IC-706Mk2 / TS-940SL / RJX-601 / FT-817/ HL-206V/RJX-1011 ご出場【2020/04/09】

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こんにちは。緊急事態宣言から2日目の朝を迎えた横浜です。雲はありますが概ね晴れてます。花粉も多めです。これから崩れるとの予報が・・・。

勿論マスク+ニトリル手袋着用のラボであります。

 東京の感染者数が日々増えています。こちら神奈川も感染者数ではワースト3に入ってしまいました。東京のベッドタウンなので当然です。最寄り駅周辺の人は少なめですが、普段通り通勤されている方が多い気がします。人気が減ったのは夜の繁華街だけ? 通勤時間帯の電車の混み具合は普段よりも減っているとは言え8割減には程遠いといったところでしょう。小生が暮らす横浜市青葉区と都内を結んでいる東急田園都市線は国内屈指の混雑路線です。2週間キッチリ電車止めるなりの対策を困じない限り状況は好転しない気がしますね〜〜。

 そんな訳で、本日も平常通り営業中のラボよりお届けします。

 


作業進捗

仕上げに向け微調整+コンデンサ定数変更を実施中

 やっと出口が見えてきた感じです。ドライバ段の異常発振対策はベース・バイアスのRFCが原因であることは前回書いた通りです。結局RFCに直列に6Ωの抵抗を入れたところ、入力インピーダンスが最適化されました。発振せずにドライバ段が機能するようになったのですがゲインが低下しています。前の記事でも触れている通り、ストリップラインが僅かにGNDパターン側にズレているせいで容量性の反応が出ています。(ココとRFCが共振して発振を起こしている)ドライバ段の前後に装着されている39pF×4個のMLCCの値を調整してみることにします。現状では5W入力で60W出ていますが、本来なら90Wくらいは欲しいところです。石は全段2SC3102(ドライバは互換のCTC CM50-12A)を使用していますが、ファイナル側はIdc=100mA/1個に設定、ドライバ側は200mAで行くことにしました。ここから先は “cut & try”です。MLCC(SMD)は500V耐圧で国内のサプライヤには在庫がありません。このクラスは工場直のロットオーダーになってしまう部品でして、弊社にもストックがありません。普通部品でテストして容量を決定した後に高耐圧のMLCCをオーダーしたいと思います。やっと出口が見えました・・・。


ご出場

奥の裏返しの基板がフィルタユニット

 送受信ともにNGな個体です。普通ならばPLLを疑うところですが、何だか様子がヘンです。受信については、ANT端子にSSGを繋いで50dBµV(S9+40dB程度の強力な信号)を入れても全く聞こえませんが、真横にハンディ機を置いて送信するとS1程度で信号を復調します。(VX-8を使用して50MHz/430MHzで確認)また送信については、フルパワー設定(本機は100W機)で送信時に内蔵メーターも外部出力計も全く振れません。ところが、真横に置いたハンディ機では受信しています。即ち「受信も送信も動作しているがANTに繫がっていない!」ということになります。内蔵Po(SWR)メーターはLPFの後ろにあるカップラ−で拾っているはずです。この先で信号路が断線していれば Hi SWRとなります。それもありません。ということは、もっと手前の送受共通回路上の不具合か?? LPFは各バンド毎に7chのフィルタによって構成され送受信号ともに通過します。全バンドとも症状がでているため、LPFそのものは検査対象から排除し、送受切替を含むLPFのin/outにあるコンデンサー、リレーを中心に検査しました。何れも部品自体は正常です。????? メインユニットのHF RX(JP1)端子のジャンパ(フィルタユニットに繫がる)を外してSSGの信号を直接インジェクションしたところ、ナント正常に受信しました。続いて、PAユニットの出力側ジャンパを外して終端出力計に繋いだところ130W出ています。(ALC開放?) 故障箇所はフィルタユニット(LPF)で間違いない!! と断言したことがそもそもの過ちでした。汗 

  フィルタは制御部からリレーをON/OFFすることで動作するのですが、途中のフラットケーブルが断線していました。交換したところ全機能が正常に復活し、出力は全バンドで110W以上、受信も正常です。

リレー・コンデンサに異常は無い・・
これか!!

【ご依頼内容】

  1. 送受不能

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数2.0を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、起票、その他)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 6Lフラットケーブル 10cm


TS-940S Limited ご出場

 こちらはサブディスプレイが真っ暗です。バックライトが切れているみたいですね〜〜。BL球の交換を行いました。こちらは規程の作業なのでサクッと終了です。サブディプレイ着脱時にはメモリユニットも一緒に外すためバックアップ電池の交換も行います。電圧をチェックしたら3Vキッチリ出ていました。交換は先送りで良さそうです。

 もう一つのオーダーは、“CWサイドトーンにノイズが混入する件についての調査”です。送信出力に関係無くキャリアにノイズが混入しています。PA周辺のコンデンサ劣化でもノイズは発生しますが、出力を抑えても出てくるとなると電源系のリップル混入を疑います。オシロで確認したところ商用電源周波数の成分が混入していました。SSBで1KHzの信号を変調させたところ、50Hzの成分が僅かに載っています。REGユニットの大容量ケミコン3個が大きく膨らんでいるのが目視で確認出来ました。これは早々に交換された方がいいですね。あとAF/IF周辺の中容量コンも交換された形跡がなく、経年から考えても全数交換が妥当な時期にあることは間違いありません。こちらはご報告のみ・・・。

相変わらずデカイですw
サブディプレイユを取り出す
手前がLCDユニット
電球交換完了
サブディプレイ修理完了
メモリ電池残量確認
バックライト復活!!
REGの大容量ケミコン破裂寸前!!

【ご依頼内容】

  1. サブディスプレイBL切れ修理
  2. CW送信波に歪み(調査)

 以上について修理・作業を承りました。

【工数】

上記作業に工数1.5+調査工数を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、起票、その他)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

※工数1.5以内の軽微な作業につき、動画撮影は割愛しました。


 ご出場

 メンテナンスパック+照明交換のご依頼を承りました。NATIONALロゴ大文字書体の初期ロッド(中期)の個体です。外装はかなり草臥れているのですが、部品劣化はありませんでした。FMナロー化とCALの51.000MHz化改造、VFOアライメント、送受IF/RFのフルトラッキングを実施しています。53MHzのトラップコイルが大きく離調していました。AM/FMともフルトラッキングの結果10dB以上の感度改善がみられたほか、送信出力はAM/FMキャリアで4W弱、AMピークで7W出ています。深みのある独特のAM変調は健在です! 照明は前回の601同様、LED化させて頂きました。

LED化改造も同時施工
ダイヤル側LED
メーター側LED
LED化完了
キャリア4W
AMピーク7W弱

【ご依頼内容】

  1. メンテナンスパック
  2. メーター・VFO照明交換(LED化)

 以上について作業を承りました。

【工数】

上記作業にメンテナンスパック規程工数+工数1.0を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、起票、その他)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

※メンテナンスパック及び工数1.5以内の軽微な作業につき、動画撮影は割愛しました。


FT-817 ご出場

 FT-817の初期ロッドです。こちらはメーカーでの修理が困難なのでしょうか??  “外部電源を繋いでも3W程度しか出ない”“430MHzでHi SWRになる”とのことです。サービスモードで起動し各バンドのALC設定、送信ゲインを確認したところ、ALCは全バンドで開放状態に、送信ゲインも最大値に設定されていました。即ち出力最大(限界おーばー)にセットされているという意味です。ココから見えてくるのはファイナルのコンディションです。明らかに「酷使」されてきたコトを物語っています。(汗汗) 問答無用で“ファイナル交換”に挑みました。2SK2975×2の交換は結構厄介です。半田を当ててすんなり外れる箇所ではありません。専用の治具を使ってPAユニットの裏から局所的に熱を加える方法で撤去します。以前は石を粉砕して作業していましたが、弊社のスーパーエンジニアA氏が治具を開発し今回から作業に導入しました。FT-857、FT-897のドライバ交換もこれでスムースにイケます。ww 430MHzのHi SWR状態については確認できませんでしたが、ダミーロードで測定する場合でもジャンパ同軸の長さには注意が必要です。69cmだと色んなバンドで使えてFBですよ。(あ〜〜使いたくない用語w) また、L1、L2、L3のALC値もメチャクチャでした。キッチリ規程値に合わせています。送信出力も本機の定格5Wに設定させて頂きました。写真よりも動画でご確認頂いた方が早いですね。1分間MAX出力連続でへたりナシです。これから動画もバンバン出していますョ(By  Super”A”)

ファイナル交換中のエンジニアA氏
ALC開放のままだと8W出てしまう。汗

【ご依頼内容】

  1. 送信出力低下
  2. 430MHz SWR異常

 以上について修理を承りました。

【工数】

 上記作業に工数2.5を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、起票、その他)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 2SK2975×2個
  • その他


HL-206Vご出場

 お馴染みの東京ハイパワーの6m/200Wクラスのリニアです。160W以上でプロテクションモードに落ちてしまうとのことでした。進行波の閾値設定でこの様な事象に陥ることがありますが、進行波・反射波ともに規程値に設定されていました。入力側でもオーバードライブによる故障防止の為に、プロテクション回路が入っています。こちらにもVRがあるのですが、VRを絞っても状況に変化はありません。調べた所、入力検波回路のD7(1S2076A)が焼損しショートしていました。恐らく”押し過ぎ”が故障の原因かと存じます。手前の0.01µFと共に交換しました。10Wドライブ設定で15W程度までなら大丈夫ですが、それ以上はファイナルがもちません。控えめにお使い下さい。

ビス1本欠損していました
THP後期の製品は内部レイアウトが美しい
ショートしてる!
このCは予防交換しておこう
回路図的にはこの場所
12Wで200W弱出てくる
正常に動作
15Wで押すと200W出るが・・

【ご依頼内容】

  1. 160W以上でプロテクション動作(強制停止)

 以上について修理を承りました。

【工数】

 上記作業に工数2.0を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、起票、その他)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

※お客様のご都合により動画撮影は割愛しました。


ご出場

松下電器 RJX-1011 / Hy-Gain Model 3750

 今週最大の案件、RJX-1011(Hy-Gain Model 3750)であります。こちらはOEM機です。周波数カウンターが動作しないとのことでした。本機はVFOで周波数を制御しPLLでロックする昔の無線機です。VFOで作られたローカル信号をカウンターユニットで処理し、バンド毎にプリスケールされた値に足し算する方法で周波数を表示しています。カウンターユニットに12MHzのローカル信号が届いていることを確認しました。カウンターユニットはプリスケーラと演算部が全てICで構成されています。ガラスエポキシ基板が使用されしっかりした造りは、まるで測定器の内部の様ですね〜。USB/LSB切替時にプリスケールする周波数を表示しているのでIC自体は動いています。ガラエポと言えども半田は劣化しまし、スルーホールも傷んできますね〜。基板3枚を再半田することにしました。

 結果はご覧の通りです。カウンターは正常動作するようになりました。リレー、SW類、バリコン類(軸)に接触不良を確認しました。受信時に突然聞こえなくなったので焦ったのですが、PTTを押したら回復しました。長らく使用されていなかったとのことです。使用すればある程度は改善するでしょう。

 出力不足を懸念されておられましたが、全バンド90W出ています。球ボケと言うには微妙なところですね。調子の良い球なら130W位は出てきますが、まだ交換という程の状況では無いように思います。まずはお使い頂いて、本体全体をエージングされてみてください。いや〜〜〜イイ無線機です。

カウンターユニットの修理に着手
測定器のような佇まい
ガラスエポキシでも半田は劣化する
おっ 表示が変わったぞ!
7MHz 90W
14MHz 90W
21MHz 90W
29MHz 90W

【ご依頼内容】

  1. 周波数カウンタ不動
  2. 送信出力低下(異常ナシ)

 以上について修理を承りました。

【工数】

 上記作業に工数2.5を要しました。(故障箇所特定、交換、調整、検証、起票、その他)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

 ナシ

 

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