週明けです。【2020/03/09】
by
こんにちは。三寒四温が続いている南関東です。巷の閑散はいつまで続くのでしょうか。出口の見えない日々が続きます。暫くは週二回投稿とさせて頂きます。内容に手抜きはありません!!
”no rugby”な日々が続いています。所属クラブも3月中の練習が全てキャンセルされました。土日も外に出られません。この国難を皆で乗り切るしかありませんね。調達については、シンガポール・台湾・北米・ヨーロッパは機能していますが、デリバリーは平時の倍以上の時間を要しています。香港・深圳は壊滅状態です。当ラボで入場比率の高い、FT-1000MP系列の修理部材のうちMark V用のファイナル・ドライバについては、正規OEMのMACOM社にロット単位で発注していますが、フィリピンの工場は稼働しているのにサプライチェーンが機能停止中のため大幅遅延しています。Fedexのデリバリーも再開されていません。ご迷惑をお掛けしますが、今暫くおまちください。株価も急降下、ビットコインなんてやるんじゃなかった・・!!!! 金よりも安定しているなんてウソじゃね〜〜かぁ〜! 週末はプライベートと仕事の作業でラボ入りしていました。w
久しぶりにオーディオ漬けの日々

籠の鳥状態になっても仕事で無線にドップリなので、そっちには気が向きません。汗汗 スポーツ以外に他にすることと言えば鉄道模型かオーディオか・・。コーヒーでも飲みながらリラックスする時間が欲しかったので、リビングのオーディオセットの前のソファで膝にMacBook Proを置いて工事証明書(施工カルテ)を入力しながら、諏訪内晶子さんのCDを聴くことにしました。ライブラリの8割はジャズ・フュージョン系ですが、残りはクラシックです。中でもヨー・ヨーマ、フジコ・ヘミング、アリス・オットと諏訪内さんはiTunesに入れていてクルマでもBluetooth再生しています。圧縮系の音に耳が慣れているせいか、16bit系の非圧縮の音がとても新鮮に感じますねぇ。・・・チゴイネルワイゼンのフォルテッシモで妙なノイズが聞こえました。明らかに電圧降下系の歪みです。気になり出すと止まりませんね〜。もう職業病です。 プレーヤーはパイオニアのユニバーサル・ディスク・プレーヤーDV-S868Aiです。先日まで使っていたソニーのCDプレーヤーはピックアップを交換してもダメでした。モーターが逝かれてローディングすらしません。もう25年使っていますから、そろそろ替え時でした。オークションで13K円で落としたDV-S868Aiも新製から20年近く経っています。本来はDVDプレーヤーとして売り出されたモノだと思いますが、SACDが付いているので手が伸びました。元値は10万近くした製品です。前オーナーが13K円という価格設定をされた理由に気付かず一月が経過したところです。汗 音源自体が1950年代前後の古いジャズばかり聴いているので気付かなかったという言い訳をしておきます。苦笑 諏訪内晶子さんの繊細なストラディバリのハイトーンだからこそ気付いたのかもしれません。0dB付近で僅かですが耳障りな歪みを感じました。聞き慣れたキースジャレットのケルンコンサートにチェンジしてみます。こちらは普段LPで聴いているので耳慣れしています。残念なことに明らかに歪みが出ていました。こりゃ〜〜掴まされたなぁ。試しにS/PDIF出力をDATに繋いで、DATの内蔵DAC経由で再生したところ歪みは全くありません。DACからオペアンプの間のケミコンが逝かれているとみて間違いなさそうです。会社のライブラリーには同機のサービスマニュアルがなく、取り寄せに数日掛かることが解りました。“え〜い、やっちまえ!” こうなると思考よりも先に手が動いちゃいます。気付けば、ばDV-S868Aiはバラバラに解体されていました。笑 BB製のお馴染みのDACとSOP実装の2chアナログアンプが4個並んでいる場所を見付けました。本機はDVD再生機のためDolby5.1ch系の出力回路があり、CD/SACDの2ch出力ともにアナログ回路が構成されていました。映像系・デジタル出力系とは明らかに異なるグレードのケミコンが使用されているので見た目ですぐに判別できます。主電源以外はほぼ5Vラインで統一され、ケミコン類の殆どが6.3V耐圧です。自作・改造オーディオマニアにはお馴染みの“赤エル”こと、ELNA セラファインが多用されていて、外部出力端子手前のカップリングコンのみELNA トーンレックスが使われていました。以外に良い部品が使われているのに驚きつつも、6.3V系のセラファインは少々物足りません。構造的に無理があるというか、100µFという比較的に容量が大きいにも関わらず、かなり小型です。特に電源系の330µFはヤバすぎる。赤エル・トーンレックス共に全交換することにしました。無線機修理では “コンデンサー交換信者” ではないと断言しますが、オーディオは別ですね。と書きつつも、先日のTS-600はケミコン交換で絶好調になりましたけど・・汗。手元にあるのはニチコンFineGoldです。グレード的には赤エル相当でしょう。ニチコンKZは手持ちがありませんでした。親戚の真空管アンプを修理した際に使った東信工のハイグレードはトーンレックスの置換に使うことにしました。取りあえずターゲットのケミコン20個を撤去して容量をESRをチェックしたところ、案の定何本かに容量抜けの症状がありました。330µFについては20%以上容量低下しESR値も一桁上がってしまっています。空間構造を考えずに16Vクラスのケミコンに置き換えたところ、上層の基板に干渉してしまいました。相当の背丈の低いケミコンじゃないとダメみたいです。どうしても330µFだけは16Vクラスを使いたいので、全数横置きとしました。他のケミコンは止む無く6.3V耐圧のFineGoldに再交換。カップリングコンは東信工製がそのまま入りそうです。基板も無事にマウント完了!
さ〜〜て、諏訪内さんを聴いてみましょうかぁ。うわ〜〜〜何と美しい高音の響き!! キースジャレットを聴いてみると、ピアノのアタックがハッキリ聞こえます。DATのDAC経由と聞き比べても、音質の違いは明らかです。DATはDTC-5ESなので、これもまた古い機械です。過渡期のDACと比べちゃ〜いけません。流石SACD再生機だけのことはありますね。それならSACDはどうだろう・・。北村英治さんの”Collaboration”を聴いてみると、ベースの倍音が聞こえています。本アルバムはLPも持っているので聞き比べたところ、SACD版の方が明らかに臨場感が増しています。ややドンシャリなのはエージング次第いかな? ともあれ13K円+労力0.5人日+部品代 2K円程度で、150K円クラスの音を手に入れたお得感に大満足です。あれっ、リラックスタイムは何処へ??
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
jst-245h ご出場
久しぶりにJRC機です。長らく業務機の指定整備を担当させて頂いておりますが、アマ機もご本尊での取扱が無くなりました。145を含む本シリーズも相当数出回っているハズです。基本、代替部品で対応可能な箇所については今後も当ラボで扱って行く所存であります。
さて、本機ですが当ラボの所見としては別段異常ナシとの診断をさせて頂いております。僅かな起動表示遅延についてはケミコン劣化等に起因するもので、故障とは言えません。輝度については比較対象がないのでオーナー様の主観となりますため、如何ともし難い部分です。ご指摘にあった起動表示に30秒から1分かかるという件については、一度も再現されませんでした。予防処置前提としてLCDに関連するケミコン(Displayユニット、PAユニット)について全数交換させて頂く事にしました。
Displayユニット裏にあるSMDの47µF×3本と、本回路に直接電源を供給するPAユニットの14Vラインにぶら下がるアルミ電解コンデンサ数個が対象です。PA部のケミコンを交換しましたが、特に容量落ち等は観られず、ESR変化も微々たるモノです。Displayユニットの裏にあるSMDについては装着状態では確認できなかったのですが、3個とも液漏れがありました。但し容量変化は誤差範囲です。ESRは通常値の3倍程度に悪化していますが、電圧変動が顕著な箇所でもありません。主要因はLCDからの発熱による劣化と思われます。これらを交換して電源を投入したところ、明らかな挙動の変化を確認しました。電源ボタンを押した直後にLCDが点灯するようになり、輝度も増しています。この状態が新製時の状態に近いのか否かは不明ですが、明らかな変化です。また、数値化されないケミコン劣化の影響が出ているということは間違いありません。起動から30秒掛かる件と因果関係は不明ですが、結局ラボでは再現されなかったため、あくまで予防処置の副産物とお考え下さい。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
【ご依頼内容】
- LCD起動に時間が掛かる
- 輝度低下など
以上について修理を承りました。
【工数】
上記作業に工数3.0を要しました。(故障箇所診断、調達、交換、調整、検証、報告書作成、その他作業を含む)
【交換部品・使用ケミカル剤など】
- 小中容量ケミコン × 8個
rjx-601 ご出場
自家薬流中のRJX-601であります。メンテナンスパックとして拝見させて頂きました。パワー不足とのことですが、特に著しくパワーが下がっている感じはしませんね〜。チューニングが50.000MHz付近でとられています。昨今のアマチュア無線事情で考えれば、これで良いような気もしますが、51MHz以上でスカスカになってしまっては無意味です。52MHzセンターでアライメントを取り直しました。VFOはほぼ正常です。お約束のCAL 51.000MHz化、FMナロー化、送受信IF/RFのフルアライメントを実施しました。キャリアで3.5W、AMピークで7W弱出る様に調整。テクニカルガイドの調整法だとAM変調が潰れます。本機は終段コレクタ変調ですので、きちんとAMピークが出るように調整しましょう。調整しきれなかった箇所はRITです。RITボリューム自体のガリ進行で抵抗カーブも出ません。半固定VR側の調整域を逸脱してしまっています。部品入手ができませんので、こちらのみ未調整ですが、相手方がPLL機なら自局側でRITを使用する必要はないでしょう。ドリフト分はVFO微調整でお願いします。音質も良好です。AF部のタンタルコン異常もありません。このままでOKです。所々半田劣化で部品が浮いている箇所がありました。これらは再半田で修正しました。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
【ご依頼内容】
メンテナンスパック
以上について作業を承りました。
【工数】
パックメニュー 規程工数
【交換部品・使用ケミカル剤など】
CAL用水晶 交換 (51.000MHz化のため)
R80 定数変更 1/4W抵抗×1交換
CAIG デオキシット D-5 少量
※ パックメニューにつき、動画撮影は省略させて頂きます。
kh-3800 検査終了
”サージラム KH-3800″のご入場です。この筐体ですが、中は以外にもガラ〜ンとしています。本機には直読式の周波数カウンターが装備されていて、マニュアルダイヤルは省略されています。即ち周波数カウンターが不動だとSWはほぼ使えません。今回のご用命はこの周波数カウンターの修理でした。フロントパネルにディスプレイユニットと共に周波数カウンタがマウントされており、着脱には筐体の全分解が必要です。上蓋→下蓋→フロントパネル→ディスプレイユニットの順にバラしますが、フロントパネルの着脱が少々厄介です。半世紀近く前の機器ですので、樹脂類が溶け出してパネルとシャーシの間で接着剤の様になっています。上下6箇所のビスはサービスマニュアルがないと場所特定が難しいですね。実はフェルトの下に隠れていたりします。シャーシ・スケルトン状態になったらディスプレイユニットの固定ビスを外します。複数のジャンパがメインボードや電源に繫がっているのでこれらは事前に抜いておきます。某ソニー製BCLの様にジャンパーは半田付けではなくコネクタ化されているので有り難い、この辺は流石“日立”です。ディスプレーユニットを引き出したら、今度は周波数カウンタユニットを取り外します。ここは4箇所ビス留めされているだけなので、すんなり外せました。シールドケースバラして周波数カウンタユニットに到着! シールドの上蓋の内側に焦げ後を見付けました。その真下はパワートランジスタです。回路図を観ると、電源回路はトランスと整流ブリッジのみで定電圧回路が省略されています。本機は何故か15V駆動で設計されており、乾電池装着の場合は10本必要です。この辺りの思想も日立らしいかな? えっ、周波数カウンタの電源が定電圧化されていないの?? そんな訳はありません。このパワートランジスタが周波数カウンタ内部に14Vを供給する定電圧トランジスタなのです。15V入力で14V出力ってマージンなさ過ぎですね。(日立なのにヘン?)取りあえず、内部のケミコン5個をサンプルしました。330µF×2、100µF×2、47µF×1です。内、定電圧回路の100µFは容量が60%程度に低下、ESRも悪化しています。恐らく熱量の大きいパワートランジスタの真横だからでしょう。これらを交換してもLCが治る気配が全くありません。カウンタユニット内には制御用の大きなICの他、FL管のセグメントをON/OFFするトランジスタ・アレイ、クロック用のタイマーICなどが装着されています。時計も動作しないので、制御ICのVDD異常を疑いましたがケミコン総交換で戻ってこないとなると、他にも・・・。マトリックス部分の1N60二個が焼け切れていました。制御ICに触れると発熱しているのがわかります。???? 電圧を測定したところ、なんと20V掛かっています。一体・・・・。プリスケーラのOSC部にある水晶発振回路の電圧は定電圧回路の下流で14Vに抑えられていますが、ICの方は・・・・。主電源回路の電圧を測ってみると、15Vが21Vになってます。大元のトランス二次側はACで26V出ています。一体何が起きているのか・・・。1N60の焼損やパワートランジスタの発熱量から考えると、異常電圧による故障が濃厚です。トランスの出力電圧異常は、電圧降下の場合はコア材の磁器飽和、電圧上昇の場合、トランスのコイル線材熱融着が考えられます。例えば誘電雷被害などが原因。希に商用電源の電圧不安定で起きることもありますが最近はないですね。試しに、外部電源から15Vを当てましたが状況は変わりません。ICが壊れている様ですね〜〜。申し訳ありませんが、お手上げ状態です。実に残念です・・・。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ftdx-401 ご入場
またまた往年の名機のご入場です。FT-401SやFR-401は何度かやってますが、FTDX-401は初めてですね。中身はほぼ同じです。送受アウトとのことでした。”over half a century”なリグですので、電源投入前に清掃は必須です。50年の歳月の割にはキレイな方ですね。前回は拝見したFT-401Sはケミコンが破裂していたり、基板洗浄に相当の工数を持って行かれた記憶があります。オイルコンの皮が剥けていたり、樹脂油に埃が付着しているのは致し方ないところです。まずはファイナル以外の全真空管を着脱清掃するところからスタートです。因みに真空管機の場合、CAIG などの石油系溶剤の大量使用は禁物です。ガラスに石油が付着したままヒーターをONにすると、異常高温になり球が破裂する恐れがあります。電極類の洗浄時には注意が必要です。ソケット類に石油溶剤を使用した場合には、十分換装させてから真空管を装着してください。本機は全段真空管ですので一本ずつ丁寧に処理します。球自体はぬるま湯を絞ったウエスで軽く拭き上げる程度にしましょう。アルコールティッシュでもOKですが、擦りすぎると表面の印字まで落ちてしまい、真空管の型番が判らなくなります。汗 球を取り外したらエアダスターで埃を吹き飛ばし、脂に附着した埃は歯ブラシやモールで除去します。続いて接点類です。球を最初に抜き取る訳は、これらにCAIGを大量に使用するためです。真空管機のトラブルで最も多いのがバンドセレクタの接点不良です。当時はスイッチングダイオードやリレーの信頼性が低かったため、原始的な多連他接点の長軸ロータリースイッチが多用されていました。これは真空管機の終焉まで続きましたね。接点のメッキが剥がれて導通が確保されなくなるのですが、埃が接点の間に入り込むことが引き金となっています。これらはエアダスターでは取り除けません。ガチャガチャ回しても入り込んだ埃やカーボンはビクともしません。ここは石油溶剤で溶かして流すのが一番です。写真の様に固体を縦置きした状態で、接点の下にペーパーウエスを引き詰めます。家庭用のキッチンペーパーと同じ材質ですが、我々の様に仕事で修理作業を行う場合、キッチンペーパーではコスト的に合いません。当ラボでは近隣のコーナン・ホームセンターで纏め買いしています。(オススメ) 昔はキムワイプを使っていましたが、こちらの方がお得です。あとは臆せず、CAIGをガンガン吹きかけて洗い流します。黒い油汚れが流れ出るので、いかに汚れていたか一目瞭然!。次にリレー類を取り外します。本機はタイコ製の多回路・多接点リレーが二箇所使用されています。こちらは現状入手困難ですが、ラボに僅かにストックがあります。最悪交換しますが、まずは洗浄からチャレンジ。ケースを開けてペーパーウエスの上で処理しますが、まずは機構部の洗浄・潤滑から始めます。シリコンスプレーでソレノイド可動部を洗浄してから、電極部にCAIGを使用します。ペーパーウエスに予め浸しておいたCAIG剤を電極の隙間に入れて素早く引き出します。電極表面の汚れだけが取れるので、この方法をオススメします。CAIGは可動部に入ると潤滑剤を流していまい動きが鈍ります。この方法でリレーの応答・導通は劇的に改善しますのでお試し下さい。ここまでやってから部品を戻します。さぁ、診断作業を始めます。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
何も聞こえない
前段階の清掃作業である程度「見えてくる」のですが、今回は全くダメです。全バンドRFを全く復調しません。一つずつ潰して行く他ありませんね。真空管の場合、球を抜いた状態で入力信号到達が確認できます。本機に使用されている6系の球は1番ピンがグリッドですので、ここにプローブを突っこめば流れてくる波形を観れます。正確にはLocal OSCの V2(6BA6)からチェックすべきですが工数が見えないので、V202 1st mix(6CB6)の出力から確認することにしました。グリッド側にはRF信号が入力され、カソード側にLocal信号がインジェクションされてきます。プレート側から1st IFの5220KHz〜5720KHzの信号が出てくることになるのですが、プレート側は150Vの電位があるので不用意に測定器を繋げません。1st mixの出力波形は一段先の V203 2nd mix(6BE6)を抜いて7番PINソケットで観測することにしました。結果は写真の通りで、ここまでは正常に周波数変換されてきていることが確認できます。この先はVFOがミックスされ3MHz台の中間周波数に落ちるはずですが、、、何故かVFOバッファから信号が届きません。送受ともにアウトだったことを思い出しました。となると、VFOが出ていないのか?? 予想は的中です。VFOの信号は全く出ていません。そもそも9Vの電源が来ていないではありませんか!! 回路図を観ると、FIX chとVFOを切り替えるSWに繫がっているはずですが、そもそもFIX ch自体が存在しません。?? 水晶ソケットも無いし・・・。あれ? この回路図もしかしてFT-401Sのもの? こうなったら回路を追いかけるしかありませんね〜。オレンジ色のジャンパーケーブルを追って行くことにします。今時のように結束バンドではなく凧糸でガチガチに結わかれており、ケーブルを引っ張っぱることすらできません。凧糸で結ばれた箇所10個を解いて、リード線を追ったところREMOTE端子に辿り着きました。そういえば、FT-401Sはここに端子キャップが刺さっていたことを思い出しました。ACC端子はキャップが被っています。ここも1番〜2番が短絡されてファイナルのヒーター回路が通っています。VFOもREMOTE端子にキャップを掛けていないと9Vが繫がらない仕組みでした。手持ちのキャップを探したところ、ジャンク箱からFT-401シリーズ用と思われるキャップを発見、当該箇所がしっかり短絡されていました。この作業で4時間くらい費やしてしまったぁ・・・。多分オーナー様も久しぶりに取りだして、REMOTEキャップの存在失念されていたのでしょう。VFOは正常に動くようになりました・・・が、相変わらず聞こえません。2nd Mixは正常にIF周波数を出力しています。後段のIFアンプ・フィルタも正常に動作しています。送信状態にするとCWのトーンは聞こえますのでAF段は生きているはず・・・。SSB/CW DETの12AU7が動いていません。なんと、プレートの150Vラインが切れていました。これは1時間程度で発見・・・。いやいや、道徳は長いです。ここを繋いだら受信復調するようになりました。軽くトラッキングしましたが、感度が低めです。AGCがダメですね。IFの球は交換が必要かもしれません。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
送信系統は・・・
オーナー様曰く“調整動作できた”とのことですが、VFOが死んでいる状態ではキャリアでません。“送信できた”というのは??です。まず、IP が流れません。プレートには500V掛かっていますし、SGにも電位を確認しました。フィラメントが点かない状態です。“ケデ6”二本を外したところ、ゲッター変色が著しいです。コレは逝ってそうな予感がします。片側のフィラメントはGNDにショートしてしまっています。これは振動が原因か??? この状態ですので、プッシュプル交換されることをオススメします。6KD6はラボ在庫もありません。取り寄せとなります。送信(MOX)操作すると、スタンバイが解除されずに送信状態になりっぱなしになります。調べて行くと、リレー制御のV209(12AU7)のグリッド抵抗が焼け落ちが原因と判明。
この状態ですのでフルレストアは必須かと存じます。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
今後の修理予定について
先週から作業遅れが発生しています。部品調達、デリバリー遅れなどコロナウイルス関連によるものですので、ご理解のほどお願い申し上げます。納期が大幅に遅れているHL-250Uについても只今追加部品を調達中です。IC-821Dについては事象再発とのことでした。事象再現されないため、只今長期テスト中です。
- HL-250U 長期対応中
- IC-821 入場 2020/02/24
- FTDX-401 入場 2020/02/24
- IC-821 入場 長期対応中
- ICF-2001D 入場 2020/03/09
- IC-R7000 入場 2020/03/09
- その他の無線機など