ICF-2001 作業進捗 / FT-1021M 200W化 / RJX-1011 ご出場 / TS-830S 検査終了 / Mark V(その1)ご出場【2020/06/05】

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 おはようございます。久しぶりの午前中投稿です。今週は大型機・真空管機のオンパレードでした。かなりハードな一週間でしたョ。

 ここ数日で首都圏の様相がだいぶ変わりました。何となく周りの様子を観ながら対応を決めるというのが日本っぽいというか、何というか・・。通勤時の電車も着席している人は少なめだったのですが、今朝は東京名物“満員電車”が復活していたとのことです。“東京アラート”とか言う気取ったネーミングで、ピンっと来ない方が多いようですけど、ここ数日二桁台の日々が続いていて、アラート発出の条件に達してしまっているみたいですね〜〜。我が神奈川県は首都圏ワーストの汚名を返上し、全国5位の新規感染者数に収まっているとのことです。汗汗 “満員電車”が戻っていたり、脳天気に繁華街に繰りだす若者の行動を見る限り、二次の波はすごそこまで迫っている気がしてなりません。因みにZoom飲み会は本日をもって終了予定です。主(ヌシ)の一言次第ですけど・・・・。愚息の小学校(私立)は未だにオンライン授業が続いていて、近々試験登校を一日だけ実施して、その時点で文科省の警戒レベルが下がっていれば7月から登校開始だそうです。愚妻の勤務先は今のところテレワーク継続との指示がでいます。機器修理の作業は機種別に振り分けることで、宅ラボ対応可能ということが実証されました。そんな事情もあって最近はSuper A改め“アメくん”が動画出演まで熟すようになりました。ww 


作業進捗

 ご入場から時間が経過しております。断片的なご報告になってしまい申し訳ありません。入場当初、周波数すら表示しなかった固体です。担当エンジニアによると“DC-DCの故障が主な要因”とのことでした。現在、DC-DCコンバーター内部の故障については、回路図記載が無い部分を回路解析しながら作業を進めています。電池(ACアダプタ)から来る4.5VをDC-DCコンバーターで複数の電圧に昇圧するのですが、規定電圧が出てこない様です。単電源テストでご覧の様に周波数が出るようになりましたが、依然復調は確認出来ない状態です。周波数が出ていると言うことはプロセッサが動き始めたと言うことですね。テンキーに反応します。復調しないのはPLLアンロックの疑いが濃厚、電圧降下による可能性が高いのですが、どこでリークしているのか未だに不明です。既に工数10.0を超えていますが、診断工数は最大1.0なのでこれ以上の作業継続は困難です。後は担当エンジニアの個人裁量に委ねます。

周波数が出るようになった
DC-DC出力部のツェナーは問題なし
写真左側がDC-DCコンバータ
少し発熱しているが問題はないかと・・

FT-1021M 200W化 ご出場

 恐らくこのリグ以上の重量級(FTDX9000やTS-990クラス)の無線機は取扱不可でしょう。荷解き・検査台上げは毎度苦労します。実際にIC-780を修理中に小指を骨折したことがあります。(>_<) 梱包もこれまた一苦労、エレベーター付きテーブルなんて使える広い作業場ならいいんですけど。お預かりしたのは50WバージョンのFT-1021M。この図体で50Wはないよな〜〜。トランスの大きさだって完全に200W仕様なんですョ。ということで、50Wからイキナリ200Wへの一段飛ばし増力改造へ。本シリーズは製造時期によって色んな仕様が存在します。本機は200W機と同一のMRF422 P/Pを搭載した贅沢な50W機です。初期モデルは50W化切替SWが付いていましたが、ある時期からSWが省略され50Wが回路的に固定になる仕様に変えられた様です。本機は切替SWの取り付け穴や印字はそのままで、SWが撤去されていました。半田面のブリッジを撤去すると100W機となるのですが、200W化には更にALC調整、TXゲイン調整、メーター校正などが必要です。ん・・それだけ? ・・ハイ、それだけです。多分、FT-1021Mは200W機の1021Xなどと比較すると安価にやりとりされていますので、MRF422搭載機なら俄然お得ですね。何と言っても「最後のアナログ機」と言われた受信部は素晴らしい出来です。ここはDSP過渡期のMarkVより明らかに上です。診断中21MHzがオープンしていて6エリアががんがん入感していましたが、日中はノイズも盛大です。本機のNBは良く効きますね。NB ON/OFFでここまでフロアレベルに差が出る無線機に出会ったことがないです。宅シャックのFTDX3000も耳は良いのですが、NBは正直なところダメダメです。DSP機のNBは全く持って使い物にならんと言うのが小生の持論であります。FT-1021Xのフィルター満載機なら15万出してでも買いです。重いですけど・・・。汗 というわけで、難なく200W化成功であります。200W化後のスペクトラムを測定器で確認しました。近傍・二次とも-50dBは確実にクリアです。設計上の上限が250Wなので、実際の調整出力は220W程度がMAX。びゅ〜んと針が振り切れますね〜〜。爽快です。

50W切替スイッチ(撤去済?)
ジャンパカットしたが反応無し?
半田面でショートしていた
作業完了
スペアナでスプリアス確認
何ら問題無く200W化完了!

【ご依頼内容】

50W機の200W化改造

上記について承りました。

【工数】

上記作業に工数2.0を要しました。(改造前診断、改造箇所確認、施工、検証、不要輻射測定、起票、その他作業)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

無し


(HyGain model 3750) ご出場

 コロナ禍前に一度お預かりして不動の周波数カウンターを修理させて頂いた個体です。こちらも超重量級の真空管機です。お戻しして二月を経ってからIP電流が流れず送信できないとのご連絡を頂戴しました。前回修理時に送信系は弄っていないので????でしたが、取りあえずお預かりした次第です。何度見ても素晴らしい造りにうっとりするリグです。さてさて、拝見することに・・。おや、ACCキャップが同梱されていません。調整時に真空管機はSGカットする必要があるので、外部VFO端子やACC端子にキャップを被せないと電流が流れないような回路構造になっているモデルが多いです。取扱説明書にも送信準備の項目にACCキャップを装着する旨の指示がありました。オーナー様にご連絡し急遽ACCキャップを別送頂きました。・・・PINショートで確認できるのですが、高圧電流が流れています。ACCキャップの到着を待って再び検査台へ持ち上げました。思った通り、ACCキャップを装着したら正常にIPが反応、全バンドで出力を確認しました。前回80W程度の出力だったため、今回は送信IFと12BY7Aのドライバ段周辺を調整し概ね90W〜100W(一部バンドは110W)出る様になりました。実は前回修理以降ヤフオクで同型機をチェックしているのですが、なかなか出てきませんね〜。状態が良ければ10万払っても手に入れたいリグです。状態維持の為には少なくとも月一以上はお使いください。

IPちゃんと流れます!
パワーも出てます!

【ご依頼内容】

  1. IP電流が流れない(送信不能)

以上について修理を承りました。

【工数】

 上記作業に工数1.5を要しました。(不具合箇所特定、調整、検証、起票、その他の作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤】

なし

※工数1.5以下の軽微な作業につき、動画撮影は割愛しました。


TS-830S 検査終了

 RJX-1011のオーナー様から同時にお預かりした個体です。USB/LSBのノイズの聞こえ方に差があるので揃えて欲しいとのことでした。Cキャリアポイント(BFO)の調整ご依頼です。確かにズレていますね〜 最近、IC-351の修理をさせて頂いたオーナー様からも同様のリクエストを頂戴しているのですが、昔のリグの中にはキャリアポイントをシフトさせると周波数も微妙に動いてしまうリグが多々あり、特に初期のPLL機の場合、水晶劣化でREFの調整範囲ギリギリのポイントだとIF周波数の関係でBFOをシフトせざるを得ないケースがあります。HF機の場合は10MHz境界の上下でUSB/LSBを切り替える必要があり、何れの側波帯側も頻繁に使う為、ユーザーにとっては気になるズレですね。本機の場合は十分調整可能範囲にありました。受信だけで無く送信側も確認することにします。あれれ・・送信できません。TUNEモードでSENDさせるとIPが流れるているのは確認しました。ところが選択バンド付近でPLATEがディップしません。グルッと回転させると周波数印字されていないポイントでIPが最低になるところが見つかりました。パワー計も一応振れています。PLATE軸が空回りしたのか??? 終端計のモニター端子に周波数カウンター付けて確認したところ、とんでもない周波数で送信しています。目的周波数から大きく離れた9MHz台です。即ちローカル信号(VFO)だけが出てきているのです。送信IFが上がってきていないということ? TX-IFにプローブを充ててみたところ波形が出てきません。受信部共用のフィルター回路の直後にあるIFバッファの3SK73はALCアンプを兼ねていて、直後のL29(IFT)を介してRFユニットへ出て行きます。3SK73のドレイン側では8.9MHzの波形が見えました。L29が怪しいです。ユニットを外して基板裏側を確認したところ、補正コンと思われるチップコンがL29の一次側に装着されていました。ディップメーターでもベクトルネットワークアナライザでも同調点が見えません。”このIFT逝ってますなぁ” チップコンの容量は2pFと極小容量です。8.9MHzのLC回路補正用にしては低すぎる値ですね〜。主コンデンサはIFTの内部に実装されているため、分解しないと弄れません。角型のコアポビンの様に簡単にばらせる構造ではなく、細いコイル線材を切断してしまうリスクをともなうため、手を入れるのは非常に危険です。ヤフオクでIFユニット単体で売られていないかチェックしましたが出てきません。TS-820のパーツは大量にバラ売りされているのですが・・。8.9MHzと言えばトリオIFでお馴染みの周波数です。その内パーツが出来たときに直すのが宜しいかと。今回はBFO調整も含め、一旦ペンディングにしてお戻しします。検査にかなり時間を割いてしまいました・・。汗 

L29を単体で確認すべくユニット取り外し
ヤバそうなケミコンも一緒に交換
IFTを外します
同調点が出ません 汗

(その1)ご出場

 アース・プレートが筐体から転がりでてきたとのこと。本機については多いときは月に数回修理させて頂いており、回路も筐体構造もだいたい頭に入っています。この後も(その2)を拝見しますが、同梱頂いたプレートは“帯に短し”と言いますか、中途半端な大きさで本機のそこかしこに挟まっているモノとは異なりますね〜。何かの拍子に筐体内に混入したものと思料します。拝見したところ特に問題はなさそうですが、他所から入籍された個体とのことですので、念入りにチェックさせて頂きました。以下の通りです。

  • 周波数離調 (REF基準) 誤差-20Hz(誤差範囲)
  • 受信感度 プリアンプON時 -140dBmにて信号復調@14.175MHz
  • 送信出力 最大 250W  /  Class A選択時 100W @14.175MHz RTTY
  • メータ校正 30dBµV入力時 S9 (校正不要)

 多分最も気にされるであろう、送信特性については以下の写真の通りです。AB級動作最大出力時の近傍下側のヒゲが-50dBギリギリですね〜。前のオーナーがALCを開き気味にしたのでしょうか? 恐らく210W位まで絞れば-55dB以下に収まると思います。そして驚くべきはClass A 選択時の特性です。パワーは100Wに絞られますが、両翼のヒゲが写真のレベルまで下がります。リニアのエキサイタにする際には効果を発揮しますね。発熱は半端じゃないですけど。今回は精密検査のみで終了です。

驚愕のパワー
30dBµV 入力中
AB級最大出力時 近傍  5MHzスパン (下側のスプリアスがやや高め)
AB級最大出力時 2次・3次・4次・5次・6次・7次高調波を確認 300MHzスパン
Class A 動作最大出力時 近傍  5MHzスパン (下側がやや高いが極めて良好)
Class A動作 高調波は殆どみられない 300MHzスパン

【ご依頼内容】

  1. 不明金属プレート確認
  2. 総合点検

以上について作業を承りました。

【工数】

 上記作業に工数1.5を要しました。(金属プレート装着位置確認、精密検査・測定、起票、その他の作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤】

なし

※工数1.5以下の軽微な作業につき、動画撮影は割愛しました。


 この後は Mark V(その2)を拝見します。今週は予定数をクリアできましたが、1週間遅れが続いています。大型機が連続すると回復運転が難しいです。(>_<) 頑張ります!! 皆様良い週末をお過ごしください。

 

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