週明けです。【2020/07/21】

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 未だ梅雨が明けない横浜地方であります。気温だけは高めで、陽が射していないのに熱中症になりそうです。週後半は連休ですね。会社は暦通りの営業です。

 日曜日は7ヶ月ぶりにラグビーの練習が入る予定でしたが、県内でぶり返してきたコロナのせいで急遽中止になり、愚息とお友達相手に1時間ほどプライベート・トレーニングを近隣の公園でやり、直後にダウンです。曇り空で殆ど日射しはありません。しかし、何やらチクチクと肌を刺すような紫外線攻撃を感じました。どうやら軽い熱中症に掛かった様です。徹夜作業が続いていて睡眠不足もあるかなぁ。アラ還には堪えますぅ。週後半から4連休ですが、ちょっと休ませて頂きます。そんな状態でしたけど、お約束通り3台仕上げましたのでご報告します。金曜日のブログは休日のためお休みします。

 さて、修理作業の受付についてですが、キャンセル分の調整を行っております。現時点で12月分までの受注枠全てが埋まってしまいました。例年決算作業と測定器の集中校正が入るため、12月第二週から正月明けの間は作業を行っていません。8月20日からキャンセル分の二回目募集を開始しますが、受付数については未定です。来年1月以降のご予約分については9月1日より開始予定です。


ご出場

 先週お伝えした「送信不良」のIC-703です。お伝えした通りRFバッファICが故障していました。6PINのSMDパーツで米粒大の大きさ。交換に際し、養生のため周囲のデバイスも撤去しながら行いました。因みにどの様にSMDのICを剥離方法ですが、周囲に十分フラックスを塗布します。細めの網線を当て、300度程度のコテで一気にハンダを吸い取ります。フラックスは一度コテを当てるとすぐに蒸発しますので、面倒でもコテを当てる度に塗布する様にします。弊社ではサンハヤトの無洗浄フラックスを使用していますが、無洗浄でもベタ付きは残るので、施工後は必ずエタノールで表面をキレイにします。太陽電機(goodブランド)製のソルダーアシストを使用してICを剥がしますが、この際にパターンを剥がさないよう細心の注意を払います。コテが入りにくい場所なので周囲のSMDやジャンパ端子は事前に外しておきます。外すと言ってもこれらもリフロー実装されているので、同様にハンダ処理しながら着脱します。結構骨の折れる作業で、パターンを剥離させたり基板を焼損したらアウトです。腕に自信の無い方にはお奨めしません。勿論、顕微鏡作業になります。汗汗 と言う訳で、無事に交換は終了、取り外したSMDも念の為新しい部品に換えておきます。フロントの樹脂・ラバーパーツは着脱して超音波洗浄・中性洗剤ブラッシングで埃や油脂汚れを除去した後、シリコンでコーティングしました。見違える程キレイになってます。内部の埃堆積も多めでした。数年に一度は内部の埃を掃除機で吸い取ってください。

RFバッファアンプIC交換
µPC2907Tです
イニシャルセットで5Wに設定されている
絶好調!
ラバーを洗浄中
美しく仕上がりました!!

【ご依頼内容】

送信不具合

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数4.0を要しました。(故障箇所特定、調達、顕微鏡作業、交換、調整、検証、洗浄・清掃、着発送作業、起票、その他を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • µPC2907T ×1
  • マイクロインダクター ×1
  • シリコンスプレー 少量
  • シリコングリース 少量
  • CAIG デオキシット D-5 少量
  • 中性洗剤  少量
  • エタノール 少量
  • 無洗浄フラックス 少量
  • レジスタコート 少量


ご出場

 往年の名機と言っていいですね。大ヒットの756シリーズのオリジナルモデルです。スペアナ付き無線機の普及貢献度ナンバーワンでしょう。こちらは外装劣化、内部には大量の埃が堆積していました。こう見えても既に四半世紀前のモデルなんです。今回は送信不具合とのことでご入場です。検査の結果、PAの入り口までは信号が来ていることが判りました。PAユニットにはプリドライバー、ドライバー、ファイナル(プッシュプル)と並んでいます。PA初段は2SC1971ですが、こちらが故障しています。部品庫に2個の在庫を確認しました。残りはあと一つとなりましたが、只今複数の海外サプライヤーからサンプルを取り寄せ中です。実はこの2SC1971はフェイク品が大量に出回っていて、取引実績のあるサプライヤーですらニセモノを送ってきます。hfe測定だけでは真偽を見分けることが困難で、カーブトレーサーを使って検品します。三菱(スリーダイヤ)ロゴ刻印の無いものについては明らかにニセモノと判別できるのですが、ケースサイズや刻印までも成功に偽造している物があり、中々見分けが付きません。国内の部品小売店さんで扱っているところがありますが、在庫数は僅かのようです。

 故障した2SC1971の周囲に大量の埃が付着していました。特に端子周りが顕著です。油脂が出ている場所にはこびり付いてしまいます。エアコンを使用する梅雨時や真冬に加湿器を使ったりすると内部に結露します。特に金属面が発熱する場所は空気との温度差が発生するため水滴が出やすいのですが、これらを埃が吸うと・・。汗汗 特にリアの空気取り入れ口に近いため、埃が引っ掛かりやすいんですね。交換後、無事に規程出力が得られることを確認しました。こちらも内外装の汚れが顕著でした。樹脂パーツ類は超音波洗浄して、ラバーはブラシで丁寧に洗いました。シリコン・コーティングして仕上げています。ハンドルの金具に錆が浮き出ていたので2000番の耐水ペーパーで除去し、ワックスでコーティングしました。ハンドルは油脂汚れを除去後にシリコンでコーティングしました。

軽く掃除機で吸い取ったのだが・・
着脱したところ、故障モードでヒットしました
お掃除します
交換後、パワー確認!!
端子類の磨きだし
ラバーの洗浄+シリコンコーティング
錆が出ている・・
磨きだし、ハンドルも洗浄・コーティング完了

【ご依頼内容】

送信不具合

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数2.5を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、洗浄・清掃、着発送作業、起票、その他を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 2SC1971 ×1
  • シリコンスプレー 少量
  • シリコングリース 少量
  • CAIG デオキシット D-5 少量
  • 中性洗剤  少量
  • エタノール 少量
  • 無洗浄フラックス 少量


ご出場

 送信変調異常(SSB音割れ、FM変調浅め)のご相談です。検査したところこれらは特に異常無しです。送信IMDは優秀とは言えませんが、ALC振り切りにならなければ普通です。FMについてはデビエーションはむしろ深めでした。映像でも語っていますが、変調異常が出るときは回り込みや電源の電圧降下などを疑うとよいかもしれません。またSSBをモニターする際には、必ず受信機側のNBを切る必要があります。送信環境・受信モニター環境を今一度ご確認頂ければと思います。

  • SSB送信時
     二信号入力時の波形特性を確認しました。特に異常は観測できませんでした。
     ALC閾値付近に達すると、IMDが悪化する傾向にありますが、変調モニター上に現れる程の崩れ方はしていません。
  • FM送信時
     単信号入力(1KHz/3KHzDev)にて送信しました。マイクゲイン(VR位置)は規程値範囲です。 
     MENUのFM Dev設定 “HF2.5″に設定されていました。標準値ですので、通常使用に於いてはこの設定で十分な変調度が得られます。
     変調度には個人差がございますので、“浅い”とお感じになられる場合は、FM Dev設定を5.0に切替てお使い下さい。

 もう一つのオーダーは周波数ズレのチェックでした。HF/V/Uオールモード機の周波数ズレを確認する際には、一番上のバンドを確認するのが手っ取り早いです。多くのモデルはシングルPLLですので、同じ基準信号から周波数を生成していて一番高い周波数でズレが顕著になります。本機は430MHzで800Hz弱、144MHzで200Hz前後のズレがありました。流石に800HzもズレているとCW/SSBの待ち受けが出来なくなりますね。PLLのRefを確認したところ、90Hzほどズレていました。Refで90Hzズレると目的周波数でこれだけ離調してしまうんですね〜。本機はTCXO非搭載で調整誤差許容範囲は±60Hzと、かなり大ざっぱです。60Hzもずれていたら430MHzで500Hzくらいズレると思います。きっちり規程周波数を出しました。VCO電圧は基準値誤差範囲にありました。受信感度が10dB程度低かった様です。IFフルトラッキングしてRFゲインはアライメントプログラムで調整しました。本機のSメーターはやや重めですが、感度は十分でています。-140dBm(測定限界)で復調が確認できました。電源ケーブルを同梱頂けなかったため、ケーブルから電源までの間をワニグチリードで繋いで検査したため、送信出力調整は行っていません。(30A近く流れるためNG)口笛で100W近くまで出るのと、CWキーダウンでは100W出ることを確認しています。

  • Ref周波数離調による周波数ズレ
     Ref周波数が90Hz低く設定されていました。水晶の自然劣化によるものです。430MHzで800Hz弱/144MHzで200Hz程度の離調を確認しました。
  • 周波数(バンド)が高くなるにつれ、離調範囲が拡大する傾向にあります。
  • Ref周波数を規程値に調整し、430MHzの誤差を30Hz程度まで縮めました。HFについては周波数離調はございません。
  • PLL VCOロック電圧を確認しました。(規程値)
  • 受信感度が10dB程度落ちていました。IFトラッキング、RFゲイン調整で改善しています。
  • 送信出力について、概ね正常にでています。(電源ケーブルが同梱されていなかった為、フルデューティーでの調整不可能)
Ref周波数 調整前
Ref周波数 調整後
調整前 エージング中
30分以上エージング後に実施

【ご依頼内容】

  1. 送信変調不良
  2. その他調整

 以上について修理を承りました。

【工数】

 上記作業に工数2.5を要しました。(精密検査、PLL精密調整、検証、着発送作業、起票、その他を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • シリコンスプレー
  • シリコングリス
  • CAIG デオキシット D-5
  • エタノール


今後の修理について

 只今、ICF-SW100など、BCLラジオ数点と、IC-R7000、FT-920、トリオ310ラインなど、7月6日、7月13日ご入場分の検査・作業を行っています。長期対応中のMark V、APB-1200Aについては部品入荷に時間を要します為、一旦ラインから降ろさせて頂きました。IC-SW100はAMEラボで対応中です。大量にタンタルを使っているとのことで一つずつ精査中です。結果は全く予想できません。

 ご予約は1台ずつしかお受けしていません。二台纏めて送ってこられるお客様がおられますが、こちらについては対応致しかねますことご了承ください。

  1. Mark V 長期対応中
  2. APB-1200A 7月6日 長期対応中
  3. ICF-SW100 7月6日 長期対応中
  4. IC-R7000 7月6日 ご入場
  5. ICF-SW7600 7月13日 ご入場
  6. FT-920 7月13日 ご入場
  7. トリオ310ライン 7月13日 ご入場
  8. IC-375 7月20日 ご入場
  9. 7月20日 ご入場のその他の無線機など

 さ〜て、頑張りますョ!!

2 Responses to "週明けです。【2020/07/21】"
  1. 2台送ってしまった張本人です。メイルで一応問い合わせたのですが・・申し訳ございません。どちらか一台で結構ですので宜しくお願い致します。

    • 今回は2台直しました。受付が自動化されているため、案件毎にシリアル番号が付けられてカルテが作成されてきます。
      ご理解頂ければ幸いです。

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