TS-600 ご出場 / HL-166V ご出場 / HL-250U 新たな故障箇所【2020/03/04】

by

 おはようございます。曇り空の横浜地方、気温は低めです。HL-250Uのトラップに填まり睡眠不足です。汗

 サプライされたケミコンのサイズが合わず、久しぶりに聖地アキバ詣出しました。某S電商さんは普段より来店者数が少なめでしょうか。やはりコロナの影響で聖地巡礼を控える動きとなっている感じです。調達ついでに作業道具を衝動買いしました。部材調達もネット注文が当たり前になりましたが、道具類は手にとって確かめたですよね。せめて三月に一度くらいは聖地に足を運びたいものです。その前にコロナが片付いてくれないとね!!


ご出場

ケミコンを徹底的に交換したTS-600

 故障ナシ判定でお戻しする予定だった個体の再作業が終わりました。数値上は正常に受信していると思われますが、ファインチューニング+ケミコン予防交換+再半田処理でここまで性能が改善したケースは希です。素直に言うと「TS-600を舐めていた」ということです。フロントエンド・IF・AFに至るケミコン全数交換に挑みました。実際にサンプルすると容量異常をしめしたケミコンは数個で、性能に直接影響を及ぼすものではなく、ほぼ予防交換です。ケミコン交換と平行して再半田処理を実施しました。もしかすると半田劣化が進行していかもしれませんが、これらも“具体的に何処が悪かった”という様なものでもありません。結果的に受信性能が良くなったということです。RX-DX オフの状態で施工前のRX-DX オン相当の感度にアップしています。RX-DXをオンにするとフロアノイズレベルがS7まで上昇しました。施工前はS1〜S2程度だったはずです。相当数のケミコンを換えているので100時間程度のエージングが必要ですね。深夜にラボから20kmほど東にある東京ビーコン(50.489MHz)を受信してみると、RX-DXオフ(ノンプリ)でFTDX3000のIPOオフ(プリON)と同等のS/Nで聞こえてきました。RX-DX オンにすると、まるで外付けの受信アンプを付けたときの様な感度の立ち上がりです。動画でご覧頂ください。YouTubeではなくWebサーバーに動画を置いたので少々重いです。

RX-DX オフ時(動画)
RX-DXオン時(動画)

【ご依頼内容】

  1. 受信ファインチューニング

以上について作業を承りました

【工数】

上記作業に工数3.0人日を要しました。(調達、交換、基板修復、調整、検証、報告書作成、その他作業を含む)

【部品交換・使用ケミカル剤】

  • RX/IF及びAF部ケミコン全数交換 
  • アルミット半田 
  • CAIG デオキシット D5


HL-166V ご出場

 送信出力低下とのことでした。先月拝見した個体と全く同じ場所の故障です。本機はTX時に立ち上がるバイアス回路に電流を供給するリレーが故障していました。TE製の代替リレーに交換しましたが、応答速度はオリジナルよりも速いみたいです。しかしよく壊れるリレーです。前回修理した個体はALCが開放されていましたが、こちらは安全マージン内にありました。送信系は無調性でOKみたいです。受信系については特に確認していません。

代替のTE製リレーに交換
5W入れて・・
バッチリ160W出ています
Lo 側で1W入力・・50W! 優秀です

【ご依頼内容】

  • 出力低下

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数3.0を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、報告書作成、その他の作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • TE ラッチングリレー×1


新たな故障箇所

ココまで交換したが・・

 部品が揃ったところでフィニッシングのハズでした。2SC3102を全数交換しているのでアイドリング調整は必須ですが、まずは10W程度で押してみることに・・・。段間、入出力のトリマーを調整し150Wまで出る様になりました。しかし、それ以上で押すと飽和してしまいます。作業時に発見した故障箇所は片側プッシュプルのバイアス抵抗焼損、出力合成回路のバランサ抵抗焼損×2(予防を含め3個交換)です。故障の流れとしては、プッシュプル片落ち→気付かず強引にドライブさせて励振段焼損→内部不整合による終段4発焼損だったのではないかと思料していました。出力飽和の原因として考えられるのは、基板異常(ストリップラインの損傷)や異常発振です。2SC3102はFM用に開発された石で、データシートの評価回路もバイアスのないC級増幅のデータが記載されています。深めのバイアスはそもそも苦手なのか? いずれにせよアイドリングは150mA程度流しておかないとダメです。ファイナル・ドライバともに2SC3102ですが、バイアス・トランジスタが異なります。ファイナル側はプッシュプルに対してアイドリング電流を供給しており、Pc=30Wの2SD526が使用されていますが、ドライバ段はシングルなのでPc=10Wの2SC1173となっています。ドライバ段は直線性を重視しているためか、ftが100MHz程度あるRFトランジスタの2SC1173が使われているのか思いますが、ここが少々心配です。ドライバ段のVCCにあるチョークコイルの上流側を開放し電流計を挿入しました。入力側のRFを遮断してスタンバイ状態にしたところ、1A近い電流が流れています。(汗)すぐにSEND解除しましたが、何故か400mA近い電流が流れっぱなしになりました。明らかに異常発振しています。しかもサインオフ状態で400mAの電流はどんどん上昇しています。故障の原因はドライバの異常発振だったのでしょうか。アイドリング電流調整VRを回しても電流が流れ続けます。この事象は本体の電源を切らない限り継続されることが判明しました。今度は予めバイアス電圧を0.7V以下に設定しておいてスタンバイさせてみたところ、2SC3102のIcが全く流れません。この状態からアイドリング電流調整VRを回して行くと0.71V付近から急激に電流が流れはじめ一気に1Aを超えてしまいました。すぐにSEND解除しましたが、異常発振は収まらず2秒後に励振段は昇天・・・。新調した2SC3102を壊してしまいました。再び2SC3102を撤去し、予備用に調達しておいた2SC3102互換のCM50-12Aを装着しましたが、同じく異常発振しています。これは厄介なことになりました。入手力回路の部品は交換前提で着脱検査に移行する必要があります。怪しいのはドライバ後ろのポリ・トリマーです。250V耐圧の22pFですが、これは悪さしまくることで有名なトリマーです。5pFの補正コンが打たれていました。容量が足りなくなっているのでしょうか・・・。着脱して実測したところ、MAX 22pFのところ14pFしか出ていません。これは要交換です。因みにセラミック・トリマーで高耐圧となると装着が困難です。同じポリ・トリマーしか選択肢がありません。こちら工場リードタイムが2ヶ月となっており、インディビジュアルな発注(数個単位)が困難でした。朝イチでサプライヤーにミニマム供給が可能か打診しています。また、2SC1173についても交換しておいた方がよさそうですね。バイアス・トランジスタのベースにツェナーが乗っていますが、これも逆導通していました。回路図が不鮮明で型番が判りませんが、恐らく11Vのツェナーではないかと思います。ファイナル側の4発については正常にアイドリング調整できました。150Wまでの出力は確認できているので、あと一歩なのですが・・・。今週中の出場は困難となりました。申し訳ございませんが、ご理解のほどお願い申し上げます。代替の2SC3102はシンガポールの半導体ディーラーに発注しました。深圳系は完全に供給ストップです。

2SC3102が異常発振で昇天 CM50-12Aにて動作確認中
250V耐圧トリマーは要交換
バイアス・トランジスターも要交換
SEND解除後も異常発振が止まらない!!

 HL-250Uを一旦ラインから降ろして、JST-245Hの作業に掛かります。平行してRJX-601のメンテナンスも進めています。

コメントを残す

テキストのコピーはできません。