IC-706MK2G ご出場 / FT-847M ご出場 / IC-790D 修理困難 / IC-775DX2 ご入場【2020/10/30】
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長〜いタイトルでスミマセンm(_ _)m。またまた連休前デスョ 仕事を妨害する色んな出来事が頻発しているラボでございます。
ID-52はキャンセルしました。詳しい事情は書けませんけど、10月末納品が11月末に変更になり、ヤル気が失せてしまったのでした。汗 IC-705についても店頭在庫が底を付くと暫くは供給ストップだそうです。“ならば今在庫があるIC-705をくださいな!” という訳で、予定になかったIC-705が手元にやってきた次第です。爆 ラボには、KX3、FT-817×2他、FT-991M、FT-857DMと、移動HF機は沢山あるんですけど、どうしてもD-STARのGWモードがやりたくて、ついつい手を出してしまい・・。何と言ってもIC-705にはWiFiが搭載されていてネットと直に繫がるのであります。しかもRS-BA1でリモートもできます。HF~430MHzでオールモードで、VoIP、リモートがPC無しに使える、なんと贅沢なっ!。昨日CQオームさんから商品が到着、事前に変更届出は済ませましたョ。
せっかくなので、KX3、FT-817NDとの性能比較をちょこっとやってみました。仕事中でなので大掛かりなコトはできませんけど、受信性能くらいなら比較できるかな? イコール条件でやるには、リアルに受信してやるのは困難です。
そこで、以前RRS-Piのデモ用に使っていた受信スペクトラムの再現システムを使うことにしました。こちらは、SDRでバンド全体をイメージファイルとして受信記録したデータを、ジェネレーターで再生して仮想の受信環境を再現できるシステムです。これにSSGから任意の固定周波数信号をミックスします。RFコンバイナーで両者を合成した信号を、それぞれのANT端子に突っこむわけです。よく無線機メーカーでやっているのは、複数の固定キャリアを突っこむ方法ですが、これよりも実戦に近いテストができたと思います。受信イメージは以前作成したデータで、7.000MHz〜7.100MHzまでの信号を3分間分記録したものです。
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KX3 の圧倒的な受信性能に脱帽

スペクトラムがひしめき合う信号の谷間に、固定キャリアを突っんでみました。KX3はオールバンド・ダイレクトサンプリングですが、IC-705は24MHz以下がダイレクト・サンプリングで、その上の周波数はダウンコンバージョン+IFの構成です。頻繁に使うと思われる7MHz帯はどちらも送受ダイレクトサンプリングになります。何れも抑圧に対してはアナログ高級機に一歩及ばずと言った感じが否めません。DSPの処理能力(ダイナミックレンジ)に起因する部分が大きいと思われますが、KX3の32bitに対して、IC-705はDSPのスペックを公開していないので不明ですが、恐らく同じ32bitではないかと思われます。因みに先発のIC-7300はフルレンジのダイレクトサンプリングです。IC-705では処理能力を優先するために、サンプリング周波数を絞ったのか?? 周波数分解能力はbit数に依存していると思われますが、多信号特性については条件を変更して何度テストしてもKX3に軍配があがりました。-50dBm以上の強い信号が10KHz離れたところにある場合において、KX3は-100dBmの信号を復調可能でした。ところが、IC-705は抑圧でRFゲインが下がってしまい全く聞こえません。AGCを切り替えたり、RFゲインを絞ったり、ATTを使ったり・・。色々やりましたがダメです。ナントFT-817(SSBナロー2.3KHz搭載)の方が復調できるケースが多かったのです。ヘテロダイン機の場合フィルタの非直線歪みの影響で信号が多少押されてしまうのですが、それでも周波数をシフトさせれば聞こえます。KX3はオプションのアナログ・ルーフィングフィルタをDSPに介入させられるのも高評価なところです。(当局の個体は装着済)IC-705のフィルタリングはDSP処理のみで、やはりオーバーシュートすると信号として処理できないため、強制的に即座にAGCが介入します。

よく考えてみるとIC-705のニーズは固定機としての云々ではありません! フィールドに持ち出してナンボの無線機です。云十メートルのタワーに多素子の八木をぶん回す、超多信号処理が求められる様なシャック運用する無線機ではないのです。むしろチープなアンテナで感度良く信号を拾い上げる基本性能の方が必要になります。
KX3については受信性能はピカイチなのですが、周波数安定度がイマイチなのが残念ですね〜。素の状態ではオーバーヒートしますから、サードパーティー製のヒートシンクは必須です。FT-817はTCXOの装着が可能です。最新版のFT-818には最初から搭載されています。このリグで長時間CWやDATA系のサービスをするとも思えませんが、基本性能は及第点です。限界感度については、KX3、IC-705に一歩及ばずでした。
そんなわけで、私的な簡易チェックの結果は、受信の総合性能は1位 KX3 2位 IC-705 3位 FT-817 ということにさせて頂きます。設計がIC-705よりも10年古いKX3がよく作り込まれている感じがします。限界感度についてはKX3、IC-705ともほぼ互角でした。送信については、飛べば良いって話なので割愛します。(出力は一緒なので) KX3とFT-817とも素の状態ではバッテリー性能が低すぎる点が気になります。当局では何れもWINCAMPのリチウムイオン電池で完全武装していますが、KX3の場合、これを装着するとサイズが二倍になってしまいます。とは言えIC-705とほぼ同じ容積サイズになるんですけど。FT-817はWINDCAMP武装してもオリジナルのサイズを維持できます。おいおい、値段を考えろ! と怒られそうです。それを考慮すると、FT-817系はコスパが高く、まだまだイケんじゃないでしょうか!!! 小生はこれからもFT-817NDをフィールドに持ち出します!! KX3のATUも外せないアイテムです。ゲリラ運用で適当なロングワイヤだけでQRVできるのも魅力の一つです。
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IC-705 の良さが光る点
IC-705の総合評価も書いておきましょう。いやいや凄い無線機ですよ。だって、実売12万前後で、オールバンド・オールモード搭載ですから。しかもD-STARとRS-BA1(リモート)にも対応しています。何と言ってもWi-Fi内蔵という点が凄いです。D-STARの二種類のGWモードとリモートをPCレスで直にインターネット接続出来てしまう点は、新しい時代のアマチュア無線機を象徴していると言って過言ではないでしょう。早速GWモードを設定しようとしたら、管理サーバーが落ちていました。トホホ そしてBluetoothも搭載しています。
このクラスは皆KX3を手本としているのか?? 中華製の安価なオールモード機も同様の位置にANT端子があります。WINDCAMPからもIC-705用のアンテナベースが出ていますが、どこの製品が良いんでしょう。まだ情報が少ないです。
ということで、暫くは本機をD-STARのターミナルモード用に移動常置場所メインで使うことにします。RS-BA1はスマホ対応していないのが残念。ウチなら絶対スマホインターフェース造るんですけどね〜〜。しかも儂、Windows PC持っていないし。
今回のテストは、ジャストアイデアな企画でした。近々フィールドで動画撮りをしたいと思います。
IC-706MK2G ご出場
電源が入らなかった個体の修理でした。PLL部に搭載されている5Vラインの電源周辺を修理、無事に復旧しました。プロセッサが動かないと電源間接制御のリグは起動できませぬ。詳細はYouTubeでご覧下さい。
FT-847M ご出場
定番の50W化改造です。こちらは元々50W(FT-847M)をメーカーで100W化(技適解除)した個体の様です。正常に作業が終了しました。定番メニューですので詳細説明は割愛します。
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IC-790D 修理困難

1200MHz/2400MHzの動作不良とのことでしたが、そもそもプロセッサが起動しません。電源スイッチを操作すると写真の様にディスプレイは点灯します。メインプロセッサのVCC電圧は正常値でした。即ちプロセッサが起動しない状態です。この状態だと、起動パラメータが消失しているか、プロセッサ自体の故障が濃厚です。これは工場でないと作業できない内容(Assy交換できないため)です。残念ながら修理不可フラグ揚げです。m(_ _)m
IC-775DX2 ご入場
またまた775DX2が入ってきました。古参リグの部類に入りますが、本当に人気がありますね。200W機ですからね! こちらPLLアンロックと思われる症状の他、ATU不具合と、結構ヘビーな内容です。
長期フラグが上がる可能性大・・・。
またまた連休です。明日は江ノ島詣、ラーメン「あん藤」に寄ろうと思います。日曜日はラグビーコーチが固定で入ってしまいます。皆さま良い週末を!!
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