FT-1000MP ご出場 / Mark V ご出場 / TS-940 修理困難 / FT-1021 検査のみ【2020/08/28】

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 おはようございます。週末金曜日の投稿です。久しぶりのハンテツ作業で寝不足気味であります。ラーメン行脚の余波か?? 笑

 気付けば秋の気配が感じられる季節となりました。夕食後、近隣を2kmほど散歩していますが、コオロギやらスズムシの鳴き音が聞こえてきます。日中もセミの鳴き声が聞こえなくなりました。来週から9月です。無線機修理の受付も再開しますが、全て来年1月以降のご予約となります。

 水曜日のお昼に片瀬江ノ島にラーメンを食べに行きました。ラボからは車で片道40分程度掛かります。外環道経由だともう少し近いかな? 藤沢市は横浜と隣接しているので横浜ナンバーが多いのは安心。(なんだそれ?w) 先月27日オープンした「えのしま あん藤」です。ムール貝と鶏で出汁をとったスープがたまりません。定番は「塩バターチャーシュー」に煮卵トッピングです。このチャーシューも舌の上でとろけます。これなら毎日でもイケます。歳のせいか“家系”とかは全く受け付けなくなりました。場所柄、海に遊びに来たお客が立ち寄るコトも多々あると思いますが、汗をかいた後は醤油ベースの方がお奨めかもしれませんね〜。こちらも大変美味しいです。お店は片瀬江ノ島駅のすぐ近く、境川を渡った対岸にあります。今のところ隔週ペースで伺っています。当面は金曜定休だそうですョ。小生は水曜日のお昼に出没。笑 

自家製チャーシュー
今日もお目当てはコレです!

 さ〜て、ラーメン食べてトンボ帰りです。

 今日は案件が多めですので、与太話は抜きで・・。ライン繰りの関係で大型機の入出場が続いています。相変わらず、”1000MP系列”が並びます。RJX-601と並び当ラボの上得意モデルであります。


ご出場 

 “電源が入らない”とのご相談です。早速拝見したところ、DC仕様に内部配線を切り替えたら動作しました。となると、内蔵のACスイッチング電源の故障となります。ココは以前にも書いた通り、ASSY修理指定箇所で、本来であれば電源毎交換する箇所になりますが、既にASSYの在庫もメーカー(ヤエス)にはありません。ASSY交換指定なのでサービスマニュアルに回路図も掲載されていません。さ〜てどうしたものか・・。一つ気になったことがありました。上蓋を開けた時に電解溶液の鼻を突くアノ臭いが立ちこめたのです。「ケミコンなら回路図無しでなんとかなる」とふんで、電源をバラすことにしました。ビス留めが緩い様に感じます。何方かが修理にチャレンジされたのか?? ペイントロックが全箇所剥がれているので間違いありません。「よく中は全く弄ってません!!」と仰るオーナー様がおられますが、エンジニアには一発でバレますョ。笑 お客様の所有物ですから誰も文句なんて言えません。汗 素直に教えて頂いた方が色んな手間が省けるんですけどねェ。笑 (今回はそういうコトではありません。) 頭に過ぎるのは「中を開けても液漏れケミコンが見つからなかった???」という不安でした。この電源、何度か修理した経験があります。液漏れの箇所はあのケミコンだと思うのですが・・違うのか?。

 電源ごとスッポリ抜き出します。中身は写真の通り、普通のスイッチング電源です。「アレ・・・ヘンだなぁ」 4本あるハズの2200µFが3本しかありません。基板を裏返すと、欠損している箇所だけホールがハンダで塞がれていました。ココは二個ずつチョークコイルにぶら下がっている場所で、片側だけ1本というのは解せません。(オーナー様にお電話したところ、諸々の事情が見えてきました。) 820µF/200Vは2本交換したらしいということがわかったのですが、そもそもココはそんなに負荷が掛かる場所でないのですが・・・。因みにケミコンが液漏れする箇所は、高温に晒される場所の近くにある、小容量のものが多いのです。皆さん真空管時代の経験から大きなコンデンサを疑われるのですが、そもそも構造的にも簡単には破裂しません。本機の電源修理にチャレンジされる方には大きなヒントになりましたね。笑 “あのケミコンを換えてもダメとなると・・・”と心配しましたが、そこは手つかずのままでした。怪しいケミコンを外したところ、案の定激しく液漏れしていました。DCリークも確認しています。電解溶液がスルーホールに浸潤したらしくハンダコテをあてたら強烈な臭いがしました。液漏れから少々時が経過している様で、スルーホール周辺は腐食が始まっていました。同容量・同耐圧のケミコンも同時に予防交換します。先程の2200µFについては1本をサンプリングしたところ、容量が規程値から80%以下を割っていたので全数交換と同時に欠損分を補充、4本を交換することとしました。電源ユニット内のケミコンを交換する際は、耐温度105℃を選びましょう。

 外装、特にフロントパネルの汚れが酷く、ラバーパーツの樹脂が溶け出して埃が付着していました。ツマミ、ラバー類を全て超音波洗浄(中性洗剤)にかけ、シリコンを吹き掛けて表面を保護。ディスプレイユニットとパネルの隙間に詰まった埃も全て除去しました。これを放置すると結露時にショートします。上蓋についた油脂汚れを除去してワックス処理して完了です。LCDの透明アクリルについた小キズも落としておきました。

双葉電機製のAssy (右端のケミコンが1本たりない)
液漏れはコッチですょ
漏てました
2本とも交換
2200µFも全数交換
電源復活
ラバーの樹脂が溶け出している
中性洗剤で超音波洗浄、シリコンコーティングして完了

【ご依頼内容】

  1. 電源投入不可

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数3.0を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、修復、調整、検証、洗浄・清掃、着発送、起票、その他を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 小容量アルミ電解コンデンサー 耐温度 105℃ ×2
  • 大容量アルミ電解コンデンサー 耐温度 105℃ ×4
  • エタノール 少量
  • フラックス除去剤 少量
  • 無洗浄フラックス 少量
  • レジストコート 少量
  • シリコンスプレー 少量
  • ポリメイト 少量
  • デオキシット D-5 少量


ご出場

 定番の修理です。LCDブラックアウトです。冷陰極管はまだ大丈夫そうですが、Mark VはFT-1000MPに比べBL輝度が控えめのため、二つを並べるとMark VのLCDはかなり暗く感じますが、本機としてはこの程度が正常です。今後は環境光によっては見え難くなることもあるかもしれません。その際にはバックライトのLED化をお奨めします。とりあえず本個体は暫くはこのままでイケると思います。

 こちらも上記のFT-1000MP同様に外装のリフレッシュを実施しました。同時期のラバーパーツはどうしてもこうなってしまいます。表面の艶が無くなってきたら、台所用の中性洗剤で洗い流し、シリコンスプレーを軽く拭いてコーティングしてあげてください。自動車グッズのクレ・ポリメイトは樹脂パーツの汚れ落としや保護にも使えます。

毎度お馴染みLCDブラックアウト
インバーターを修理
FT-1000MP同様、やはりラバー劣化が・・
こちらも超音波洗浄
キレイになりました
端子類も磨き上げ完了

【ご依頼内容】

  1. LCDブラックアウト

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業にパックメニュー規程工数を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、洗浄・清掃、着発送、起票、その他を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • パックメニュー規程パーツ 交換
  • エタノール 少量
  • フラックス除去剤 少量
  • 無洗浄フラックス 少量
  • レジストコート 少量
  • シリコンスプレー 少量
  • ポリメイト 少量
  • デオキシット D-5 少量


TS-940S 修理不可 

ますは掃除から

 久しぶりのTS-940です。本機と言えば持病のPLLアンロックですね〜〜。本機もアンロック症状とのことでお預かりしました。上蓋を開けて、まず目に入った大量の埃から除去することにしました。本機も既に30年越の機械ですから仕方ありません。して、気になったのがケミコン液漏れを疑うような異臭です。どうやらREGユニット辺りから臭いが出ている感じです。本機はPLLユニット側とRFユニット側にVCOを積んでいます、診断時にはローバンド側でアンロックを確認したので、RFユニット側の9.49999MHz以下のロック電圧を確認したころ、規程値から大きくズレており、ここを正常値の12.0Vに調整しました。一応ロックしたのですが、1.9MHzから10MHzまでゼネカバ状態でVFOを回して行みたところ、所々歯抜けでアンロックになります。PLLユニット側を開けて、PLL1、PLL2、PLL3の調整を試みたところ、PLL2は電圧が全く変化しません。FET、バリキャップ、周辺ケミコンの交換を要しますが、シールドを撤去する必要があり、中に詰まった蝋も全て除去する必要があります。この作業に工数が掛かります。また、ロックする周波数で受信テストを行ったところ、著しい感度低下を確認しました。フロントエンドが壊れている様です。上記のケミコン液漏れ(疑い)等を加味すると、修理費用は相当高額になりますし、他にも故障が隠れている可能性が否めません。丸二日掛けて拝見しましたが、担当エンジニアの見解として修理は困難であるとの結論に至りました。不本意なお返事となり申し訳ございません。

REG付近から電解溶液臭が・・(埃も多め)
PLLユニット 左奥のシールド周辺が故障

検査のみ

 SSBで出力されないとのことでした。弊社で修理歴のある個体です。CWなど他のモードではOKとのことでした。しかし、弊社では事象が全く再現されません。「何かが隠れている」可能性も否定できないため、丸二日電源を入れっぱなしにして断続的なテストを行いましたが、至って正常です。マイクを同梱頂けなかったため、弊社所有の標準マイクでテストしており、マイク側の断線等の可能性を疑い、普段お使いになられているMB-1、MB-100A8Xを後追いでお送り頂いたのですが、何れも正常でした。特に操作ミス等で発生する事象とも考えにくいため原因が全く解りません。今回は診断・検査のみでお戻しさせて頂きますが、一月以内に事象が再現した場合は、継続扱いで再度拝見させて頂きます。(一応、送信テスト時の映像も残しています) せっかくご入場頂いたので、外装のリフレッシュのみ施工させて頂きました。

異常が確認できないためリフレッシュのみ施工
化粧直ししてご出場です

 これからIC-575の検査に着手します。皆さま、良い週末をお過ごし下さい。

  • Aperture: ƒ/1.8
  • Camera: iPhone 8 Plus
  • Focal length: 3.99mm
  • ISO: 80
  • Shutter speed: 1/4s

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