TS-900 ご出場 / TS-930 診断終了 【2020/02/12】

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 こんにちは。今日は暖かくなりそうな横浜です。世間は休み明けですが、こちらは“返上”にて対応中です。

 毎度無線機修理をオーダー頂いているローカルの常連OMからの頼まれモノを修理中です。数ヶ月前に自己所有のソニー製DATデッキ DTC-ZE700の修理について書きました。同じ機種かつ同様のトラブルとのことで、プライベートで修理をお引き受けした次第です。テープをローディングするとCAUTIONが表示され再生・巻き戻しはおろか、取り出しも出来なくないそうです。お預かりした時点では既に自力でテープのみ救出されておりました。自己所有のZE700のケースでは、リール・プーリーからベルトが外れてしまっていましたが、お預かりした個体はベルト自体が延びきっていしまいモーターが空回りしていました。テープをローディングするする際に巻き取りリールが回って回転ヘッドにテープを巻き付ける仕組みですが、これが機能しないためCAUTIONが表示されて動作が停止します。一般的なカセットデッキ等の修理に使用するゴムベルトはインナーギヤの無いプーリーベルトでAmazonや千石電商さんでも入手が可能です。ところが本機に使用されているタイミングベルト(ミニチュアVベルト)はメーカー特注品となるため適合サイズは入手困難です。モーター取付部を見ると複数のビス穴が開いていてビスが刺さっていない(未使用の)穴があります。「もしやモーター位置の調整が可能?」ネジ穴を変更したところ極僅かですがモーター位置をずらすことができました。スカスカだったベルトにもテンションが掛かるようになり、滑りは収まったみたいです。タイミングベルトは引き続き探してみますが、この状態で正常に動作する様になったので暫く様子を観ようと思います。プーリー側の回転も少々鈍くなっているので、分解・デグリース・リグリースしてみます。早送りが遅いですね。

ZE700のメカ部
基板の下に巻き上げリールの駆動モーターとベルト・プーリーがある
モーター位置を微妙にズラしてテンション確保
“CAUTION” は消えて正常に動作してます
オーディオテクニカ

 上のDATデッキと共に面白いアイテムの修理を承りました。ww カセットデッキの消磁器 オーディテクニカ AT-5022 であります。昔は2,000円で新品が買えました。レコード店や電気店で簡単に入手できたものです。ナント中古品が Amazon 30,000円で売られています。ひえ〜〜〜〜〜〜。 ボタン電池を使用して、コンデンサーに充電された電荷を一気にコイルへ吐きだして磁場を発生させ、ヘッドに残留する磁気を除去するものですね。電池を入れ替えてもチャージランプ(LED)が点かない(使用不可)とのことです。4個のケミコンを交換し、ボタン電池の電極部の緑青を除去したところ正常に動作するようになりました。こちらはお代は頂戴しません。(できません 汗)

AT5022のケミコン4本を交換
220µ(右)は容量抜けが顕著
こちらの220µFも同様(上)
ケミコン交換後、正常にチャージLEDが点灯

 最近、オーディオ修理の内部依頼が急増中です。アンプやチューナーは無線機と変わりませんが、メカ修理主体のプレーヤーは最近やっていないので効率悪いなぁ。まだまだ修行が足らん!! 


TS-900D ご出場

 “長期対応”フラグをあげましたが、週末+祝日対応でクリアしました。“ヒーターONで電源が落ちる”という恐ろしい事象です。本機はセパレートタイプ故、外付けのSP付き電源で駆動します。単純に電源を供給するだけでなく、プロテクション回路も連携しています。電源側の故障も結構あるモデルなので、チェック範囲は本体+電源ということになります。ヒーター回路は送信ミュートリレーとも連携していて少々複雑です。真空管機でヒーター回路がGND短絡するときは、殆どがコンデンサーのショートによるものです。今回も最初に疑った箇所はそこでした。6GK6と6146B×2のヒーター回路は電源に対して並列に繫がっています。取りあえず球を抜いてそれぞれのヒーター抵抗値を測定しました。何れも正常値を示しています。(フィラメントは切れていない)次にヒーターの電源ラインのGND抵抗を測定しました。絶縁値は正常です。・・・・おかしいですね〜〜〜〜。何処かがショートしていない限りヒューズが落ちるなんて考えられないのですが・・。真空管を抜いた状態で電源を投入してみることにしました。恐る恐るヒーターをONしてみたところ、何も起きません・・。T-MUTEが正常に消灯しました。MUTEリレーが入ったり入らなかったりします。着脱して洗浄しましたが、どうやらソレノイドが弱っているみたいですね。こちらはストックがありません。CAIG D-5で洗浄して元に戻しました。先ほどよりは動作が快適になったような気がします。しかしヒーター回路の短絡とは無関係です。着脱した真空管をもう一度凝視してみました。6146Bの片側1本について、内側ガラスに極小の金属片のようなチリが附着しているのを確認しました。もう片方には見られません。以前に同じ様な経験をしたことを思い出しました。フィラメントが他の電極に触れてアークが出た疑いが濃厚です。フィラメント自体は切れていませんが、SGに触れている可能性が濃厚です。ヒーターONだけならバイアスは流れないのでヒューズ溶断だけで済みますが、送信まで行ってしまっていたら・・・想像するだけでも恐ろしいです。取りあえずストックしている6146Bを交換したところ正常に動作するようになりました。

リレーのベタ付き顕著
CAIGで洗浄するも、ソレノイドの反応がイマイチ
これかぁ・・・
ヒーターOFF =T-MUTE点灯中
ヒーターON
送信OK

【ご依頼内容】

  1. ヒーターON時に専用電源のヒューズが溶断

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数2.5を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、報告書作成、その他の作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 6146B ×2 
  • CAIG デオキシット D-5 少量


TS-930S 診断結果

 TS-900Dのオーナー様より同時にお預かりしました。こちらも当ラボにて何度か拝見している個体になります。“電源部が異常に発熱する”とのことです。TS-930、TS-940に共通して言えることですが、電源部が比較的に熱くなりやすいモデルですね。事象を確認しました。確かに発熱量が多めです。電源部後ろのファンの回転が鈍いですね。汎用のインチファンではないので交換が困難です。一応、グリースは注しましたがモーター自体の分解整備までは行っていません。あと、サーモスタットも規程温度で作動していいない可能性が高いです。ドライヤーを当ててみましたがONになる温度が少々高い様です。(規程85℃ のところ実測93℃)ヒートシンクされた状態でテストしているので放熱されてしまっている分も考慮する必要がありますが、それにしても・・・・。オーナー様と協議の上、作業を中断することにしました。


 これからTS-690 を拝見します。

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