投稿 Currently viewing the tag: "AX-700B"

 こんにちは。今週最後のブログは午後投稿になりました。横浜は湿度が高め、ハッキリしないお天気です。カオス状態のラボから失礼しま〜す。 AX-700A ご入場 TR-1000 重篤フラッグあげ!!  本題に入る前に、当ブログで度々登場する「工数」について書いておこうと思います。作業を数値化したものを工数と言います。工数の単位は“人日”だったり“人月”だったりするのですが、当ラボでは“人日”を採用しています。社内では法人向けのサービスについては“人月”単位を使用していますが、コンシューマー向けのサービスに“人月”馴染みませんね。因みに身近なところでは、自動車を修理の明細書に作業項目に数量として表記されているものが人日工数です。  無線機メーカーでも同様に工数管理を行っていますが、これを表には出しません。何故ならユーザーには見せられない部分だからです。メーカーでは修理対応期間内中の諸経費をサービス原価として販管費に添加しています。これは家電メーカーでも同じです。期間中は製造時に補修用として調達した部品在庫から交換部品を引き出すため、大量調達により部品単価も低くできます。とは言えリソース(人員・設備・環境)の管理は必須なので、難易度の高い修理案件をダラダラと対応していては企業経営上あまり宜しくありません。そういう対応している企業は経営状況が悪化し、サービス自体の持続性も低下してしまいます。その為、どこの会社(メーカー)でも工数限界を設定しています。一定以上の工数が見込まれる作業に修理については有無を言わさず門前払いです。(汗汗) そこで出てくる工法が“Assy交換”です。部品代部分はユーザー負担になりますが、ユニット毎交換になるため工数は下がります。これは自動車・家電も一緒。但し、故障箇所が多岐に渡りAssy交換だけでは対応しきれず、個別に部品調達が発生するような修理案件だと確実に規程工数を超過します。大企業の場合、購買部門を通して部品を購入しなければなりません。購入方法や調達先の選定などがルール化されているため、ネットで検索して「この部品屋が安いからココから買おう」なんて事ができません。新規取引には与信も必要で、個人裁量制を導入してる企業でない限りムリ。修理に出しても、与信を通して、口座を作ってなんてやっていたら、ユーザーは怒っちゃいますよね。なのでメーカーでは「修理不可」が頻発するんです。流行の個人裁量にも予算上限があります。  では、当ラボの“工数”とは何か・・・。弊社では「資料収集」「故障診断」「部品調達」「修理作業」「報告書作成」「受発送業務」を工数に含めています。無線機を売っている訳では無いので販管費も存在しません。即ち工賃は全てユーザーさん負担になるため、そこにキャップ(制限)はありません。修理可能で作業ラインが延々使える状態であれば、理屈的にはどこまででも修理できることになりますが、ラインを閉塞してしまうと他のユーザーさんにご迷惑が掛かるので、実質10人日程度が限界でしょうか・・・。実際に、工賃単価が15,000円の中型機に10人日を掛けると15万になります。これに部品代乗っかるので、下手すると20万を超える修理代になります。「おいおい新品買った方が安いぞ!!」ってな事になるわけです。無線機の価値とエンジニアの人権費は比例しませんので、こればかりはオーナー様の価値観でご判断頂くしかありません。 AX-700A ご入場  メインダイヤルが機能しない個体をお預かりしました。ロータリーエンコーダーを調べたところ機能していません。部品番号をからデバイスを調べてサプライヤに問い合わせましたが、20年以上前にディスコンになっていました。市場流通は期待できそうにありません。使えそうなクリック付きのロータリーエンコーダを見付けました。軸径は一緒で、形状も酷似しています。端子配列が異なるので基板ランド側の改造が必須です。また、固定ピンの位置も異なるのでフロントパネルへの穴開けが必要です。これらの改造をともなう作業にはトータル5人日を要します。個体の中古市場価格を大きく上回るため、オーナー様次第となりますが・・・・。  2019/08/01 オーナー様より修理中止のご指示を頂戴しました。 TR-1000 重篤フラッグあげ!!   こちら作業継続中です。本機はサードパーティー製VFOの組み込み、電源部改造、制御系改造など、オリジナルと異なる箇所が多々あり、完全に手探りの作業となっています。まずVFOが全く発振しないので、ここから修理中です。本体の回路図はあるのですが、サードパーティー製VFOは資料がありません。またプラス接地回路のため取扱注意です。安定化電源を普通に繋いで、オシロのプローブをシャーシに繋いでしまうと電源がショートします。意味解りますよね? 汗汗 まずは「サードパーティー製VFO」の修理から。  本体と異なり、こちらはマイナス接地回路です。本体がプラス接地なのは当時のトランジスタがPNP主流だったからでしょう。このVFOユニットはJ-FETのMK10と2SC784の4石で構成されており、設計上はMK10で12.5MHzを発振、後段で2邸倍×2邸倍にて50MHzを得ているものと思われます。まず、出力側のコイルトランスのコアが崩れて回りません。着脱して裏側から回すことに挑戦しましたが、接着剤が浸潤しているようで完全にアウトです。巻き直しも検討しましたが工数を考慮してFCZコイルを使うことにしました。センタータップ位置と端子の位置が入れ替わっている為、基板側を改造することにしました。抱き合わせのコンデンサは15pFに変更。これで出力は調整できるようになりましたが、そもそも出力段に信号が来ていません。他のコイルも緩んでます・・・。MK10(これも懐かしい)の変形コルピッツ発振回路で、Cがバリコンになっています。オシロで見るとキレイな波形が見えます。周波数が11MHz台ですので、後段3石で二邸倍×二邸倍で50MHzを得ているものと思われますが、何れにしても11MHzは低すぎます。下限周波数が12.5MHzに付近まで上がらないと50MHz〜52MHzは出力できません。因みにTR-1000の送信回路は「ヘテロダイン無し」「邸倍無し」の直接発振です。  次段の2SC784のコレクタ側は、後ろのコイル・トランスを調整すると二倍周波数の信号が出てくることから、ダブラーと思われます。更にC級増幅のダブラーが続き、次段で50MHzを得られる構成だと思われます。ところが高調波成分が少なすぎです。これでは二倍周波数を取り出せません。気になったのはVCCの電圧です。本体側から来るマイナス電源の電位が−11V付近です。これでは本体の出力段が動きません。そういえば電源端子付近にレギュレーターICが増設されていました。これ少々難有りですね・・。処遇については後で検討することにして、取りあえずレギュレーターを一時的に外す処置をとりました。一応、MK10にはRD9A…(Read More)