投稿 Currently viewing the tag: "RJX-601"

 お疲れ様です。南関東の雨は小康状態。九州・東海に重大な被害が出ています。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。12日まで続くとのことです。

  1. FT-625D ご出場
  2. HL-130Usx ご出場
  3. RJX-601 ご出場

 YouTubeのコメント欄に“修理してくれ〜〜”メッセージを度々頂戴しています。会社のホームページからご相談頂ければ幸いです。因みに、只今150台待ちです。そろそろ年内の受付を終了しなければなりません。未だかつて経験したことのない忙しさです。今日も時間が無いので与太話抜き本題に入ります。

FT-625D ご出場

 大変長らくお待たせしました。大重篤状態からの復活であります。こちらは、周波数カウンターが点滅し送受とも全く機能しない状態でお預かりしました。PLL機ならアンロック??を疑うところですが、本機はVFOに直読の周波数カウンターを付加したFT-625D(当時周波数カウンター付きのモデルには“D”が付いた)であります。VFO+局発信号を50.0000MHz〜54.9999MHzにプリスケールされたカウンター部に読み込む事で周波数を表示させる仕組みですが、周波数範囲を逸脱すると50.0000MHzを表示点滅します。本機はこの点滅状態でした。ところが固定チャンネル(水晶実装)に切り替えると周波数が出ます。ローカルミックスの波形を確認したところVFOから信号が来ていません。本機は配線がカオス状態のため、どこで寸断しているか全く検討もつかないためVFO本体を分解してみました。すると電源が来ていないことが判明、DC8Vを追って行くと途中で断線している箇所を発見、繋ぎ直してVFO自体は発振するようになったのですが混合段の信号が依然弱いです。(殆ど出てこない)FIXユニット内のローカルバッファ(VFO信号はFIXチャンネルの信号とスイッチされるためココを通過する)が不動でした。トランジスタとケミコンを交換したところ、正常な波形が出る様になりました。

 この時点で受信動作に関しては概ね正常化されましたが、カウンターの表示周波数と実周波数がかなりズレています。特にUSB/CW側では7KHzもズレています。LSB/AM/FMは校正範囲でしたが、USB/CWは頑張っても5KHzまでしか詰まりませんでした。どうやらUSB/CWを受け持つ水晶が劣化離調しているようです。水晶は特注となるため、今回はコンデンサの定数変更に加え、水晶に直列にコンデンサを挿入することで発振周波数を校正可能範囲に移動させました。

 この状態で送信チェックです。出力が5Wしか出ません。しかも、どんどん小さくなって行きます。明らかにおかしな挙動ですね。電圧をチェックしたところ、DC13.7V(本機の定格電圧)が20V以上出ています。本機は電源内蔵のためAC100Vで動作しますが、定電圧回路の故障でしょうか・・・。調べて行くと、リアパネルに付いている定電圧用のパワートランジスタのコレクト=エミッタが両極でフル導通、ブリッジ出力がそのまま流れ出ていた様です。そうなると、DCラインの故障はかなり広範囲に及んでいる可能性が否めません。

 本機の2SC2099(プッシュプル)はVCE=40V、VCEO=18Vです。20V以上のVCCで増幅動作さえれば壊れますね。Pc自体は60Wと高めなんですけど、ケースが小さいので半導体の絶縁限界が低いのでしょう。2SC2099のMP品は入手できないため、正規品の同ロット4個を調達し、hfeを測定して特性の近い石を選別することにしました。(結果的に4個ともhfeは揃っていた)この際、PAに焼損炭化した部品を発見しました。タンタルコンデンサです。タンタルは温度特性に優れるため、熱源近くの回路に使われることが多いのですが、耐圧を超えるとすぐに壊れます。しかもケミコンと異なり、容量変化→液漏れ→破裂・DCリークという過程を踏まず、いきなりショートします。PAに搭載されているタンタル全数(焼損を除く)が短絡していた様です。これを通常型の105度耐圧のケミコンに交換しました。

 予定工数を遥かに超えましたが、何とか使用可能状態となりました。送受のIFトラッキングを実施、出力はAM/FMで10W。CWで18W、SSBではピーク40W出ています。本機は送信系を強要する海外版のFT-625RDと同一の高周波回路構成ですが、そもそも2SC2099に余裕があるため、海外版では25Wに設定されていました。全て規定通りに調整した結果、本機はUSBピークで40W出る様になりました。2SC2099のデータを見る限り25W時のIMDは-30dBと記載されています。この時点で新スプリアス的にアウトです。後ろにフィルタでも付ければ別ですが、このままピークパワーで運用してしうのは免許云々に関係無く違反行為です。Poゲインを下げてピーク20W程度でお使い頂く事をお奨めします。受信については絶好調です。測定限界の-140dBmでしっかり復調できました。

VFOから尊号が出てこない
VFOにDCが来ていない!
FIX chにはVFOの信号が届いている
周波数は出るようになったが・・
電源の定電圧トランジスタ焼損!
AC電源周りの部品を撤去
焼損ファイナル撤去
トランジスタ交換!!
上部に黒焦げの部品が・・タンタルだ!!
結局タンタル3本をケミコンに交換
周波数カウンター5KHzズレは水晶劣化(上)
水晶と直列にコンデンサを挿入
撤去部品・交換部品
CWだと・・18W
AMは最大12W 程度
FMは10W(送信IFが異なるのでAMと差異がある)

【ご依頼内容】

  1. 周波数カウンター不動
  2. 送受不能

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数7.0を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、改造、修復、調整、検証、起票、荷解き・梱包・発想、その他を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • ファイナルトランジスタ×2
  • 小電力トランジスタ×2
  • 抵抗×2
  • 中容量ケミコン×2
  • 小容量タンタルコン×3(ケミコン代替)
  • セラミックコン×1
  • 放熱用シリコン 少量
  • レジストコート 少量
記事を読む

 お疲れ様です。金曜日の昼下がりであります。横浜は晴れ、気温はやや低めかな? 相変わらずリモートワークの日々です。GWに突入ですが・・・。

 岡江久美子さんが亡くなりました。

 9年前までご近所に住んでいました。前勤務先の放送局でも朝帯の看板番組のメインMCを勤められ、大変お世話になりました。地元の“ハッピーロード”でお目に掛かることもあり、会釈するといつも笑顔を返して頂いたことを昨日のように覚えています。とても気さくな方で、ママチャリで等々力駅から環八に向かう坂道を登ってこられるお姿をお見かけしたことも・・・。とても残念です。訃報を聞き涙がこみ上げてきました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

 昨日久しぶりにJA8CCL局と1時間以上話しました。有線で・・笑 スマホでFacebookを眺めていたら、木下OMの顔アイコンが出現したので、“お久しぶりでーす、お元気ですか?”とメッセージしたら、折り返しに有線を頂きました。お仕事の邪魔をしてしまったかも。木下OMといえば、EDC社の社長でおられ、ITU友の会アマチュア無線クラブの会長でもあられます。例によって、ココでは書けない業界裏話トーク炸裂でした。丁度エレクラフトKX4についても伺いたいと思っていたところです。どうやら販売は6月頃にずれ込みそうですね〜。エレクラフト社も新型コロナの影響で開発スタッフ全員がテレワーク状態だそうです。作業はファームのデバグがメインみたいで、着々と進めているそうですョ。あと、最近扱い始めたXIEGUのG90についても伺いました。受信性能はK3並とのことです。小生も気になっていたので、早速一台申し込みましたが、中国がこんな感じですので、納品が大幅に遅延している様です。弊社の調達先も同じ深圳なので状況は十分理解できます。X5105も気になっています。何れもEDCさんはJP仕様を販売していますが、サポートもしっかりしているので、eBayやAlibabaで出所の知れない物を購入するより安心です。ところで、例年やっているITUの記念運用ですが、今年は新型コロナ流行の為、霞ヶ浦シャックは木下さん以外立ち入れません。数名のメンバーのみがリモート運用します。

 明日からGWならぬ「在宅ウィーク」が始まります。大手企業は12日間の連続休暇となるようです。皆で頑張りましょう! 小生も在宅でワークします。


HL-250U ご出場

 怒濤の作業が終わりました。まるまる4ヶ月掛かりました。東京ハイパワーのUHF旧型リニアです。過渡期の製品で設計もやや難有りな感じが否めません。後年リリースされたHL-250UFX、HL-250UDXの源流を垣間見ることができました。構成はドライバ1石、ファイナル4石(2パラ・プッシュプル)で全て2SC3102が使用されています。この石は50Wクラスで、製品定格上は10Wで200W以上(最大250W)が得られることになっています。本個体は全段が損傷し。周辺のバイアス回路や同調回路もズタズタに破壊されていました。一度に壊れたとは考えにくく、オーバードライブで序序に壊れ、最終的には基板損傷まで引き起こしたものと考えます。特にファイナルはPP毎の調整しか行なえない構造のため、特性の揃ったM/P品指定箇所です。国内でMP品を扱っているサプライヤはありません。シンガポールとスペインの業者に数ペア存在するのみ、同等品のCTC製の石でもM/Pは見当たりませんでした。コロナの影響で着荷に2月要しましたが、ストリップラインの異常容量に起因する発振がみられ、無負荷送信状態で1.2MHzの波形が発生します。その状況に気付かず貴重な石を二回も飛ばしてしまいました。(お恥ずかしい)結局、オリジナルの2SC3102は手に入らずMPではないドライバのみCTC製を使用しました。ベース側のストリップラインが僅かに後方に移動しています。熱が均一に伝わらないと発生する事象ですね。東京ハイパワーの初期の製品は基板がダメダメです。本来ここで打ち止め修理中止となるところですが、既に工数10以上を費やしており、石も1ローテーション分は自腹です。回収しないと大赤字です。汗 ベースバイアスのRFCと異常容量が出ているストリップラインが悪さしているのは明らかでした。結局RFCに抵抗を挿入することで発振を抑えましたが、定数を導き出すのに何度も抵抗を交換しました。結果的に入力インピーダンスが下がって安定した動作点を導くことがきました。Icは250mA程度流しているので少々発熱量は多めです。ファイナル側は出力のサプレッサ・バランサが全て焼け落ちていたので大暴れしたのでしょう。基板自体が中心部分から上方に反っている(発熱が原因?)のでストリップラインが正常に機能しているか不安です。こちらもIcq=300mA程度が正常値ですが、発振の恐れがあるため150mA(4個で600mA)に抑えました。結果、20W入力で200W程度の出力に抑えています。Icを300mA(4個で1200mA)流せば300W以上でると思いますが、責任はもてません。尖塔で飛び出るくらいなら良いのですが、FMでコンティニュアスに出せば確実に壊れます。UHFリニアはトラップが多すぎです。汗

交換部品
ファイナル全数交換(2回)
ドライバ交換(2回)
やっと装着検査へ
コンサバな設定でも200W!!
Check Out!

【ご依頼内容】

  1. 送信動作異常

 以上について修理・作業を承りました。

【工数】

 総工数 15.0を要しました。(工数3.0のみご請求)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 2SC3102MP ×4
  • 2SC3102 ×1 代替品(CTC CM50-12A)使用
  • 送受リレー ×2
  • 500V耐圧 MLCC/SMD ×20個
記事を読む
テキストのコピーはできません。