GR-78 検査終了 / AL-811H 検査終了 / IC-821D ご出場【2020/04/03】

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 4月になりました。新しいシーズンがスタートしているはずなのに心は真っ暗です。やはり一度封鎖して、徹底的に対処してほしいです!!。

 2月以降アルバイトを含む全スタッフがテレワーク対応していますが、エンジニアの一時疎開でリソースが足りません。(誰一人、感染はしていません!) お手伝い頂けるテレワーク対応が可能なエンジニアさんを急募中です。無線機・オーディオ機器の修理業務を経験されたことある方で、ご自宅に必要な測定器をお持ちの方がおられましたら弊社までご連絡ください。小生のメールアドレス  ※@jarl.com宛、facebook、twitter宛にご連絡頂ければ幸いです。この様な状況で雑務に振り回されており、無線機修理に手が回らなくなっています。納期遅延が発生していますが、どうかご理解頂きたくお願い申し上げます。※コールサインは JG1BVXです。

 尚、先月よりブログの更新頻度を下げさせて頂いております。当面の間この様な状況が続きますことご理解ください。

検査終了

 懐かしいHeathkit のGR-78です。プリセレクタがドラム式のBCLラジオです。全体的な感度不足や接点不良が発生しまともに動作していません。値札付き(微笑)でお送り頂きました、15K円で完動品としてご購入された様ですね。残念ながら「完動」とは程遠い状況でした。まず全バンド、殆ど聞こえません。内部CALとSSBのディテクタは動作しているようですが、AMにするとウンともスンともいいません。汗 これはMODEセレクタSWの接点不良みたいで、CAIGで洗浄したら一応復調するようにはなりました。しかし相変わらず全バンド感度不足です。局発よりIF側の不具合とみて調べて行くと、IFTのコアが突き出ている部分を見付けました。コアが5mmほど突き出ていて中に入りません。ボビンがコイル収縮で締め付けられているのかと思い中を覗いたところ別のコアが中に埋まっています。角が割れていて回りません。コアが取り出せなくなって、継ぎ足して特性を補間しようとしたのでしょう。全然補正できていませんけど・・。汗 ここを直さないとヘテロダイン側の修理調整は困難です。勿論IFTに換えはありませんので、コイルを修理するしかありません。シールド撤去→コアボビン撤去、コア粉砕除去、コアボビン取付→シールド取付→新規コア交換という流れですが、この作業だけで半日掛かってしまいます。そして最大のネックは改造箇所です。AC電源の機能を何からの理由で使用不可にされていました。複数箇所で配線が切断されています。また、不明の基板が増設されていました。回路図に無い場所、有るはずの配線が無い場所・・ちょっと工数が読めません。汗汗 インテリアとして素敵な個体ですが、実用機としては今時の短波ラジオに敵うはずも無く、コストを掛けて直す意義の有無についてオーナー様とお電話でお話しさせて頂き、修理中止とさせて頂きました。実はIFTの他に幾つかのバンドで局発が出ていない可能性がありました。水晶を特注するなどするとバンド毎に10,000円程度の費用が掛かってしまう恐れがありました。現状中波については低感度ながら聞こえています。プライベートで少しずつ直す案件でしょうか・・・。

あれ切断されている
AC電源機能解除??
このユニバーサル基板は?? AC撤去されているのにリップル対策????
あれれ・・・
コアが割れてる・・
これは断線か??

検査終了

 Ameritron AL-811Hです。つい最近までMFJで扱っていたアンプですね。こちらは811A×4本タイプになります。製品価格自体が安価だったため、日本国内でも相当数が出回っているのではないでしょうか。今回のご相談内容は、パワー半減と電源スイッチ故障修理のご相談です。外装はとても綺麗なのですが、内部はかなり埃堆積が顕著です。真空管ソケットの真下付近に黒く煤けた部分を確認しました。筐体分解を要するので回路図での確認のみ行いましたが、パスコンが怪しいです。プレート同調点がかなり上ずれしているので当初球ボケを疑いましたが、そうではなく2本が異常発熱を起こしプレート端子が剥離していることが判明しました。即ち2本しか動作していない状態です。パワー半減の訳は理解できました。811A以外では572Bでもよく見掛けるトラブルですが、球が熱くなりすぎてプレート端子が溶けてしまう症状(プレートリードの発熱溶断+エポキシ劣化)かと思われます。恐らく球を交換しても、発熱の原因が特定できないと意味がありません。IPを確認すると低出力時にも関わらず、大電流が流れていることが判りました。しかもディップ点で下がりきりません。やはり同調回路のどこかが故障しているものとみて間違いなさそうです。単純な球交換とはいきませんね〜。電源スイッチには250V/15Aのロッカースイッチが使われています。こちら、Ameritronの継承会社であるMFJに部品在庫を問い合わせましたが、”no stock”  “discontinued”の返答でした。デバイスメーカーの Carling Technologies 社に直接問い合わせたところ、後発品で寸法形状の合致する製品があることが判りました。今回は診断のみのオーダーですの、故障箇所の特定だけでお戻しします。結露ショートの可能性大

開胸!
埃堆積多め
HV確認
300V低下・・ブロックコン異常?
真空管ソケットの真下が黒く煤けている?
あれ?? ぐらぐらだぞ!
あらまぁ・・
ボロボロ・・異常高温に?
こっちも・・
同じです・・・
結露ショートの可能性大ですぅ
ロッカスイッチはディスコン・・後継品で対応可能

IC-821D ご出場

 昨年末に同じ症状で修理入場・ご出場した個体です。「再発」とのことで入場です。MAIN(430MHz)でTX からRXに切り替わる際、LEDインジケーターの赤(TX状態)が十数秒残って、その間受信不可となるとの症状です。弊社到着後11日目にして事象再発を確認しました。外気温や環境によって再現性が変異する様です。症状としては、TXB側に僅かな電位が残ることで、PINダイオードが開きっぱなしになり、送信IFが動作したままになっている状況です。前回は異常発振に起因する症状として修理完了していますが、修理箇所に瑕疵はなく、施工法にも齟齬はありません。前回よりも発生時間が短めです。幾つかの不具合が重なって発生している可能性が高いですね〜〜。発生頻度が少なく、かつ発生時間が10秒前後となると故障箇所の特定はほぼ不可能です。今回は思い切ってTXBラインにぶら下がる47µF〜220µFのSMD(表面実装)ケミコン全数及び、AFアンプ部の普通部品470µF×2、1000µF×1を交換することにしました。施工時、RFC一個の導通不良を発見、更に付いているハズのSMDセラコン×1個が欠損していたので追加しておきました。以下の写真の通り修理しています。

 交換したケミコンの中から、100µF/16V SMD 一個について容量異常(70µFまで低下)及びESR異常がみつかりました。結果、症状の再発は確認できません。念の為丸2日テストしていますが、以前の様な症状はありません。ただ、この100µFが原因だったのかは不明です。気温差などで事象が出るとなると、スルーホールの異常なども考えられます。そうなるともう手に負えず、Assy交換以外に術はありません。

 因みに前回お知らせした 430MHzドライバ モジュールの故障ですが、現時点で完全に出力しなくなりました。こちらはオーナー様ご自身で交換されるとのことですので、そのままの状態でお戻しします。モジュールまでは確実に基本波が届いていますので、交換さえすれば正常に出力するでしょう。

 YouTubeに「中古買った方が安いのでは」というコメントがありました。その通りかも知れません。しかし、当ラボでは思い入れの無いリグの修理はお断りしています。それぞれの個体に想いや歴史があるからこそ、修理をご依頼されてこられるのだと存じますし、だからこそ何とか修理したいという思いで修理させて頂いている次第です。

TXB上の47µF以上は全数交換
47µF、100µF、220µFほか・・
RFCが導通していないので着脱したところ・・
電極を接着してコイル線材は半田付け修復
0.0047µFのSMDが欠損(よく見ると焦げている)積層セラコンで修復
100µF一個が数値異常

【ご依頼内容】

修理箇所・症状再発 (継続修理扱い)

  1.  以上について作業を承りました

【工数】

上記作業について、追加工数2.0を要しました。

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 表面実装(SMD)ケミコン×11個
  • 標準ケミコン×3個


 作業再再開・・汗

 交換用の石がやっと届きました。再修理の為、ファイナル側基板を着脱したところ故障した片側PP側のVCCラインリードが基板から外れ、バイアスラインのランドに触れていました。ファイナル交換の際にこの部分は着脱しないため、今回初めて確認した次第です。交換直後は動作確認しているので、外れ掛かっていたものが修理時作業時の振動等で外れたのでしょう。兎に角原因が判った何よりです。ドライバ段の発振は相変わらずです。石は3個目ですが、VCC側に電源を供給するとスタンバイ状態にしていないにも関わらず、バイアスが大量に流れてしまい。無負荷状態で1A以上のIcが流れています。この際 ON AIR LEDが点灯するので、PTTラインに回り込みを起こしているのは間違いありません。発振周波数状態でオシロを当てて検査したところ約1.2MHzの低い周波数で写真の波形を確認しました。やはりストリップラインの容量性反応が原因か・・。STBY解除しても発振が止まりません。また一定のバイアスが流れている状態だと勝手に発振しはじめます。怖くてRFの試験が行えません。というかIdcの調整すらできない・・。コレクタでこれだけ発振してます。パワートランジスの発振は厄介です。補正コンを打ってみます。そもそもベースバイアスがRFCで給電されています。FETなら確実にアウトだと想います。ftの高い増幅素子の場合、ダイオードと抵抗でバイアス回路を組んだ方がインピーダンス的にも都合が良いと思うので、補正コン打ってもダメな場合はトライしてみます。因みに後発のHL-250Udx以降の機種ではこの辺りはかなり工夫されています。

2sC3102代替のCM50-12でテスト中。既に3個昇天・・・汗
コレクタにプローブを当てて・・
強制STBYさせると、こういう波形が・・
STBYを解除してもバイアス回路を巻き込んで発振している・・

 こりゃ〜〜〜超長期線覚悟です。

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