週明けです。【2021/11/30】

by

 いよいよ師走ですね〜。ワクチンが効かないオミクロン株(コロナ=変異株)が気になる今日この頃です。第六波が来る前に忘年会やっちゃいましょう。

  1. HL-726D 完成間近
  2. JST-245 ご出場
  3. FT-1000MP ご出場
  4. IC-551 ご出場
  5. TR-9000 ご出場
  6. 今後の修理予定について

 久しぶりの宴席に参加しました。コロナ禍でもZoom会を続けてきたM会であります。麻布十番の鉄板焼「かねいし」に赤坂の某民放局関係者が集合しました。勿論、M会の主は伝説のアナウンサー 松下賢次(写真右端)さんです。

 「かねいし」は元巨人軍の金石昭人さんと奥様でキャスターの陣内貴美子さんが経営されているお店で、目黒上大崎にある鮨処「かねいし」の姉妹店です。旨いつまみを最高のワインで全員大満足です。金石さんも陣内さんもご挨拶にこられ、金石さんと暫くお話ししました。糖尿でHbA1c 13 から 5.0まで落としきったという話に一同驚愕・・・。根性のある人は落とし方もハンパじゃないです。小生の8.6から6.2なんて序の口ですね。帰りしなにはタクシー脇まで陣内さんにエスコート頂き感謝であります。お好み焼きを始め、本当に美味しいお店ですので是非ご利用ください。素敵なお店ですよ!! 鉄板焼「かねいし」 

 さて、前回触れた QCX Project のクローン機についてです。Aliexpress ポチッた USDX SDR 機が到着しました。早速テストしてみましょう。

 まずは想像を超えた軽さに驚きました。手のひらサイズです。複数のクローン機が出回っていますが、このバージョンは比較的に新しいようですね。動作についてはじっくり検証するとして、相変わらずダメな中華機のお手本の様なパッケージに苦笑いです。粗末な段ボールに包まれ取り説すらありません。なんとBNCジャックのナットとワッシャーが箱の中に転がっていました。中華機あるあるなので別に驚きはしません。あの国の人は品質と無関係みたいですね。ということで電源を入れてみます。電源SWは側面(縦置きの場合は底板側)にあります。BATT — OFF — 13.8V と書いてありますが。内蔵電池で動作させる場合はBATTを選択、外部電源で動かす場合は13.8Vになります。DCインレットは二個ありますが、片方は充電用のアダプター用、もう片方は13.8V用で外径寸法が異なります。内蔵電池は充電式で一応動作確認分の残量はあるみたいです。BATTを選択してONしたところ、ザラザラというデジタルノイズ(ポップノイズのような)が聞こえてきました。本機にはハードウェアAFVRがついていません。これは本家も同じ仕様みたいです。SDR側のIQ出力を18ステップで調整する仕組みです。即ちオペアンプには常に最大入力が入っており、MENU 1.1 の”Volume” を-1(最低値)に絞ってもザラザラは消えません。このクローン個体特有のものかもしれないので要検証です。因みに周波数、設定変更、音量変更などは全てエンコーダーで行います。慣れてしまえばどうってことありませんが、使い易いとは言えませんね。とっさにVRを絞れないのは如何なモノかと・・・。仕様上はUSB LSB CW AM FMとなっていますが、フロントパネルのMODEを押してもUSB LSB CWしか切り替わりません。AM FMを選択する際はMENU 1.2 の”Mode”を切り替えます。一旦AM FMが選択できても次にMODEボタンを押すとAM FMは選択できなくなります。実に??な機能です。DSPフィルターはFull、3000Hz、2400Hz、1800Hz、500Hz、200Hz、100Hz、50Hz(CWは500Hz以下のみ選択可)を切り替えられます。こちらもMENU1.3″Filter BW”で切り替えます。即ち、MENUに頻繁にアクセスする必要があるのです。エンコーダーと操作系ボタン3 (PTT MENU MODE)しかないので仕方ありません。

 本機のANT端子はBNC端子でした。本家もBNCを採用していますが、中華クローンの多くはM型コネクターを採用しています。本機はポータブル機のため、ダイヤモンドRHM-8Bなどと組み合わせることを考えるとBNCが丁度良い気がします。手持ちのコメットBNC750(7MHz〜50MHz対応)を付けてみました。バンド切替のMENU1.2で切り替えてみたところ、製品仕様上の3.5MHz〜28MHzの8バンドの他に、1.9MHzと50MHzも選択可能です。一応1.9MHzも50MHzもSDR側では制御されているみたいです。後述するLPFが30MHz以下しか対応していないため50MHzは実質使用不可でした。1.9MHzは送信も可能ですが、拙宅環境では強力なノイズに潰され聞こえているのか否か判別不能です。庭に出て午後の7MHz帯を受信してみました。良く聞こえますね〜。これは期待できそう!? 周波数もTCXO(と言っても0.5ppm程度)を搭載のお陰でドンピシャにきています。因みにREFの精密調整もMENU内で可能です。本機はつかいファームウェアの仕様上3種類の信号強度表示を選択(MENU 1.12 “S-meter”)できます。デフォルトはdBm表示でした。他にS表示、バーグラフ表示を選択できます。無線運用にはS表示が使い易いでしょうか。そもそもdBm表示がどれだけ正確かは判りません。SSGから-77dBmを入力したところ一応-77dBmを表示しました。意外です・・・・。取りあえず受信性能はそこそこ優秀な気がしました。続いてスペアナによる送信測定です。ご本家のYouTubeチャンネルではかなり酷い評価が書かれていました。こちらは基板自体が異なる他の製造者による個体なので果たしてどの様な結果となるのか・・・。まず受信時の消費電流は70mAで、これは本家と一緒です。ダミーロードを付けた出力検査では外部電源使用時に7W程度を確認、その際の消費電流は0.7A前後です。即ち送信時に消費される電流は700mA-70mAということになり、E級増幅器に630mAが流れている計算になります。なぜそんなに単純な計算になるかというと、本機はダイレクトコンバージョン機ですからRFフロントエンドの電流消費素子はファイナルのみなのです。送信時も受信時もプロセッサで消費される電流は変わらないと考えてよいでしょう。電力効率を計算すると80%を下回ります。E級増幅の定義としては80%以上の電力効率である必要があります。本家のYouTubeでもここは指摘されており、どうやらこの効率低下は終段素子の違いによるものと思われます。以上の測定結果は3.5MHz〜14MHzの場合で、18MHz以上となると更に悪化します。この結果はスペアナ検査で如実に表れました。まず送信IMDについてですが、両近傍に-30dB近いヒゲが立ち上がります。高調波は第二、第三で-40dB〜-46dBと高めの数値がでました。このままでは新スプリアス基準には通りません。まずは石の見直しは必須です。IC-705は全バンドで二次・三次ともに-60dB以下となりますし、KX3でも-50dB以下をキープします。どうやら製品紹介謳っている”8バンド”はLPFのチャンネル数みたいで2素子の簡単なフィルターが8バンド分ついています。本家は7素子のLPFを使っておりココも性能差に繫がっている気がしました。更に、この実験でとんでもないことに気付きました。SSBの変調が回り込んでいるのか、高めの音声周波数域(2トーン)でIMDが極端に悪化しました。分解して基板をチェックしたところ、RF出力がLPFを出た後、基板を縦断してプロセッサの下を通過しANT端子に向かっているではありませんか。プロセッサの手前はマイク入力があり、そのラインとRFラインが交錯しています。RFの回路設計をする人間ならとうてい考えられない基板レイアウトです。CADソフトで一括パターン作成しただけなのでしょうか? これでは回り込みますわ!! ANTを付けて電波をだしたら大変なことになりそうです。因みにCWは比較的に綺麗な電波が出ました。短縮タイプのロッドアンテナでは大量のコモンモードが発生しますから、恐らくまともな変調にはならないでしょう。本家はプロッセサ基板、RFフロントエンド、表示・操作部を3枚の基板で構成するサンドイッチ構造となっていて、これらの対策がとられています。回路図やファームウェアをパクッても、高周波を理解していなけりゃ製品化はできないということですね。余談ですが、iPhone 4が登場したときにANTがケースの外側に露出していて、濡れた手で本体を握って通話したら火傷したという事故が世界中で頻発し、急遽ゴム製のダンパーをAppleが無償配布するという珍事がありました。話をUSDX SDRに戻します。制御系にも幾つか問題がありました。まず、内蔵電池の充電量が表示されないことです。本家はそもそもバッテリーを搭載していませんので、ファームでこれらを管理することはできません。これは中華機が勝手にやった改良なのですが、何ともお粗末です。充電端子とDC13.8V端子を分けているのも後付けでバッテリーを積んだ為でしょう。全く連動していません。と云うか充電ステータスすら分からないので非常に危険です。本家はLCDのバックライトをファームウェアで制御している様ですが、中華クローンはDC直結です。MENUにバックライトON/OFFのスイッチがあるのですが、全く機能しませんでした。(笑) 

PTTが二箇所についているのでこんな使い方もアリ?
ハンディ機サイズ?
ID-52よりやや大きく、MX6より小さい
使えるならハンディHF機として使いたい
中はこんな感じ
LCDとSWユニットが本体基板に乗っていた 素子数も少ない
本体基板とケースの間にリチウムイオンBATTが入っていた
IRF1510G(MOS FET)が使用されているのだが・・
近傍両端に大きめのヒゲ
二次・三次の高調波(18MHz以上は更に悪化)

 CW専用機として改造しちゃうのも手ですね。何故なら、唯一素晴らしいと思えた機能が、CWデコードです。KX3やFTDX3000などに搭載されているデコーダーよりも確度が高いみたいですよ。ポケットCW専用機は面白いかもしれません。それなら本家のキットを購入されることをお奨めします。ということで、AliexpressやeBayで売られている「この筐体」のUSDX  SDRはSSBでは使い物にならないというのが結論であります。SSB受信機としてもまずまずの性能でしたので割り切った使い道はアリかもしれません。何れにしてもLPFをガッチリ組むなりしないと電波は出せません。


HL-726D 完成間近

 入場から3ヶ月になりますが、やっと出場の二文字が見えてきました。プロテクションICの故障からはじまり、ファイナル交換に加え430MHz系の出力ラインはリレー、カップリングコン、パスコン、Tc等、何度も交換しながらの作業となりましたが、何とか発振も抑制し5W入力で34W(430)出る様になりました。144は40W以上出ています。入力ラインのロスが大きく5W入れてもファイナルに入る前で3dB以上損失しています。この高見沢製リレーがダメなんでしょうね〜。取りあえず送信系はOKですが、どうやら430のプリアンプも故障しているようです。こちらはオーダーにないのでオーナー様に確認したいと思います。

Tcは6個潰しました。原因はリレー不良でした。
5W入れて34W確認

ご出場

 7MHz以下が送受できません。145/245ともにこの症状が頻発しますね。アンロックが原因ですが、VCOのTcがくせ者です。


ご出場

 Hi SWRとなり強制パワーダウン(プロテクション介入)しています。LPF回路の故障ですね。ご自身でCMカップラーのダイオードを交換されているようですが、極性導通していればココは問題ありません。原因は他にあります。


ご出場

 こちらは結果的にフルオーバーホールに近い作業となりました。元気になってご出場です。


ご出場

 REF水晶が故障していました。9.000MHzの水晶を国内メーカーに特注して交換させて頂きました。


今後の修理予定について

 今週入場した個体をもって横浜事業所扱いの案件は打ち止めとなります。来年以降の新規予約は12月15日前後より再開予定です。上尾事業所、町田事業所の案件については、個別に対応中です。

  1.  入場中 長期対応 作業中(上尾3)
  2.  入場中 長期対応 作業中(横浜2)
  3. HL-726D  入場中 作業中 間もなく出場(横浜1) 
  4.  入場中 長期対応 ライン空き待ち(横浜2)
  5. FT-102  入場中 出場検査不合格 ライン戻し (上尾1)
  6. TS-770 入場中 部品待ち 作業中(上尾3)  ——  部品調達に時間を要しています。
  7. ICF-PRO70 入場中 部品待ち 作業中(上尾3)  ——  部品調達に時間を要しています。
  8. TS-830S 入場中 検査待ち (横浜1) 
  9. NRD-93 入場中 検査待ち (横浜 2)
  10. NRD-515 入場中 検査待ち (横浜1) 
    年内は上記案件にて終了です。

Related posts

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。