週明けです。【2020/04/20】

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 こんにちは。4月後半のスタートです。今週もテレワーク体制の為、担当エンジニアが分散作業中であります。例年なら連休前はもっと作業が立て込むのですが、部品が入ってこないのでスローペースです。

 いよいよ全国に緊急事態宣言がでました。大手サプライヤーのDigikeyも本社機能が麻痺しているみたいです。弊社にとってもMouserさんと並んでお付き合いの深いサプライヤーなのですが・・・。弊社調達担当によると、発注画面でエラーがでて先に進めないとのことです。SMD部品などは速達性が高いDigikeyさんは欠かせないパートナー、北米のコロナが深刻な状態であことは間違いなさそうです。Mouserさんはなんとか持ち堪えてくれていますが、中国同様ロジスティックスが落ちてしまうと完全にアウトです。中国が復帰傾向にあるなどと報道されていますが、1月末に発注した部品は未だ届く気配すらありませんから・・。”China Post”の混乱は未だ暫く続きそうです。ガンバレ”UPS”、ガンバレ”Digikey”!!!! 


Drake R7 ご出場 

 こちらは小生の担務でありました。電源が入らなくなったとのことです。検査台でテストしたところ初回起動時に一瞬だけ周波数カウンターが点きました、数字にならない中途半端なセグメントを表示しバックライトが微かに光りましたが、すぐに暗転・・。電源を入れ直しても再び点くことはありませんでした。トランスから整流回路・定電圧回路・平滑回路を経て各ユニットに電源が供給されます。周波数カウンタユニットのVCCラインにテスターを当てたところ約20Vあるはずが半分以下の電位に下がっています。各ユニット一枚ずつ外して故障箇所の特定を進めてゆきます。どうやら定電圧回路がおかしいですね〜〜。4700µFチューブラが装着されている基板を抜き取ったところ、パターンに波打ちが出ているではありませんか・・。これは怪しい!!

 顕微ルーペで半田面を確認すると数カ所にクラックを発見しました。基板はガラスエポキシなのですが、かなり熱に晒された観たいです。実際すぐ側のシャーシ側面には熱源の定電圧トランジスタがあります。スルーホールも導通していない箇所がありました。これらを修復したところ電源は入るようになったのですが、この様子だと正面の整流基板も確認したほうがよさそうです。案の定、半田面に波打ちが発生しクラックが見つかりました。内部のレイアウトに問題がありますね〜〜。良質な部品を惜しげも無く使っているのに残念です。因みにVR類やスイッチ類にはガリが全くなく“質感”は最高です。全チェックをご所望ですので、他のユニットも外してチェックしました。AFの入っているベースユニットにもクラック箇所がありました。こうなると、全箇所を再ハンダした方がよさそうです。取りあえず、スロットで刺さっているユニットは全てチェックして再半田処理しました。IFフィルタとIFユニット、NBユニットはトラッキングを実施しました。

 素晴らしい受信機です!!  フロントエンドのBPFにIFのメカフィル群・・・。CWを聴いていますが、何だこのサウンドは!!! 面構えもまるで高級オーディオです。オーディオセットと並べて起きたくなるレシーバーであります。惚れました。

波打ってる・・これ高熱に晒された証拠
ベースユニットもクラック多め
IFユニットもダメだ・・
このチューブラ外れていた
IFをトラッキング
上から見て右側にトラブルが集中・・熱源に近いからか?
お〜〜〜戻ったぞ〜〜
美しすぎる受信機

【ご依頼内容】

  1. 電源は入らず
  2. 不具合箇所全修理

 以上について修理・作業を承りました。

【工数】

 上記作業に工数4.0を要しました。(故障箇所特定、修繕、検証、起票、その他作業)

【交換部品・使用ケミカル剤】

  • アルミット半田 70g
  • 無洗浄フラックス 20ml
  • フラックス洗浄用アルコール 50ml
  • レジスタコート 少量


FT-680 ご出場

 周波数が制御できません。50.000のままです。また送受信もNGです。PLLを診るにも周波数が出ない状態では作業のしようがありません。周波数カウンターユニットを拝見することに・・。ユニットを固定するステー板が無くなっています。振動で基板がシャーシ触れるとマズいな〜。また周波数カウンター・制御ユニットのシールド板5箇所を固定している半田3箇所が浮いていました。何方かが修理にチャレンジされ途中で諦めたのでしょうか。疑う箇所までは間違ったいないのですが・・・。シールドを全撤去します。まず驚いたのは半田面がベタベタです。フラックスを除去しなかったみたいですね〜〜〜。まずはキレイに除去する作業から始めます。最初はフラックス除去剤でちまちまやっていたのですが、この量では全然追いつきません。電子基板・部品洗浄の定番薬剤たる「燃料アルコール」の登場です。貴重なエタノールが最適ですが、メチルとエチルの混合液で問題ありません。

 ・・横道にそれますが、アイコムさんのHPにアルコール使用の注意喚起が書かれていますね。当ブログでも同様のことを書いていますがメーカーさんが書くと説得力があります。樹脂部品の洗浄に関する件です。樹脂部をアルコールで拭いたときは必ずシリコンを塗布しましょうね〜〜。紫外線でボロボロになりますよ〜〜〜!!!!

 話を元に戻して・・・。基板全体に広がったフラックスを除去しました。案の定、腐食進行していました。数カ所のパターを修復して怪しいケミコンを交換します。SメーターLEDアンプの電源ラインにぶら下がっているケミコンが怪しい・・。交換しました。取りあえず周波数カウンターが生き返り、エンコーダ出力に応じてプリスケーラが動作するようになりました。続いてPLLの修理です。本機には3個のPLLが搭載されています。PLL1のロック電圧は1V離調、PLL2のロック電圧も0.5V離調していました。PLL3の10Hzステップを受け持ちますが、残念ながら調整可能範囲を逸脱してしまっています。具体的にはSSBやCWでキャリアを受信して10Hzステップで周波数を動かした際に、スムースに音程は変化しないという症状です。規程値に合わせようとすると、切り替わり点で段付きしてしまうため、耳を頼りにスムースになるポイント探りました。一応、実用に耐えうる範囲に収めています。100Hz以上のステップで制御する際には正常です。・・・この調整中にSSBだけが大ズレすることが判明しました。原因はFパネルのモードスイッチのSSB切替ライン半田外れです。SSB時1.5KHz、CW時700Hzの周波数シフト制御のためにPLLに5Vを掛ける制御ラインです。ここが外れていると周波数が正常にシフトされません。これらを修理して作業を完了しました。

ステー板が欠損 固定されていない
シールドの半田ぐらぐら・・
シールドと端子がショートしているぞ!
シールドを撤去すると・・
大量の残留フラックスに覆われています
メチルに浸したペーパーウエスをあてる
PLL2 外れてる
規程値に調整
PLL1も調整
ローカル出力の波形を確認
50.000.00MHzを調整中
リファレンスが僅かにズレている・・実用範囲か
Upper側が外れる・・・
実用上は全く問題無い範囲(復活)

【ご依頼内容】

  1. 周波数が”00″のまま変えられない
  2. 送受調整

 以上について修理・作業を承りました。

【工数】

 上記作業に工数2.5を要しました。(故障箇所特定、修繕、検証、起票、その他作業)

【交換部品・使用ケミカル剤】

  • アルミット半田 70g
  • 無洗浄フラックス 20ml
  • フラックス洗浄用アルコール 50ml
  • レジスタコート 少量


AR-7030 Plus ご出場

 先週に続いて同じ型式の受信機が入って来ました。前回同様メモリバッテリーが悪さしていました。入場時制御系がまともに動作せず、ホワイトノイズすら聞こえてこない状態でした。中を拝見したところ、1.2Vのニッカドから大量の電解溶液が噴き出して、周辺を覆ってしました。内容物の苛性カリは劇薬指定で指などで触れると火傷します。電極に使用されるカドミウムの毒性は言わずと知れていますね。既に製造されていません。代替のニッケル水素電池を使用することにしましょう。PCBと混ざり硬化が始まっており、カッターでは取り除けませんでした。ルーターで丁寧に削利落とす作業です。前回の個体の際にも書きましたが、電池が装着されているPCBの裏側には制御系のライン(パターン)が通過しています。これらも被害を受けており、5Vラインが苛性カリ越しに短絡している様です。これでは制御プロセッサが動作しませんね。パターンも修復して腐食部を全て切除、レジスタコートで処理しました。

 施工後、デフォルトをロードしてプロセッサが正常に動作することを確認しました。施工後の動作について担当エンジニアがナビゲートする動画でご確認ください。

尋常じゅあ〜ないなぁ
裏側にも浸潤
パターン再建 レジスト剤をコーティング
代替の NiMHに交換
切れたパターンはこんな感じだった
ACアダプタのケーブルも修復しておいた

【ご依頼内容】

  1. 制御不安定
  2. バッテリー交換

 以上について修理・作業を承りました。

【工数】

 上記作業に工数2.5を要しました。(故障箇所特定、修繕、検証、起票、その他作業)

【交換部品・使用ケミカル剤】

  • 1.2V NiCd  代替として1.2V NiMH×1
  • アルミット半田 70g
  • レジスタコート 少量


今後の修理予定について

 やっとHL-250Uの部品が揃いました。こちらを優先して作業します。FT-102とTS-830Sの作業が続きます。リモートラインではFT-850、RJX-601の作業に入ります。

  1. HL-250U 長期対応中
  2. TS-830S 長期対応中 
  3. FT-102 04/03 入場
  4. FT-850 04/13 入場
  5. FT-920 04/16 入場
  6. RJX-601 04/20 入場
  7. IC-970 04/20 入場
  8. その他 04/20 入場分

 今週も平常通り営業中です。HL-250Uに使用する500V MLCCの代替品がMouserさんから届いたみたいです。小生はこれからHL-250Uと長期対応になりそうなFT-102、TS-830に注力、その他の作業は”浅利さん”と”Super A”さんが頑張ります。得体の知れないウイルスなんかには負けません!!  

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