RJX-601 重篤からご出場【2020/03/24】

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 こんにちは。予定外ですが、少々重めの作業だったので臨時増刊しました。与太話抜きでイキナリ本題に入ります。

RJX-601 ご出場

真昼でも明るいLEDバックライト

 昨日朝一に入場したRJX-601です。内容はメンテナンスパックに加え、マイク2本の修理と追加ご依頼の照明LED化工事でした。先ず中を開けてビックリ仰天です。実装面・半田面とも茶色に変色しています。すぐに“液漏れ”による腐食であることが判りました。電池BOXの電極は完全に錆付き、所々に錆の屑が転がっています。部品にも大量に溶液が付着していました。これだけではありません。1000µFのチューブラコンが破裂して電解溶液が吹き出しています。これらがフロントパネルと基板の隙間から裏側に浸潤して、シャーシや半田面も腐食させていました。交信中「AM変調がおかしい」と他局から指摘を受けたとのことです。この状態で電源を入れることは極めて危険なため、取りあえず徹底的に洗浄することにしました。エタノールを浸したペーパーウエス及び綿棒で全ての部品に附着した溶液を取り除き、パーツクリーナー(石油溶剤)を全体に吹きかけて汚れを流し出しました。写真のペーパーウエスの汚れをご覧下さい。とにかく尋常ではありません。VRやリレー内部にも溶液が浸潤していて、接点導通が不安定です。これらはCAIG デオキシットD-5で徹底的に洗浄しました。綿棒で取り切れない汚れは歯ブラシで掻き出しました。半田面は白濁した箇所の半田を全て除去してから再半田しています。チューブラはシールド板を撤去しないと着脱できません。チューブラではなく通常形状のオーディオグレード アルミ電解コンデンサ1000µ/35Vに置換しています。

メンテナンスパック施工開始

 ここからいつもの作業に入ります。送受信のフルトラキングを実施して、CAL用水晶を交換とFM変調器手前にあるダイオードリミッタのバイアス電流を抑制するため抵抗の定数変更を行いました。この状態でラボ所有のマイクでテストしたころ、出力はキャリアで4W以上でています。AM変調ピークでアライメントされていなかったため、終段後ろのLPFを調整しました。この際、ファイナル横にあるコイル・コアが割れているのを確認しています。ここは最大点に調整されている様なので特に問題はありません。後ろ二箇所とTX-IFの段間結合部の調整で、キャリア4.5W・ピーク7Wを確認しています。こんなにRF出力のコンディションが良い個体は珍しいですね。VFOが200Hz程度離調していました。こちらはLow/Hiのエッジでそれぞれ精密調整しています。受信IFはAM/FMのIFフィルタの離調、53MHzのトラップコイル離調が顕著でした。

マイク2本について

 純正棺桶型マイクについては「マイクエレメントが壊れている?」とメモがあったのですが、エレメントは600Ωを維持しており、端子にテスタリードを当てると“ジリジリ”と鳴りますので「生存」と判定しました。となると使えない理由としては断線かスイッチの不良ということになります。結果的にスイッチを分解してメッキが剥がれている箇所にCAIG D-100Lを塗布して導通を回復させました。今のところフツーに使えます。

 ケンウッド製マイクも同梱頂きました。こちらは変調の吸い込みが良く逆に過変調になるくらいです。正常ですね。

バックライトのLED化

 追加オーダーです。従来¥は小型の白色超高輝度LEDを麦球に置き換える形で施工していました。LEDは光軸が直線的に出るため麦球と比較すると光量が不足します。受注の際にはこの旨をお断りした上で施工させて頂いていました。今回施工分からシャーシの電球穴とFパネルの隙間に大型LED(拡散フィルム付き)を装着する施工法に変更しました。多分麦球よりも明るいです。特にVFOダイヤルは見やすくなりました。メーター側は明るすぎ? 兎に角大成功です。

 RJX-601の作業とは思えないほど大掛かりなOH作業となりましたが、ご満足頂ける一台に仕上がったと思います。写真多めですが、どうぞご覧下さい。

液漏れによる腐食とみられる(かなり酷い)→
錆取り塗布+ヤスリ開始
シャーシがドロドロ→
丁寧にやるしかない(かなり落ちた)
これは落ちるのか・・→
軽くふれただけでべっとり(落としました)
ひえ〜〜〜〜→→
かなりキレイになった?
リレーも着脱洗浄必須(ファイナル横のコイルコア破損確認)→
ついでに接点もキレイに磨いた
半田面全体の洗浄・打ち直し必須→
処理後はこんな感じ
白濁箇所は腐食しているところ→
ついでに水晶を交換
ココも酷い→
除去完了
チューブラは破裂していた→
普通形状の1000µF/35Vに換装
麦球外すの勿体ない気もするけど→
ご所望なのでLEDに交換(新工法)
VFO側
メーター側
これはこれで良かったけど→
VFOダイヤルがイケてる?(死語w)

【ご依頼内容】

  1. メンテナンスパック
  2. LED照明化改造
  3. マイク修理
  4. その他不具合修理

 以上について修理・作業を承りました。

【工数】

 上記作業に“メンテナンスパック”+工数3.0を要しました。

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • ナイラッチ ×2個 交換 (メンテナンスパック適用)
  • CAL水晶 ×1個 交換 (メンテナンスパック適用)
  • R80– 1/4W抵抗 ×1個 定数変更 (メンテナンスパック適用)
  • 1000µF/16Vチューブラ電解 同容量/35Vアルミ電解コンデンサ(オーディオグレード)で代替 (通常修理交換)
  • 照明麦球 ×2個 超高輝度白色LED ×2に交換(通常修理交換)
  • LED用拡散フィルム ×2個(通常修理交換)
  • エタノール
  • KURE クイックドライクリーナー(石油溶剤)
  • KURE CRC 5-5-6
  • CAIG デオキシット D-5
  • CAIG デオキシット D-100L


 今日はFT-1000MPの診断作業を進めます。

 

 

2 Responses to "RJX-601 重篤からご出場【2020/03/24】"
  1. 「変調ガサガサになってるよ!」というローカル局レポートから整備をお願いし、発送する前日までQSOしていたのに、まさか電解コンが破裂していたとは、タイトル見て「重篤化した個体」とはびっくり、。捨ててしまうには惜しいRIGをよみがえらせ活かしていただき感謝感謝です。

    • お世話になっております。
      乾電池液漏れ+ケミコン液漏れのWパンチですね。乾電池の方は時間が経過していそうな感じでした。
      いずれにせよ、“イイ感じ”に仕上がっていますョ。

      de BVX

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