クーガNo.7 ご出場 /HL-200V/50 作業再開【2019/12/06】

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 おはようございます。寒い週末になりそうな横浜地方です。この寒さにもめげずに丘の上では日々朝練と称して常連局がQRVしています。

 某国では謎の病いが流行し騒ぎになっている様です。日本に飛び火しないことを願う今日この頃。近隣の花桃の丘では、この寒さの中「朝練」と称する移動運用が今朝も行われていたみたい。朝は忙しく、近隣と言えども覗きに行く余裕はありませんが、Twitter のストリームに流れてくるので一目瞭然ですネ。丘の主のお二人により、7MHz(SSB)、18MHz(SSB)、144MHz(CW)の運用は、雨が降ろうが寒かろうが、毎朝定時に行われています。主の一人で“元気な変調”でお馴染みのMKさんは、シーズンに関係なく毎朝8エリアやW西海岸とのRS交換をやられているので、コンディション確認の参考にさせて頂いています。しかもMKさんはバイクモービルです。丘の頂上付近までバイクでやってきて、後部キャリアに溶接した鉄パイプに収めた竿を延ばし自作のツェップANTを展開、今朝も7時台にロスアンジェルスと54/54 でQSOされていたみたいです。バイクモービルでこれだけアクティブにやっておられる方を他には存じ上げません。Twitterでコールサイン(JI1AME)を検索するとすぐに拾えます。この出で立ちですのでPから職質を受ける事もしばしば・・ww。機能は外気温2度という寒さでQRVされていました。“まさに体育会系アマチュア無線家”(w)であります。

赤羽橋から東京タワーを眺める

 さて昨日は月一の定期検診のため上京しました。芝赤羽橋横の病院です。東京タワーが素敵だったのパチリ・・・。HbA1cが8.2に上がっちゃいました。ここ数年7.5以下だったので油断していたかな? 空腹時血糖値も150台・・。そんなに暴飲暴食してないのになぁ。風邪気味でここ10日くらいラグビーのパス練をサボってますけど・・。関係ある?? 忘年会シーズンなのに嫌なニュースです。

 検診のあと、半年前まで世話になっていた赤坂の某放送局を訪ねました。間もなく定年を迎える友人2名と昼飯へ。数ヶ月来ないだけで町が少し変わっています。赤坂通には知らない飲食店が何軒もオープンしていました。局の前にあるツインタワーも間もなく取り壊されて再開発がスタートします。M地所系のインテリジェントビル群に生まれ変わるとのことで、オフィス・エンタメ・宿泊の複合エリアに生まれ変わる構想だそうですョ。古き赤坂を知っている者としては“ちょっぴり”寂しいですぅ。


クーガ No.7 ご出場

本機のサービスマニュアル

 お待たせしました。RF-877 Cougar No.7の修理が終わりました。同じ松下製のアマ機であるRJX-601と同時期に造られた製品です。回路図を眺めていると、そこかしこにRJX-601と共通の部品や回路構成が垣間見ることができます。どちからといえば、RJX-601の方がラジオよりと行った方がイイかも知れませんね。とは言え、このCougar No.7はプラス接地回路で組まれているのでベースは更に前の世代なのかな? RJX-601の方は、マイナス接地回路にプラス接地回路のAF部を継ぎ足した様な構成ですよね。SP端子のGND側にプラス電位が掛かっているのは有名な話です。すみません脱線しました。

 さて、本機のオーダー内容ですが、かなり多岐に渡っています。コンディションは正直なところ良いとは言えない状態でした。外装はロッドアンテナが二段目から先が欠損、端子類の表面に錆が出ています。溝にも大量の埃や樹脂が蓄積していました。内部については以下で説明します。ご依頼内容と診断結果から、以下のメニューで進めました。

  • 本機のロッドアンテナは特殊な構造のため代替品による交換は不可能です。 欠損部分以降の再建を試みましたが、2段目先端部分の内巻きがめくれており再建も困難と診断しました。 お客様側でドナー個体を入手して頂ければ、交換実施します。(今回未施工)
  • 電源SW、バンド切替SW、ローカル/DX切替SW、トーン、AFボリュームの接触不良を確認しました。 石油溶剤を注入、洗浄して症状を改善させましたが、カーボン剥離が進行中のため将来再発する可能性がございます。
  • ライトは機能していました。暗闇ではある程度効果があるものと存じます。照度改善のためには超高輝度LED化等が必要です。(今回未施工)
  • 電源ON時、0分で電源OFFとなりました。 電源OFF時、0分で電源ONとなりました。タイマースイッチは正常に機能していますが、ゼンマイが劣化してい るため動作が不安定です。(検査のみ)
  • 外装に附着した、埃・油脂について可能な限り除去しました。取り切れない部分がございますことご理解ください。
  • 半田面に多数のクラックがあり全て修復しました。その後、IFフルトラッキングを実施し感度、音質が改善しました。
  • プッシュボタンの樹脂部が膨張し、ケース穴と干渉して動きが鈍くなっています。シリコングリースを塗布していますが完全修復は困難です。“深押”しない様、気をつけてご使用下さい。
  • ダイヤル離調していました。局発周波数を調整してFM/SW/MWの両端周波数を合わせました。
  • 劣化部品の確認・交換。

 FM/SW/MWとも感度が回復し、ボリューム類も正常に機能するようになりました。特にMWはIFフィルタが完全に離調していたので相当音質が悪かったです。YouTubeでご確認頂けるとおり、かなり良い音を奏でております。電源ラインのケミコン二本は予防交換しました。容量はでているのですが、定期交換指定部品みたいです。(チェックあり)

 ロッドアンテナについては、是非ジャンク個体を入手してください。ヤフオク辺りに出回ってますので・・・。性能保証ができないため弊社で入手することができません。m(_ _)m

 2019/12/09: 施工前・施工後の写真が入れ替わっていました。修正済み。m(_ _)m

ダイヤルカバーの曇りが酷い・・
内部の埃堆積も多め
まずはお掃除から(写真が間違っていました)
クラック多数・・全体的に再半田処理
スイッチ・VR類はCAIGで洗浄必須 (埃堆積が酷い)
組み戻し(写真が間違っていました)

【ご依頼内容】

  1. ロッドアンテナ交換
  2. スイッチ類・ボリューム類の接触改善(接点洗浄)
  3. メーター照明機能確認
  4. タイマー機能確認
  5. 埃除去・油脂除去
  6. FM/SW 感度不足改善(調整)
  7. MW IFフィルタ離調調整
  8. ジャイロアンテナの機能確認
  9. ダイヤルインジケーション 離調調整
  10. その他

【工数】

 上記作業に工数3.0人日を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、報告書作成、その他の作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 中容量アルミ電解コンデンサ ×2
  • CAIG デオキシット D-5 少量
  • 3M シリコングリース 少量


作業再開

 SD1477が入手できませんでした。オーナー様にご了解を頂き、2SC2782で代替することにします。互換性のある現時点で入手可能な唯一の石です。SD1477は深圳のサプライヤで取り扱っているのですが、何れも“リファビッシュド”だそうです。半導体の場合、一度納入された品物をサプライヤが買い取って再販するケースが多いのですが、使用済み・未使用・修理済を含め、全て“リファビッシュド”扱いになります。信頼のおけるサプライヤの場合は予め“リファビッシュド”であることを告知しますが、その中身に関しては未知です。即ち実際装着してみないと使えるか使えないかは不明ということになります。弊社では“リファビッシュド”品は一切使いません。新品に限って引っ張っています。安かろうで・・で“リファビッシュド”を使って、問題がなければ良いのですが、PA部の電力素子の交換作業は工数が掛かります。ダメなら交換すれば良い・・という訳には行きません。当然ながらタイムロスも・・・。

 2SC2782はSD1477とほぼ同じスペックの石で、入力インピーダンスも一緒です。ただ、ややバイアスを深めに掛ける必要がありそうですね〜。両者のhfe値は一緒ですが、2SC2782は立ち上がり動作点がやや高めです。試行錯誤が必要ですね・・。今日一日掛かると思います。NFBの0.01µF×2は発振の恐れがあるので耐圧の大きいものに交換しました。

形状はドンピシャ!
SD1477撤去時に同時に外した部品も取付

 RF-877 のラインではIC-775DXⅡ、HL-200V/50が完了後にTR-9000Gの検査に着手します。もう金曜日かぁ! 

  • Aperture: ƒ/1.8
  • Camera: iPhone 8 Plus
  • Focal length: 3.99mm
  • ISO: 20
  • Shutter speed: 1/2315s

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