの為に働いてくれました。デジタライズも完了して、横浜に引越の折にY!オク出品してテープと共に処分しました。その当時は、DATがこんなに早く終焉するとは思ってもみなかったのですが、取りあえずリニアPCMでコンテンツを回収できたことは良かったです。これらのコンテンツの中には、現在ハイレゾ化されたものも多いみたいです。(2000年 中古入手)

 

 


カセットデッキ偏

我がオーディオ趣味の主役です。ここに書き切れない製品もあります。記憶辿って纏めてみました。2020年8月現在、12台目のカセットデッキで遊んでいます。

ソニー TC-4260SD

前述のDS-303やDP-3000と共に叔父から譲り受けたものです。水平型はコレ一台っきりでしたねー。70年台中期のモデルで、当時は上級モデルだった様です。F&Fヘッドを搭載しDUAD(FeCr)も使えました。既に所有していたラジカセRX-5500とどっこどっこいの音質だったため、主に再生専用にしていたと記憶しています。本機がどのタイミングで消えたか記憶していないのですが、多分友人に譲った様な・・・。汗 後で思えばアジマスがズレていた気がします。当時の“あるある”ですね。当時RX-5500、TRK-8290は市販のミュージックカセットでアジマスを合わせて使っていました。(1979年 中古入手)

 


ローディー D-90S 

始めて購入したカセットデッキです。ダイナミックオーディオで入手した中古機で、片落ち直後で新品同様のコンディションだったと記憶しています。「3ヘッドでテープを極限までチューニングすると高音質になる」ことを教えてくれたデッキでした。後述のKX-1100Gを購入するまで、メインデッキとして活躍、現有する多くのカセットテープは本機で録音したものが殆どです。2モーターのデュアルキャプスタンですが、走行系は非常に安定しており、ヘッドタッチも優れていました。本機購入以降、テストテープによるチューニングを定期的に行っています。KX-1100G購入後も訳あってメインの機として暫く使用していました。人生で最も印象深いデッキです。ノーマルテープを極限までチューニングして、ドルビーレベルギリギリで録音し「いい音だろう!!」と友人に自慢したとのです。。確かDENONからもOEM機が出ていましたね。恐らくフロントパネルのデザインを変えただけだと思います。DENONは日立コロムビアとして日立製作所の傘下にあった時代です。前述のラジカセTRK-8290もコロムビアからOEMが出ていました。(1981年 中古入手)


ソニー TC-K61

カセットデッキ収集に火を付けたモデルです。前述のD-90Sと同時期に購入しました。モデル登場から1年程度でしたが、既にFXシリーズに移行直前で、Limitedモデルを投入し在庫処分状態にあったと記憶しています。以降Kシリーズは777へと引き継がれハイエンドモデルへと分類されて行きました。本機は2ヘッドの中級機ではありましたが、K55、K65の流れを組み、性能的には同等と思われます。S&Fヘッドを搭載し中高音のキレに優れていました。中身はスカスカでしたけど。笑 D-90Sのサブ機として主に再生専用機として活躍しました。本機も15年くらい頑張ってくれました。最後はソレノイドが壊れてお役御免に・・・。本機もまた印象深い一台です。(1982年 入手)


アカイ GX-710D

ほぼ意味なく購入した質流れ品です。当時の質屋はオーディオマニアのパトロール範囲です。笑 本機は確か5,000円でした。1975年製の2ヘッド機で、GXヘッド搭載というのに惹かれたのかもしれませんねぇ。ADRという非直線歪みを中和する独自の機能を搭載していましたが、この機能の効果については???でした。そもそもテープの性能が5年経って飛躍的に向上していたのだと思います。因みに非直線歪みはNHK技研の二階堂さんの名前に因んで、”二階堂歪み”と呼ばれていました。GXヘッド信奉者が多いのは正直よくわかりませんが、小生はF&F、S&F、LAヘッド信奉者です。ヘッドは消耗品?? 爆 因みに、音質はTC-4260SDの方が良かったです。(1982年 中古入手)


ビクター KD-3

本機の入手経緯・時期は不明です。気付くと我が家にあったというのが正直なところです。暫く父親の所有物と思っていましたが、後年本人は否定していました。JVC版のデンスケですね。こちらも1975年前後の製品と思われます。ドルビーではなくANRS(Dolby B互換)を搭載しています。当時はナマ録ブームでSLの音をこぞって録りにいったのだそうです。私がオーディオに開眼したころは、既にSLなんて走っていませんでした。ポータブル機だったので偶に外に持ち出して遊んでいました。SAヘッド搭載ですが音質はひいき目にみても良いとは言えません。勿論アジマスから、EQ、RECバイアスまで全てチューニングしました。駆動系が弱かった様に思います。いつ頃からか、操作レバーが折れて使えなくなり廃棄しました。(入手時期・経路 不明)

 


ケンウッド KX-1100G

転勤・単身生活などで暫く停滞していたオーディオ趣味の復活第一号です。実家のカセットシステムは既に陳腐化しドルビーC搭載機は一台もありませんでした。久しぶりにメインデッキを交換させるべく購入したのが、KX-1100Gであります。当時2ヘッド機のKX-880シリーズが大ブレークし、3ヘッドの1100シリーズもオーディオ誌では高評価でした。音質はソニーほど軽くなく、ビクターほど重くない・・と言ったらいいのか、バランスの優れたデッキという印象です。拙宅初のドルビーC搭載機ですが早々に問題発覚です。本機は録再コンビネーションヘッドなのですが、なんとギャップが微妙にズレていたのです。テストテープで“高さ”、“あおり”、“位相角(アジマス)”を出しているにも関わらず、録音すると再生側で微妙に位相がずれてしまうのです。3ヘッドで偶にある事象ですね。テープパスの問題もあったと思いますが、新品購入したデッキがこれでは・・・。結局、殆どの録音は旧メイン機のD-90Sで行い、本機はもっぱら再生専用。後にも先にもケンウッド製カセットデッキはこれ一台のみです。当時実家へは数週間に一度帰る程度の為、殆ど使うことなく飾られていました。(1985年頃 入手)


ビクター TD-V711

90年代に入って久しぶりに購入したのが TD-V711です。こちらは前述のQL-Y-55Fと同時に買いました。やはりKX-1100Gへの不満もあり衝動買いでした。こちらも後発製品のリリース直後で在庫処分していたのだと思います。期待以上に音質が良く、中級機としては申し分ない性能でした。TEAC V-6030S×2の繋ぎでしたが、今思えばV-6030Sよりも良かった気がします。HXPRO付きのDolby C搭載機で、SNに優れ音に厚みが感じられました。ソニー系とは対照的な音質です。V-6030Sが二台体制になった時点ではKX-1100Gとともに後輩に譲りました。(1994年頃 入手)


ティアック V-6030S (二台所有)

初のドルビーS搭載機です。上位機種の8030Sと性能差も僅か。後に中古機を買って二台持ちを達成しました。しかもブラックとゴールドを一台ずつです。笑 低音から高音までよどむこと無く、素晴らしい特性を示してくれます。約15年ほど所有していましたが、駆動系トラブル(ベルト切れ)に3回も見舞われました。ヘッドそのものや設計自体は優れているのですが、造りが雑な印象です。当時のTEACはSankyoという会社がメカを供給していたみたいですね。面構えは往年のCシリーズを彷彿させるボタンや測定器前のツマミ類など、そそられる部分が多々あるだけにとても残念でした。同時期にリリースされたソニーTC-KA5ESを数年後に購入し、主役の座を譲っています。ゴールド機は2005年頃、ブラック機は2012年頃Y!オク処分しました。(1996年頃 入手)


ソニー TC-KA5ES

ソニー至上最後の”ES”シリーズを冠したカセットデッキです。上級のTC-KA7ESと性能差はありません。シャーシの補強や使用部品が若干違う程度で、諸元上も同一です。その気になればKA5ESベースで、KA8ES(笑)も出来そうです。その意味でお得感のあるKA5ESなのでありますが、KA3兄弟のメカ部は完全に共通化されています。基本構造自体はオートリバース機や直前のESJモデルとも共有化されており、メーカーサービスによる修理対応が終了した現在も、補修用部品の入手が比較的に楽なのもありがたいです。コンビネーション LAヘッドも89年頃から上級機に使われてきた物で、ジャンク抜き取りと思われるパーツもY!オクなどで大量に出品されています。メーカーサービスのOBが個人的に修理対応もやられているようなので、令和の現在も安心して使えるカセットデッキです。そして何と言っても貴重なドルビーS搭載最終モデルとして価値は益々高まるでしょう。肝心の音質ですが、Kシリーズ由来のバランス重視のソニーサウンドです。但しテープパスのアライメントはクリティカルで、“あおり”“高さ”が微妙に狂うとテープを巻き込みます。これはKAシリーズ共通の問題です。長く使うにはミラーカセットとテストテープは必須です。Y!オクで素人がアジマス弄った個体は要注意です。90年台のソニー機に搭載されているテープスタビライザですが、KAシリーズに備わっているものは特に良く出来ていると思いますね。ポジショニング的にはK555→KA7、K333→KA5、K222→K3になっているのだと思いますが、価格はラインナップ整理、部材の共通化でESJシリーズよりもコストダウンを計っています。Dolby S機を探すなら、敢えて古いESJシリーズを漁るよりKAシリーズがお奨めです。再生専用機として使うならKA3ESがお手頃です。(1998年頃 入手 現有機)

追記:2020年頃より勤務先のオーディオ部門でも修理取り扱いをスタートしました。すべて秋葉原のオーディオショップ様からの下請け仕事です。(笑)


ソニー TC-K333ESJ

上のTC-KA5ES をフルオーバーホールする際に予備のマスターデッキとして入手しました。ここまで来ると、もはやソニー以外の選択肢がありません。デッキメカはESA以降ほとんど変わっていないため、ベルトやギヤなどの消耗部品も共通です。この先のことを考えると他社のデッキを所有するのは維持コスト的に不利益が生じますね。そんな理由から手頃な中古機を明後日いたところ、”調整済み・ベルト類交換済み”とのフレーズが踊る商品をヤフオクで見つけました。案の定、アジマスは大ズレ、PBバランスは6dB以上狂ってました。まぁ、そんなもんです。笑 調整ついでにアイドラギヤとキャプスタンベルト、モードベルトを交換しました。送り出し側のピンチローラーは交換済みみたいです。ガチガチにチューンしたところ、TC-KA5ESと比較しても甲乙つけ難いドンシャリ音を奏でる様になりました。シャーシ構造の違いのせいか、低音はTC-KA系より深みを感じます。回路はTC-KA5ESとほぼ同じです。TC-KA系ではREC CALの制御がフルロジックコントロールになっています。細かいところでは、REC EQがロータリースイッチで3段階しか切り替えられない点は、少々残念です。TC-KA系はVR式で無段階に調整可能です。RECレベルで追い込めば特に問題ないのですが・・・。TC-K555ESJとTC-KA7ESの関係も一緒で、これらと下位モデルの差はオペアンプと電源周りのケミコングレードの差程度で、音質に明らかな変化はありません。(2023年 中古入手 現有機)


ソニーTC-K700S

1993年製のソニー製エントリーモデルです。既に当時のソニーはオートリバース機を除く全ラインナップが3ヘッド化されていました。そもそも、この頃カセットデッキを購入する人は相当なマニアだったのでしょう。既にMDが普及しはじめ、一般ユーザーはカセットデッキを買い求めることは無かったのだと思います。価格はなんと定価49,800円です。シングルキャプスタンにして割り切っている点などは致し方ありません。ドルビーS+HXPRO付きのICが載っています。上位モデルで派生した部材を上手く組み合わせて安価に仕上げたと言ったところでしょうか。シングルキャプスタンなので少々古いテープを再生すると不安定になったりしますが、新品テープの録音再生に於いては特に問題はありません。音質自体はKAシリーズよりも太く感じます。これはEQアンプやライン・オペアンプの違いによるものでしょう。決して安っぽい音ではありません。但し本機もヘッド周りのチューニングが厄介です。故にヘッド高さ、あおり、アジマスを精密調整すると見違えるデッキです。コロナ禍の2020年2月に、久しぶりにオークションで落としました。案の定グチャグチャに弄られていましたが、バッチリ調整してTC-KA5ESのサブ機として活躍しています。愚息の録音専用機と化している?? (2020年 入手 現有機)


ソニーTC-WR-965S

人生初めてにして、恐らく最後のWカセット・オートリバース機であります。(ラジカセを除く)本機はソニーのドルビーS搭載の最終オートリバース機で、しっかりした造りです。基板上から回路を眺めるとKA5ESと似た構成になっていることが解ります。ドルビーなどはワンチップICなので当然ですが、EQ回路や出力アンプ周りみしっかり組まれていました。実際の音質は低音から高音域までフラットな特性です。本機購入理由はピッチコン付きだった為です。ピッチ狂いというのがどうにも許せないのです。古いテープはどうしてもピッチが下がる傾向にあります。これは録音時のテープスピードが狂っていたのではなく、経年劣化によりテープ自体の絶対長が延びてくることによります。延びる=磁束密度も疎になるためノイズも増えます。これは避けて通れません。特にC90以上のテープの場合顕著です。本当ならナカミチのアジマス補正とピッチコン付きのやつが良いのですが、Y!オクで10万以上の落札価格です。アジマスは都度手動調整するとして、ピッチコンが使える機種ということで探していたら本機に出会いました。ところコレが中々の音質で、アジマスをイージーに弄りながら使うには勿体ないということが判明。本機に搭載されるオートテープチューニング機能はなかなか優れもので、結構な確度で録音前のバイアス、EQ、感度を調整してくれます。イージーレコーディングなら本機で十分ですし、オートRECレベル機能も単なるリミッターではなく、スッテピングモーターがピークの絶対値を調整してくれる優れものです。これなら素人でも十分使えます。Wカセットとも録音・オートリバース・追従録音機能付きで、至れり尽くせり。最近はTC-KA5ESよりも使用頻度高いかもなぁ。メイン機の稼働率が下がるのでOKなんですけど。(2020年 中古入手 現有機)


ソニー TC-D5M

言わずと知れたメタル・カセットデンスケです。Y!オクでポチっちまいました。商品説明に“C120使用時にシャットオフしてしまう”と書かれていました、元々本機はC120は非推奨だったはずです。可搬機で動作電圧も低いためモーターのトルクが低いんですね。即落ボタンを押して翌々日には匿名配達で商品が到着しました。確かにテイクアップ・リールのトルクはかなり低下しています。カセット型の消磁器のリールが回りませんでした。C90以下では問題無いようです。それより気になったのはプレイバック・バランス・ズレです。テストテープを再生したところ、Lchが明らかにオーバーしてます。早速左右のPBレベルを調整し、アジマスも追い込みました。言うまでも無く、音質は明らかに向上しました。録音は試していませんが、後述のHD-X1用のワンポイント・ステレオマイクがあるので、何か録音してみますかねぇ。メタル非対応のTC-D5は友人から暫く借りていたので、本機の実力は十分わかっています。80年代に銀座スイングで北村英治さんのライブを何度か録音させてもらいました。ちゃんと北さん、マネージャーの渋谷さん(当時)の承諾を頂いてです。高校応援指導部のインタビューと称し、後輩のUくんと吉本に行ったS君がスイングの隣の凱旋門で収録した北さんのナマコメも残っています。TC-D5はFe-Crまででしたが、良い音で録れていたことを思い出します。なんだソニーばっかじゃん!! あだ名も、エス男なのでw。現在二台所有。(2020年 中古入手 現有機)


  1. ステレオラジカセ偏
  2. プリメインアンプ偏
  3. スピーカー偏
  4. ターンテーブル偏
  5. オープンリール・デッキ偏
  6. カセットデッキ偏
  7. DAT デッキ偏
  8. CDプレーヤー / ユニバーサルプレーヤー 偏
  9. チューナー偏
  10. その他・機器

DAT デッキ偏

DATは普及期しか使ったことがありません。そもそもデジタル機器にそこまで投資する機にはなれず。そうこうしている間にフォーマット自体が消滅しちゃいました。汗

AIWA HD-X1

当時親交のあったジャズ・バイブ奏者の増田一郎氏に勧められ購入しました。彼も同じモノを一緒に買ってます。笑 確かメーカーが増田さんにオーディオ誌への寄稿を依頼していたと記憶しています。因みに楽器の師匠は北村英治さん、世良譲さんですが、オーディオの師匠は増田一郎さんです。最初は自分らの演奏の録音に使っていました。同時に購入したステレオマイクは未だに持っています。後年は2トラ38替わりにLPのコピーに使っていました。後ろの箱がバッテリーケースになっていて、本体内蔵の専用電池でも駆動したと記憶しています。残念ながら本機も5〜6年でオジャンになりました。AIWAは約款通り8年を過ぎると修理してくれませんでしたね。涙 因みに増田一郎さんは複数台所有されていました。 (1989年頃 入手) 

 

 


DTC-ZE700 (二台所有)

ソニーDAT末期の製品です。この上にESモデルのDTC-ZA5ESがありました。ZE5ESは4モーターですが、こちらは2モーター+1の構成です。心臓部はほぼ共通で何れもSBM(Super Bit Mapping)が備わっています。同時期のパイオニアのDATは96KHzモードを搭載していますが、量子化ビット数は16bitです。ソニーのSBMでは可聴帯域内に均一に分布する量子化ノイズを人の聴感特性上耳につきにくい高域へシフトするとともに、通常は切り捨てられる下位4ビットの情報を上位16ビットへ繰り込みノイズ低減を実現しています。更にデシメーションフィルター部で折返し雑音を低減するとともに、フィルターから出力される24ビットデータの情報を、ほぼそのまま16ビットデータに変換し、高品質な録音を実現しています。即ち、可聴周波数帯域に於ける音の情報量(滑らかさ)はSBM搭載機の方が上であり、SBM機で録音したデータは全てのDATプレーヤーで再生可能です。サンプリング周波数が高ければ周波数特性も広くなりますが、16bit分の情報しか収録されません。どちらが良いかは甲乙付けがたいところです。何れもハイレゾ規格には及びませんが、アナログレコードや2トラ38のデジタライズには丁度良い規格でした。

因みに本機の泣き所は、経年劣化によるメカ部のベルト劣化とテンション・ローラーの引っ掛かり発生、バックテンション低下、テイクアップテンション低下など。ベルトについては新品入手が困難で他品流用は不可能です。現状ではジャンク品からの流用以外に調達の術がありません。バックテンション、テイクアップテンションは調整で何とかなる場合があります。厄介なのはテンションローラーの稼働不良です。アームガイドの溝を削るなどの工夫が必要ですが、ギヤが外れるケースが多い様です。所有機も同様の事象に見舞われました。ギヤを固定している樹脂製のカシメが割れて脱落しギヤが外れてしまうのです。小生は針金でカシメを造って接着剤で固定しました。部品取り用に調達したジャンク個体は二個ともカシメが無くなっていました。あと、RFユニットのケミコン劣化で変調信号が出なくなるトラブルも多発します。これはZA5ESも同様です。この事象が起きると最終的には何も聞こえなくなります。従ってノイズが出始めたら対策する必要があります。小生が普及期のZE700を使い続ける理由は、DATの性質上これらのトラブルは避けられないため、ジャンク個体をストックしやすい点(流通量も含め)にあります。正直音質はZA5ESと変わらないと思いますんで。所詮デジタルですから。出力のアナログ回路上のケミコンをアップグレードしたほうが余程音質が変化します。今後もZE700のジャンク漁りが続きます。早くハイレゾ移行できれば良いのですが、ハイレゾに向かうとオーディオから離れてしまいそうで・・・。(1995年頃 入手 現有機)


CDプレーヤー / ユニバーサルプレーヤー 偏

オーディオ歴が長い割にはCDプレーヤーの数が少ないです。やはりアナログ信奉者なんですかねぇ。現有機のDCD-1650AEに出会い価値観が変わりつつあります。

ケンウッド DP-1000

正直なところあまり良い印象がありません。チューナーのKT-1100Dと一緒に買ったのではないかと記憶しています。多分「CDってこんなんもん?」程度しか評価していなかったんだと思います。当時、アナログディスクの方が圧倒的に音質が優れていましたから・・。当時のベンチマークは“キースジャレット ケルンコンサート”でしたが、トリオ盤、ワナパイ盤ともにCDよりも遥かに良い音が出ていたのでガッカリしたことだけは鮮明に覚えています。このCDプレーヤーのせいじゃありません。そもそも16bitという規格が難アリなんです。(1987年頃 入手)


ソニーCDP-XA30ES

DP-1000のローディングエラーが頻発し、ディスクを全く受け付けなくなりました。この症状も多分何年か続いていたのですが、Apple コンピューターがMac用に販売していたApple Power CDというシェル型のドライブをオーディオCDプレーヤー替わりにしていましたが、いよいよコレもアウトになりました。その際に購入したのが本機になります。実はCDトレーにディスクを置いてその上にインシュレーターを載せるという演出が気に入りました。笑 実際に使用されているピックアップやモーターは汎用品で、”ES”を名乗ってもデジタルなんて所詮そんなものかと思った製品です。手の込んだデジタルフィルターが内蔵されていましたが、だから何?というのが正直な感想です。この時期はデジタルに投資するという気分になれず、”ES”付きの普及機を買いました。まぁ、当時としてはそこそこ評価されたCDプレーヤーだと思います。しかし、これがまた因果なモノでつい最近も現役で使っていました。ピックアップもアマゾンで買える時代になり3回ほど自分で交換して延命しましたが、最後はモーターが壊れて修理不可となりました。約四半世紀使ったので、何だかんだ言っても気に入っていたのでしょう。(1996年頃 入手)


パイオニア DV-S868Ai

コロナ禍の始まる直前の事、前述のXA30ESがいよいよ修理不可となりCDがメインセットで聴けない状態に陥りました。急場を凌ぐために適当なCDプレーヤーをY!オクで漁っていると、マルチディスク・プレーヤーとしてSACD再生も可能な本機が安価に売られていました。一応動作品とのことでしたが、我が家には爺様のの部屋に使われることの無い高級CDプレーヤーが鎮座していたので、どうにかそれを移譲させる計画を企てた次第です。いきなり行動を起こすと交換条件を突きつけられそうなので、頃合いを見計らうことにしました。その間を凌ぐ程度ならマルチディスク・プレーヤーでも構いません。ということで13K円で落としたのが本機になります。フツーに再生できて、SACDもキチンと読み込みます。エラーも出ません。これはラッキーと思い暫く聴いていました。いよいよコロナ禍が流行だし外出自粛とともに家で過ごす時間が増えると、自然とオーディオセットの前にいる時間が増えました。ある時、ヒーリング系のコンテンツを聴いていたところ、フォルテッシモで耳障りなノイズが聞こえたのです。普段聴いているジャズ系では気付かず、クラシックのピアノソナタとかを掛けると歪みが目立ちました。SP DIFで出力させて外部のDACを通して再生すると問題なくキレイに聞こえます。アナログ出力回路のケミコンが悪さしているとみて全交換したころ、素晴らしい音が出るようになりました。(詳しくはこちらに書いています)SACDを再生すると実に新鮮です。いや〜〜CDを見直しました。元値は10万くらいのプレーヤーなので、悪いはずはないのです。しかし、ドライブの回転音がきになります。ピュアオーディオ機ではないので仕方ないです。

爺様にさりげなくCDプレーヤー(アンプとスピーカーを含む)の話を切り出したところ「邪魔なので粗大ゴミに出そうと思っている」とほざくではありませんか。そんなわけで、すんなり手に入れたDCD-1650AEがリスニングルームに降りてくることになりました。チューンアップした本機はY!オクに出品しお役御免です。僅か二ヶ月のみ所有したプレーヤーでした。(2020年 入手)


デノン DCD-1650AE

爺様(実父)がCDだけ聴くためにプレーヤー、アンプ、スピーカーというミニマムなセットを使っていました。アンプはお古の(前述)KA-5060R、スピーカーは20年前に小生が組んだFOSTEXのキット。CDは小生がどこかで買ってきた安いものを使っていましたが、15年前に壊れて、本人が量販店のオーディオコーナーに出掛けて店員に言われるがまま買ってきたのが、このDCD-1650AEです。我が家ではオレオレ詐欺並の衝撃が走りました。爆 自分のお金で買っているのだから誰も文句は言いませんけど・・・。15万円した高級プレーヤーですから。

ここ数年鳴らしているのを聴いたことがなく、「アレは使わないの?」と訪ねると、「邪魔だから粗大ゴミに出そうと思う」と来ました、「しめしめ・・・・」ってなわけで、アンプとスピーカーは愚息の部屋へ、本機がリビングに降りてきたという訳です。我が家唯一の純SACDプレーヤーですが、15年選手とはいえまだまだイケそうです。いやいや、メチャメチャいいですョ、これ・・。宝の持ち腐れなのでしっかり使ってやりましょう。因みにアンプは片チャンネルのファイナルが死んでいました。愚息はラジカセにFOSTEXのスピーカー付けて鳴らしています。

本機ですが、16bit系の古いコンテンツもデジタル処理(Advanced AL24 Processing)で足りない部分が補間されているような感じがしました。その後Advanced AL32 Processing Plusにまで拡張され、16bit音源をハイレゾ並に補間修復する機能が搭載されるようになりましたが、本機のAL24Pはそこまでではありません。しかしヘンな味付けもなく、これが実に自然に聞こえるから不思議です。ふくよかなのですが繊細さを兼ね備えているというか・・。特に低音の響きが凄まじいです。ヨーヨーマを聴くと今まで聴いたことのない躍動感が伝わってきました。本命のSACDですが、北村英治の”Collaboration”で試聴しました。16bit とSACDを比較するとその差は歴然。SACDってこんなに凄いのね! 今更ながら脱帽です。SACD自体はコンテンツが少なく、近年はハイレゾ・コンテンツ化されてネットダウンロードが主になってしまい、今後コンテンツが増えることもなさそうです。Collaborationのような76cmマスタリングはSACD化して欲しいですね〜〜。因みに本機を手にしてから16bit CD再生が楽しくなったのは事実です。爺様には全く無縁のシロモノでした。(2005年 家族が購入 現有機)


オーディオ・チューナー偏

チューナーはあまり買い替えるモノではありませんねぇ。なのでお古のTX-8900が長かったです。

パイオニア TX-8900

叔父からJA-S9、DS-303、DP-3000と共に譲り受けた1st チューナーであります。5連バリコンで感度も良く、試験放送中のFM横浜、FM富士を聴きました。マニアックなMPX端子が付いていて、オシロ繋いでマルチパスによる歪みを観たりできたのも当時のチューナーの特徴でした。そうそう、これでFM海賊放送をワッチするのも楽しみの一つでしたね。FM受信機の仕組みを勉強できたのも本機のお陰です。(1979年頃 中古入手)

 


オンキョー Integra T-7

持っていたことすら忘れていました。80年代前半、秋葉原の定点パトロール場所だったダイナミックオーディオのジャンクコーナーで数千円で買ったチューナーです。友人から“FM専用機がイイ”と唆され何も調べずに手を出しました。バリコン周りのトラッキングだけ使える様になりましたが、中身がスカスカで愕然としたコトを鮮明に覚えています。当時のFM専用機といえば、トリオの7000番台のイメージが強く“7連バリコン”と決めつけていたのが全ての過ちの始まりです。本機も後述のT-427R同様4連バリコンでした。FM専用機というより、T5からAMを抜いた様なイメージです。実際には回路的に色々工夫されていた様ですが、FM-DX’erにはイマイチ人気がありません。単体コンポとしてリスニングルームに並べれば存在感は抜群ですけどね。当時のクォーツロック(PLL)は精度も低く、AFCよりはマシな程度です。“見て楽しむ”のがオンキョーのチューナーです。即友人にQSYしました。(1981年 中古入手)

 


オンキョーIntegra T-429R

ダイナミックオーディオで購入した中古機です。グリーンのイルミネーションとデヴィエーションメーターが特徴です。4連バリコンですが、凝ったIF構成で5連並の選択度がウリでした。IFもナロー・ワイドが切り替え可能で、他局化時代を先取りした最後のアナログチューナーでした。ほぼ未使用の新古品を見付けて衝動買いした逸品です。(ワンランク上のT-429Rは7連バリコン機) この頃はマストにローテーターがなく、横浜方面と東京方面の二方向に3エレを向けていました。ある時期からマストの真ん中に小さなローテーターを入れて3エレ一本と50MHz用のHB9CVを同居、DX受信用に本機を使用しました。Eスポシーズンに各地で試験放送を始めたFM局の電波受信して喜んでいたのが懐かしいです。一応現有機で、先日勤務先でフルオーバーホールしました。音質はKX-1100Dより優れているのですが、MPXフィルターがかなり甘々で19KHzがダダ漏れしているのを確認しています。(1982年 中古入手 現有機)


ケンウッド KX-1100D 

上級のL-03T、D-3300Tの流れを組むFM/AMチューナーです。PLLシンセサイザー機ですが、PLLからのノイズを抑えたクリアFM復調がウリです。上級のFM専用機から受け継がれたDLLD構成ですが、チップ部品を多用し調整箇所を極力無くすことで製造コストを大幅に削減しています。上述のDP-1000とともに購入しました。デザインが非常似ています。この頃は妙にKENWOOD贔屓でしたねぇ。チューナーに関してはやはりアマチュア無線をやっていた影響が大きいのかも。「電波系はトリオでしょう!!」ってな感じです。本機を購入した際に、上述の二台を後輩にプレゼント。ガラクタばかり持っていってもらい申し訳ない!!

そして2020年に至る現在まで、当リスニングルームに鎮座しています。何度か壊れましたが“電波系”の修理は本業です。 本格的に壊れたら、次にチューナーを買うかは微妙です。AM放送が終わり、FMの上の方に来ます(既に補間FMとして開局)が、古いデジタルチューナーは90MHzまでしか聴けません。ということで、後述のL-07Tiiの出番と相成ります。2023年の夏にフルオーバーホールしたところ、これまた性能復帰し、少し甘めだったセパレーションが劇的に回復しました。スペアナで出力特性を確認すると、低域がL-07Tiiよりも立ち上がりが良好、かつパイロット信号の漏れも少なめだったので、急遽現役復帰させました。現在、CATV経由のFM放送受信は本機、地上高8mの5エレFM八木(アマチュア無線のルーフタワー上)にはT-429Rを繋いでいます。

(1987年頃 入手 現有機)


トリオ L-07Tii 

昭和54年製のトリオ高級機です。この後のモデルから高級機はKenwoodロゴ付きになるのですが、この頃は高級コンポ“Lシリーズ”のチューナーとしてラインナップされていました。系譜的にはKT-9900辺りの流れを組むパルスカウント方式のチューナーで、当時の7000、8000、9000番台とLシリーズに搭載されていた機能です。Y!オクで安価に出品されていたものを運良く落札できました。Lシリーズといえば02Tとか03Tのイメージが強いのかもしれませんね。FM専用チューナーで非常にしっかりした造りです。7連バリコンを装備し抜群の感度を誇りますが、オーディオ系の性能を諸元だけでみるとKT-1100Dよりも古さが否めない内容です。ところが実際に音出ししてみると、明らかに透明感と奥行きを兼ね備えた“2ランク”上の音質です。これで聴くと“FM放送も捨てたもんじゃない”と再認識できました。到着後直ちにフロントエンドからIFまでフルトラッキング、本機のOSCはLが完全にシールドケースに埋没しているため、トラッキング調整できるのはTCのみです。やや受信帯域が広がっていて、83MHz基準でTCを調整するとLowエッジ、Hiエッジが僅かに内側にズレます。とは言え100KHz(弱)程度です。バンド幅の広いFM放送帯ですので、針1本分で150KHzくらいありますから、まぁ無視できるレベルです。例えば、76.5MHzを受信しようとすると現示は76.56MHz付近を示します。Lが調整できればLowエッジとHiエッジでアライメントできるのですが、シールドを分解するのは面倒なので放置しました。笑 この当時のブラック塗装はやや白味掛かっていて、妙に高級感があります。(写真下段)

 因みに、当リスニングルームでは本機を地上高8mのルーフタワー上に設置した5エレに、KT-1100DをCATV(イッツコム)に繋ぎ、リアル受信+再配信受信に対応させています。当地ではNHKと民放8局、コミュニティー局5局、在京キー局の補間FM放送(92MHz以下まで)が受信可能です。NHKとFM東京しかなく、隙間には海賊FM局(ミニFM)が沢山聞こえた70’s〜80’sが懐かしいです。

 上述の都合により、現在は愚息の部屋に鎮座していますが、使われている気配は無し。モッタイナイ・・(2020年 中古入手 現有機)


その他・機器

フィデリティ・リサーチ FRT-5 

通称“FF”の昇圧トランスです。1987年頃だったと思います。Vibの増田一郎さんの浜田山のお宅に東芝のHくん(慶応でピアノ弾いていた)と歌手志望でJALのクルーだったYHさんと三人で遊びに行った折のことです。(Pfの根本慶子さんも偶々打合せで来られていた)帰りしなに「コレ持って行くかい?」と増田さんに頂いたのが、このFRT-5です。増田さんと言えば、北村英治クインテットの名演が有名ですが、オーディオ評論家・レーベル社長(GML)としてもご活躍されていました。因みに学生時代に増田さんのバンドでClの花岡英治さんのトラとして吹かせて頂いたことがあります。確か横浜のクリフサイドでした。(赤面)カートリッジの話になり「AT-32が良いから今度試してみなよ」な〜んて話をされていました。このFRT-5も何台か所有されていて、頂いた個体はDL-103用にトランスを巻き直したモノだったと記憶しています。以来内蔵フォノアンプとは無縁になりました。この昇圧トランス一筋です。トランスなので全域に渡って持ち上げられている感じがとても良いのですが、反面、盤のソリやトレースノイズもそのまんま膨らんで出てくるのが玉に瑕。まぁ、これがトランスなんです。ジャズやロックを聴くには最高のトランスです。というか他のトランスを試したことがありません。増田さんは晩年に脳梗塞で倒れられ、それ以降はあまり表に出てこられなくなりました。十数年前に明大野球部OBのパーティーで久しぶりお見かけしたのが最後です。このFRT-5は一生大事にします。(1987年頃 中古入手 現有機)



  1. ステレオラジカセ偏
  2. プリメインアンプ偏
  3. スピーカー偏
  4. ターンテーブル偏
  5. オープンリール・デッキ偏
  6. カセットデッキ偏
  7. DAT デッキ偏
  8. CDプレーヤー / ユニバーサルプレーヤー 偏
  9. チューナー偏
  10. その他・機器