TS-790 ご出場 / NRD-545 ご出場 /その他 ご入場 【2020/06/19】

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 おはようございます。昨日は秋のような涼しさ、今日は本格的な梅雨の天気に逆戻り・・。東京のコロナは横這いです。

 案件が多いので、与太話抜きで本題に入ります。

ご出場

 まさかの多臓器不全でした。144MHzのPLLアンロック疑いでお預かりしましたが、開けてビックリ・・・。まず、調整だけで済みそうなPLLアンロックでありますがVCOモジュールがアウト。調整箇所のロック電圧はほぼ正常値ですが、肝心のHETが出てきません。VCO2のシールド開けてみます。中にあるコイルにふれたら、いきなりロックしました。どうやらモジュール内部で接触不良が起きているようです。シールドを分解して中のVCOモジュールを取り出しました。顕微ルーペで覗くと、L2の足下に半田クラックを発見・・。近くのバリキャップの足下にも亀裂がありました。「やったぁ、PLLが戻ったぞ〜~!」 今まで全く聞こえなかった144MHzが正常に復調しています。PLLを再度精密調整、取りあえず電波も出ます。しか〜〜〜し・・・・。

 パワーが上がってきません。???? PAユニットを確認したところパワーモジュールは大丈夫そうです。ドライバかRFユニットのプリドライバか?? PAユニットに大量の埃が付着していました。しかもこの個体にはタバコの脂も大量に残留していて、モジュールのシールドカバーもベトベトしています。オーナー様ではなく、前オーナー時代の名残とのことでした。オークション等で無線機を漁る際には”禁煙環境”ポイント増しのアイテムということになりますねぇ。PAユニットは強制換気しているため、個体の外から大量の空気を吸い込んでいます。脂の附着は不思議ではありませんが、兎に角ベタベタになるので、そこに埃が吸着するのでしょう。基板をひっくり返したところ案の定お有り様でした。結局、ドライバ段を交換したところ正常に規程の出力が出てきました。430MHz側もついでチェック・・。素子の劣化はないものの離調が顕著で、調整前は10W程度歯科出ていませんでした。送信IFからきっちり調整したところ、こちらも50W前後出る様になりました。

 さて、もう一つのリクエスト、照明類のLEDについてです。Sメーターとサブディスプレイの電球を白色超高輝度LEDに置換しました。麦球3個をLEDへ置き換えるわけですが、本機は元々照明の数が少なく電球一本の照射範囲が広いため、LEDをそのまま装着すると真ん中にしか光が当たりません。光軸拡散用のフィルムを装着する必要があります。電球の黄色っぽい電球の光を白く映し出すためにLCDの表面にシアン系のフィルタが張られている関係で、白色系のLEDでも青色がかって表示されるようです。逆に黄色系のLEDだと光量不足となり輝度が低下するのでNGです。メーター側は完璧ですが、拡散フィルムを付けてもサブLCD側は両端がやや暗くなってしまうのは本機の構造的な事情ですので、ご容赦ください。(電球でも照度低下してくると両端が暗くなります)

PLLアンロックは調整で直る場合が多いのだが・・
一応、手順取りにやってゆく(REF調整)
VCO1のロック電圧はOKだが・・
HETが出てこない・・こりゃ参った
VCO2内部のコイルに触れたら一瞬ロックしたぞ!
顕微ルーペで覗くとクラックしている箇所がある・・
ハイ、出ました!!
PAに大量の埃が堆積している(タバコの脂が原因か・・)
2SC1947を交換
バッチリ出てます!
ついでに430MHzも調整
メーターLED化完了
サブLCD側も施工中
施工前
施工後
イイ感じに仕上がりました

【ご依頼内容】

  1. 144MHz帯 PLLアンロック
  2. バックライトのLED化工事
  3. 144MHz帯 PAユニット 故障

 以上について作業・修理を承りました

【工数】

 上記診断作業に工数6.5を要しました。 (故障箇所診断、調達、交換、調整、接点洗浄、検証、起票、その他作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 100μF/25V ×2個
  • 2SC1947 ×1個
  • 白色超高輝度LED ×3個
  • LED用光軸拡散フィルム ×3個
  • CAIDeoxit D-5 少量(接点洗浄)
  • 放熱用シリコングリース 少量 ・その他


ご出場

 NOTCHのVR軸が根本からポッキリ逝ってます。折れた軸も同梱頂きましたが、流石に接着剤等で修理出来る内容ではございません。当該部品についてJRCに問い合わせましたが“在庫無し”との返答。メーカー特注品で市場流通も無いとのことです。形状・寸法を測り、デバイスメーカーのカタログで互換性の高そうな部品を幾つかチョイスし取り寄せることにしました。回路図上は電圧制御箇所となっており、普通に考えればAカーブなんだと思いますが、103Bの表記からBカーブである可能性が高いです。(実測したところBカーブでした。)取り寄せたVRは本体形状が共通の同シリーズ品で、軸系・本体寸法は一緒です。軸長のみ装着されていた部品よりも短いのですが、これは問題なさそうです。因みにこのVRは基板実装タイプですので、汎用の適当なVRで置き換えることはできません。同じシリーズの部品が見つかったことは非常にラッキーでした。装着されていたVRとピンリードを基板から着脱し、新しいVRにピンリードを移設流用して再装着します。写真の通り、軸長が足りませんがツマミの装着に支障はありません。面位置で装着位置を合わせますが、軸とツマミの穴の奥に隙間ができるため、押し込むと沈んでしまうのでご注意ください。強く押さなければ大丈夫です。

 オーバーホールのご用命も頂戴しております。本機については所有しているわけでは無いので、どの様な状態が不具合なのかは判断しかねます。以下の内容で作業させて頂きました。

  • 全ユニット着脱し、ケミコン液漏れ。半田クラックを顕微ルーペで確認しました。(異常ナシ)
  • 受信基本動作を確認しました。※中波放送、短波放送、アマチュア無線、FM放送、V/UHF航空無線など (異常ナシ) ・リファレンス周波数を調整しました。(誤差範囲内)
  • IFトラッキング調整しました。(最大感度)
  • 端子類の酸化物除去(石油溶剤、接点復活剤使用) ・摺動部分へのリグリース処理(シリコングリス使用) ・外装表面の油脂除去 ・フロントP樹脂パーツへの紫外線対策(シリコンスプレー使用)

 AM受信時にAGCをOFFにするとRFゲインで復調点を探る必要がありますが、初期のDSP機の仕様みたいです。感度も良く、測定限界までキチンと聞こえました。V/U トランスバータ搭載機でかなり上の周波数まで受信することが出来ます。聴感試験として、V/Uの航空無線を受信しましたが、ラボでモニター用に使用しているVR-5000よりもイイ耳していました。

基板に実装されている
あらら・・・
作業開始
ここです
左が入手した最も形状の酷似するVR 右は故障部品
ピンリード部は流用
これだけ長さが違うのだが
ツマミは難なく装着できた

【ご依頼内容】

NOTCH VR 交換修理

故障箇所など確認・ 調整・洗浄清掃

以上について、作業・修理を承りました。

【工数】

上記診断作業に工数3.5を要しました。 (故障箇所診断、調達、交換、調整、接点洗浄、検証、起票、その他作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • ALPS RJK197103B 実装型ポテンションメータ 10KΩBカーブ ×1
  • CAIG Deoxit D-5 少量(接点洗浄)
  • CAIG Deoxit D-100 少量(接点洗浄)
  • 呉パーツクリーナー 少量(端子洗浄)
  • サンハヤト放熱用シリコングリース 少量(REGヒートシンク部)
  • 呉シリコンスプレー 少量(樹脂部皮膜形成)
  • スリーボンド シリコングリス 少量 (VR類軸)


MX-6S ご入場 

 こちらはAMEが担当しています。送信不能とのことです。PTTラインの故障と思われます。SENDランプも点灯しません。こちらはPTTライン(TXB)の電位が上がるとトランジスタ・スイッチ(オープンコレクタ)が押されて電流が流れる仕組みです。このTXBに電位がありませんが、定電圧回路から先を一つ一つ潰して行く作業となります。実装自体が非常に密なため、周辺部品を撤去しながらの作業となるため、サンプリングして戻す作業を行った場合、部品を傷めてしまうリスクがあり、基本的には“取り外し”=“交換”となっていまします。ご趣味で修理されている方の場合、使い回しで許されるのかも知れませんが、弊社のポリシーとしましては納品後の動作保証をさせて頂く以上、いい加減な作業はできません。汗  こちら、オーナー様のご回答待ちです。

受信は出来ている・・
受信できているので当然ながら局発は出ている

HT-750 ご入場

 こちらはAMEが担当しています。こちらは受信時にメーターが振り切れ状態となり聞こえません、電源電圧を下げると針も降下して受信可能となります。AGC周辺の不具合と思われますが、MX-6S同様、実装状態が非常に密な為、故障箇所の個別特定が困難です。というか、診断工数のキャップ1人日で故障箇所を特定することは不可能ですので、怪しい部品を順番に交換してゆく作業となりますが、幾つかの部品が国内サプライヤーに在庫がなく、海外調達となります。シッピングコストも嵩んでしまい、かつ納期も見えません。修理は可能ですが、こちらもオーナー様にご判断を仰ぐべき案件かと存じます。

電圧を下げると受信できるのは・・
この様な劣化部品を幾つ確認

IC-706Mk2 ご入場

 こちらはAMEが担当しています。“50MHz送信不可”とのことでした。拝見したところ、全バンド、全周波数、全モードで送信できません。受信は出来ています。送信IFの何処かで不具合が起きているものを思われます。本日中に診断結果をご通知できるかと存じます。

 今週はココまでです。6月15日ご入場分の残りについては、これから診断作業に入ります。

 

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