Mark V ご出場 /ICF-SW100 作業再開 / FT-920 修理困難【2020/07/31】

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 もう週末ですかぁ? 時間が幾らあっても足りない今日この頃です。南関東は未だ梅雨から抜け出せません。今日も曇り空の横浜です。

 コロナ禍で籠もりモードが増えたせいか、謎の腰痛に悩まされています。どうやら座骨神経痛の疑いが濃厚になりました。確かに座りっぱなしです。若かりし在籍していた航空会社では“コクピットの人達が掛かる病気”と言われていました。このブログ執筆だったり顕微鏡除きながらのSMD作業も気付けば3〜4時間座りっぱなしなんてことは日常です。そういえば、先日草津に行った折は、往復10時間着座していました。普段ならSAで休憩をとるのですが、このご時世三密になりそうなところには近づけません。コロナはこんなところにも影響している様です。コロナ以外の疾患が増えているんじゃないのかなぁ? 

 またまたオークションで“沼”に填まってます。これもコロナ禍のせいか??w 半年くらい前に深夜のラジカセ修理の話を書きました。これらは“頼まれ物”の修理だったんですけど、色々やっているウチに自分が虜になっています。いわゆる「ミイラ取りがミイラに・・」って奴です。そもそもカセットオーディオに執着しているのがイケないんですね。w ・・・で何を収集しているかというと、80年代〜バブル時代のドルビー付きラジカセであります。ゴールはフルレストアであります。腕時計やカメラと違い、“図体のデカいステレオラジカセなんて収集してどうすんだよ!” 愚妻から非難囂々です。

 丁度、連休前に4000円で落札したパナソニック RX-DT707(コブラトップ)が留守中に届いていました。バブルラジカセの代表選手みたいなモデルでして、80年代の昭和ラジカセよりも安価に出回っています。レストアのメインストリームは昭和ラジカセなんですけど、今回はラボで作業中のBGM再生が主用途なので、イージーメンテナンス出来るモデルを選びました。ビックリしたのは普段遊んでいる80年前後のモデルと90年代のバブルラジカセではメンテナンス性が各段に進歩していることです。アマチュア無線機も同様ですが、90年代のリグはコネクタやハーネスを多用していて、修理=Assy交換というスタイルに進化しているのですが、これは家電製品全体の流れだったんですね。このRX-DT707ケースのネジを外すと、積み木細工の如く筐体がバラバラになるんです。フロントパネルとリヤ(メインユニットAssy+カセットAssy+CDAssy+チューナーAssy)は一箇所のコネクタのみで繫がっています。しかも、筐体をバラす際に勝手に外れる仕組みです。組み戻しも簡単です。こんな造りだとスピーカーの音が籠もったり、音響的にNGなのかと思いきや、筐体内にエンクロージャーがあり、しっかりした音が出ます。オクの商品説明に「美品・整備済動作品」と書いてありましたが、案の定デッキ部はダメダメです。カセット1とカセット2の速度差が歴然です。テストテープできっちり4.75cm/sに調整しました。アジマスは未調整のようでペイントロックでビクともしません。エタノールを浸潤させてロック剤を溶かして調整開始、オートリバース機なので、両方向キチンと調整する必要がありますが、どうせ自分で使うラジカセなので、拙宅マスター機のTC-KA5ESで録音した調整用マスターテープで位相を合わせました。勿論、頼まれ物の場合はIEC準拠のテストテープでアジマスとりますョ。外装はキレイなのにSPカバーの内側に大量の埃が詰まっていました。全SPをバラして、埃を全て除去します。コーン紙にも大量に附着しているので、アルコールティッシュで慎重に除去しました。アンプユニットにも大量の埃が積もっているので、基板を取りだして除去しました。本機は意外にも良い部品を使っています。ケミコンは松下製ではなく全てELNA製でした。この頃の松下はまだケミコン造っていたはずですけどね・・ また、オーディオアンプは東芝製でバイアンプ構成です。4つのスピーカーは個別にドライブされていたんですね。因みにカップリングコンデンサにはSilmicが使われています。結構、本機で造っていますね。バブルだからこそ為し得たことかもしれません。そこまで気合いが入っているなら、チューニングしがいがあります。怪しいケミコンも全部新品のSilmic Ⅱに耐圧アップして交換しました。基板のフラックスも全て洗い流し、レジスタコートで処理しました。前述の通り、組み戻しは5分と掛かりません・・。凄いよ、このラジカセ!! 

 すっごい良い音出ています! あっと、CDチェックするの忘れていた。クルマでもリスニングルームでも聴いているFRANK CHAKSFIELD のEdd Tide(引き潮)を再生したところ、エッジの効いたストリングスの音が出てきました。低音はビビリもなく良好です。アンビエント機能はデジタル処理の粗さが目立ってしまい、宜しくありませんね〜〜。俄然NORMALモードです。このCDからTC-KA5ESでダビングしたノーマルテープ(Dolby S)を再生してみます。本機はDolby B搭載ですので、再生だけならDolby Sコンテンツでも気になる音質劣化はないはず。ビックリ仰天、これカセットデッキとして相当優秀だぞ!! スペックを見ると 30Hz〜18,000Hz(メタル EIAJ -3dB)となっています。流石にワウフラッターの記載はありませんけど、多分0.07%くらいかな? プレーヤーではなくレコーダーなので、総合周波数特性(録音→再生)として記載されているはずです。再生専用で使えば+1000Hzくらい出るかも。オーディオ回路の部品が良いので、相当期待できそうです。バブルラジカセには全く期待していなかっただけに、驚きと同時に新たな興味が湧いてしまいました。先日、Twitterにカセット沼の話を書いたら、「ハイレゾ時代に何故カセット??」と突っこまれたのですが、無線と一緒で「一手間」がいいんです。整備済のデッキで録音レベルキッチリ合わせてでDolby S + HXPROで録音されたテープは本当に良い音出るんですって・・。あ、、アラ還の耳には20KHz以上なんて関係ないんで。そもそも20KHz聞こえてませんから・・爆  “AFN”や“ラジオ深夜便”聴いてるくらいですから。SilmicⅡの慣らしが必要ですが、アッという間に丸二日聴きまくったなぁ。4,000円で買ったジャンクが、20倍くらいにバリエーションアップです。

ここに全てが凝縮
CDassyは固定されていない! 凄いなぁ
カセットassyも簡単に取り出せた
ケミコンも交換したぞ!

Mark V ご出場

外装は新品以上に美しい?

 大変長らくお待たせしました。重篤状態の個体の修理が完了しました。送受ともアウトの個体です。受信は聞こえないわけではなく、異常に感度が低くいです。少なくとも普通には聞こえない状態ですね。リグを超強電界に置けば復調はするレベルです。送信は内蔵のSWRメーターが振り切れ状態になり、出力も最大200Wに対して50W足らずといったところです。この事象、何度か見覚えがありますね。汗 受信リレー経由で送信波が受信フロントエンドを直撃したパターンです。検査の結果、案の定でした。

 本機は何故か送信スタンバイにリレーがありません。受信側にのみリレーがあるのです。このリレーは送信トリガーTX9VによってOFF/ONされる仕組みで、トランジスタで制御されています。即ちこのリレーは受信時のみONになるわけですが、一般的な無線機の場合、受信側が優先されます。この応答性に優れる水銀リレーが使われており、実はこれが厄介なんです。恐らくフルブレークイン時の切替速度を意識したものと思われますが、一瞬でも受信リレーの開放が遅れてしまうと送信波がフロントエンドに流れ込んでしまいます。一応、送信RF路に整流ダイオードをSWダイオードとして設置しているのですが、どう考えてもダイオードの立ち上がりの方が速いに決まってます。このリレーの制御にはデジタルトランジスタが使用されています。恐らく、最初に故障するのはこちらでしょう。コレが落ちてリレーが開かなくなるパターンが濃厚です。このデジトラは国内市場では見つからず、ロンドンから調達しました。恐らく深圳や北米にもありません。前回同様の修理をした際にはコレが入手できず、2SA1015と抵抗をバラックで組んで代替した記憶があります。(今回は助かった)

 リレーが閉じたまま送信回路が接続され、ここに最大200Wオーバーのスペクトラムが流れ込むことになるのですが、毎度壊れるのはLPF前後のSWダイオードです。異常インピーダンスになりプロテクション動作が介入するのは不幸中の幸いですが、リレーはハイインピーダンスに弱く異常電圧で壊れてしまいます。このリレーが厄介と書きましたが、こちら入手はまず不可能です。メーカーの特注品でデバイスメーカーの製品リストにも存在しないため市場調達ができません。ココが壊れた場合は、普通の小電力リレーで応答性の高い物で代替するしかありません。空きスペースにリレーを裏返しにボンド付けしバラックで配線します。受信回路なので特に問題はありません。使用するリレーは500Wクラスのリニアにも使用される物ですので安心です。受信フロントエンドは、LPF前後のSWダイオード(1SV271)が焼け落ちていたので、これを交換しましたが、故障部品がリレーの谷間にあるため、SMDではなく汎用のSWダイオード(1S2076A)でハンダ面側に置換しました。将来同様の事象が再発した場合も、この方法なら簡単に対処できます。性能差はありません。

水銀リレーを外します
汎用リレーをリードバイパス装着
この位置にマウント(ボンド付け)
デジトラ交換
元に戻して・・・
フロントエンドのSWダイオード焼損
取り外し完了
外装もフルリフレッシュ

【ご依頼内容】

  1. 受信できない
  2. 送信SWR悪化、出力低下

 以上について修理を承りました。

【工数】

  上記作業に工数5.0を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、改造、基板修復、検証、着発送作業、起票、その他を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • シリコンスプレー
  • シリコングリス
  • CAIG デオキシット D-5
  • エタノール
  • レジスタコート剤
  • RL6451 TC-112V(水銀)の代替として、UM1-12W ×1個を基板改造の上装着
  • Q1453 2SA1563 ×1
  • Q6451 2SC667D ×1
  • D1006 1SV271 RFフロントエンドSWリレーの代替として、1S2076A×1
  • D1011  1SV271 RFフロントエンドSWリレーの代替として、1S2076A×1


ICF-SW100 作業再開

今まで時計しか表示しなかったLCDにFMの周波数が・・

 AMEさんの執念ワークによりICF-SW100の修理作業が再開しいています。一旦修理困難フラッグが揚がった個体ですが、徹底的に電源回路を追跡しダイオード、タンタル(全て顕微鏡作業)を着脱確認しました。ナント、キーボード入力が可能となり周波数が表示されるようになりました。PC用のフレキシブル・フラットを調達して、適当な長さに切り出して再建を試みるそうです。来週中には見えてくるのではないかと思います。今暫くお待ち下さい。但し、まだ 復調音を確認していないため、溶断


FT-920 修理困難

 一件、異常無さそうな個体です。規程出力が出ていますし、受信もOKです。SSBで出力が載ってこないという事象でした。確かに口笛ではパワーが出てくるのですが、音声が殆どのりません。最大出力の1/4程度です。ALCは振れているので、尖塔電力は最大電力に到達している様です。FMでも変調が薄く十分なデビエーションが確保できません。最初マイクアンプの故障を疑いました。本機の送信AFはMic input→Mic amp→Analog SW→DSP→SSB MOD /FM MODという構成です。Patch端子とDATA入力を備えており、PatchはMic inputに繫がっています。DATA入力はVRやampを介さずにAnalog SWに直結しています。年の為、Patch側とDATA側に直接オーディオジェネレーターを繋いで、低周波信号でテストしたところ、何れも一定のレベルで飽和してしまい送信スペクトラムが頭打ちになることが判りました。FMでは変調度が上がりません。即ち、故障箇所はマイクアンプでは無くDSPである可能性が高いのです。本機はSSB送信時のマイクEQをDSPが担っています。MENUでOFFにすることは可能ですが、DSP 内部のスイッチの制御で信号自体はDSPを通過します。FMの場合もDSPを信号が通過します。EQ設定を変更しても変化はありません。勿論OFFでも・・・。400Hz以下の信号で立ち上がりが悪く、送信キャリアポイントを下側にシフトさせたところ、僅かですが症状が改善しました。DSPの修理は不可能で、Assy交換以外に術がありません。不本意ながら修理不可とさせて頂きます。


APB-1200A 再び部品待ち

 ファイナル・ドライバが到着したのですが、発振止めのチップコンも交換が必要です。こちらMouserさんにオーダー済です。少々お待ち下さい。


  愚息は明日から夏休みだそうです。7月1日から一学期が始まったばかりなのに・・涙 

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