TR-9000G ご出場 / ICF-SW77 ご出場 / TS-930S ご入場【2019/12/11】

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 こんにちは。冬晴れの横浜です。気温は低めですが快晴だと気分も晴れますね。今日はてんこ盛りですので与太話は飛ばします。

 これから丸の内で、ラグビー日本代表によるパレードが行われます。流石に仕事をサボって馳せ参じる訳には行きませんが、暫しテレビに釘付けになりそう・・。


ご出場

 懐かしいトリオの9000シリーズです。当ラボ登場は2年ぶりかな? ケンウッドに社名変更した後も暫く残っていましたね。シリーズのTR-9300、TR-9500を専用のラックに収めた姿が格好良くて憧れました。9000Gは改良型2m機で構成的には同一ですが、PLLユニットが一新されています。お預かりした個体は「SSB/CWが聞こえない」とのことでした。拝見したところ、実際には1KHz以上離れたところに実周波数があり、CWだと相手の信号が確認できなかった可能性があります。USBは下側に1.5KHzシフトしているため、送信側も逆方向にズレてたら聞こえなかったかもしれません。こちらについては不明ですが送受自体は可能な状態でした。先ずは周波数ズレから修正することにします。144.9999MHz表示時のVCO周波数は134.3064MHzとなり、100Hz上の145.0000MHzでは134.3064MHzである必要がありますが、本個体はアッパー・ロワーとも大きくズレていました。これらを精密調整しました。ロック電圧はロワーエッジで2.0Vでしたので問題はありません。PLLをトラッキングした際にはRITの調整も必須です。こちらもセンター位置でRIT OFF時と同じになるように調整しました。本機はLSBユニット非搭載なのでBFOはUSB/CWのみ調整しました。PLL周りの調整を終えた後に、ラボ常備のリグと泣き合わせを行い、周波数が正常になったこと確認しています。SSB送信時パワーが今一つ伸びません・・・。キャリアポイントとSSB Micゲインを調整し、キチンとピーク出力が出る様に調整しました。受信はIFフルトラッキングを行い感度にして10dB程度改善しています。

ヘテロダイン、VCO、PLL側
分厚いシールドの蓋を開封
調整後は封印シールで閉じる
TX /RX IFトラッキングはこちら側
出力 Hi モード
出力Loモード

【ご依頼内容】

  1. SSB / CW 送受不良
  2. その他 総合調整

以上について作業を承りました。

【工数】

上記作業に工数2.0人日を要しました。(故障箇所特定、PLL調整、総合調整、検証、報告書作成、その他作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

無し


ご出場

 あれっ、出戻り? いえいえ新規のオーダーです。笑 BCL機の修理受付開始したところ、次々に発注を頂戴しておりますが、本機は二月前にも修理させて頂きました。本個体は海外赴任中に現地で購入された想いでの品とのことです。元箱に収められ、ヤマト運輸が推奨しているパソコン梱包でお送り頂きました。オーナー様の「愛」を感じますね〜〜〜。さて本個体でありますが「FMが聞こえなくなった」とのことでした。拝見したところ、SW(短波)も全滅です。クリックノイズが聞こえるとのことだったのでPLL故障を疑ったのですが、PLL1/PLL2とも正常に動作しています。ヘテロダインは出ているしIFも見えています。検波IC付近まで信号は来ている様ですが・・・。付近には表面実装のケミコンが集結しています。前回修理した個体は、ここの220µFと470µFが液漏れしていました。470µFは3個が一列に並んでいます。一番手前の一個をサンプリングしたところ、容量抜けはなくキッチリ470µF付近を示しました。前回みた個体とは部品調達先が異なる様で違うメーカー製ケミコンです。付近の臭いを嗅いでみると、酢酸の様な鼻を突く刺激臭を感じました。明らかに電解溶液の臭いです。隣の100µFの付け根が茶色く変色しています。しかもグラグラ状態で今にも外れそう・・。半田コテを当てようとしたらポロリと取れてしまいました。大量の電解溶液があふれ出ていて、シルク印刷やランド部を完全に覆っています。アルコールに浸した綿棒で表面の汚れを除去したところ、パターンが完全に無くなっているではありませんか!! こりゃ〜一大事です。 真横にも同容量のケミコンがあったので撤去してみると、同様に液漏れしていました。こちらもランドが凸凹になってます。表面実装部品は使えないので通常部品で代替修理するしかありませんが、ランドが使えないのでホールを開けることにしました。(写真参照)100µF/35Vの汎用ケミコン×2でリプレイス完了です。検波ICの電源部が完全に落ちていましたね。これでFM/SWは聞こえる様になりました。・・・が、FMが何かヘンです。前回直した個体と同じ症状?? FMを中心周波数に同調させるとAF音が歪んでしまいます。±100KHzシフトさせると正常に聞こえる・・・。例のセラフィルが悪さしているみたいです。セラフィルに触れると正常に復調します。前回同様、リードに半田コテを当てて加熱したところと、正常に復調するようになりました。ここは再発の恐れアリです。代替のフィルタがあれば良いのですが・・・。何れにしても、現状では機能回復し全受信機能が正常回復しました。

元箱で降臨!!
作業開始します
転げ落ちたケミコン
酷いことになっている
こっちも怪しい
100µF×2個 液漏れ
通常部品を新規ホールを通して装着
フィルタも直ってキレイな音を奏でている

【ご依頼内容】

  1. FM受信不能
  2. その他 総合調整

 以上について修理を承りました。

【工数】

 上記作業に工数3.5人日を要しました。(故障箇所特定、基板修復、調達、交換、調整、検証、報告書作成、その他作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 100µF/10V 表面実装型 アルミ電解コンデンサ の代替として  通常アルミ電解コンデンサ ×2(C446及びC451)
  • 無水エタノール 少量 (液漏れ部洗浄に使用)
  • レジストコート 少量 (腐食基板修復に使用)


TS-930S ご入場

 久しぶりのTS-930Sです。拙宅シャックからTS-930が旅だって数年経ちます。懐かしい・・・。TS-930は同社初の全半導体式フラッグシップ機でした。電源やPA周りはそのままTS-940へ受け継がれています。数年前に当ラボで送信系統の修理とLED化改造を実施させて頂いた常連オーナー様の個体です。“LEDなのに何故球切れ??” 調べてみると端子電圧が40V近く掛かっています。受信感度も低く、Sメーターの振れ方もヘンですね〜。もしやPAのDCが12Vラインに漏洩?? だとすると、もう手の施しようがありません。。オーナー様にお電話で状況をお伝えし修理を断念しかけたところでした。REGユニット周辺の臭いを嗅いだところ、僅かに刺激臭を感じました。懐中電灯で中を照らすとケミコンの付け根から液漏れしています。パターンが剥がれてショートしたみたい・・・。他の12Vラインや8Vラインを確認したところ正常に電圧が掛かっていました。これなら何とかなりそうです。取りあえず、照明回路は放置して、受信感度が低い原因を調べてみたところ、RFユニットのQ1(お馴染みの2SK125P×2)が働いていません。フロントエンドの故障でした。2SK125Pはパラレル接続用の特性選別品とのことで現在流通していません。増幅率が大きく異ならなければ“足の引っ張り合い”はしないので、通常の2SK125で修理することにします。本来パラレル接続する際は放熱環境なども同一条件にする必要があるため、背中合わせに抱き合わせる必要があるのですが、本機ではFETが同一方向に並んで装着されています。TS-940の  “逆向きシルク印刷事件”は有名ですが、恐らく後からこの事に気付いたのではないかと・・・。受信用ですからそこまでシビアになる必要はないと思います。メーターの挙動はAGCの不具合でした。もしかすると強電界に晒されたのでしょうか? 故障範囲が広いので別ラインで対応させて頂きます。

TS-930ご入場
減流抵抗も装着しているLEDが何故同時に落ちた?
僅かな刺激臭・・・
RFユニットのプリアンプQ1が故障

あ〜〜、パレード始まっちゃう。

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