FT-847 診断終了 / TS-2000 ご出場【2019/11/21】
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おはようございます。今日も秋晴れの横浜、気温は平年並みです。今年になって始めて床暖を入れました。作業ラッシュにつき連続投稿です。
週末のお天気が心配です。土曜日は秩父宮で“早慶ラグビー”、日曜日は愚息のラグビー試合、月曜日はアンテナ交換・・・。雨が降らないことを祈るばかり。秩父宮でミニメジャレッズ(チアリーディング)に友人の娘がデビューするとのこと。その前に仕事を片付けますぅ!! かなりタイトです。
FT-847 診断終了
前に減力改造をやらせて頂いた個体だそうです。“430MHzだけ出力するが、HFから144MHzは全く出ない”とのことです。実に不思議な現象ですね〜〜。送信IFは全バンド共通だし、HF(50を含む)、144MHz、430MHzは独立したPA回路を通っているので、HFと144が同時に壊れるという現象自体は無きにしも非ずですが、未だかつて体験したことがありません。確かに430MHzだけは外付けRFメーターの針が振れます。144MHz以下については受信機を近づけても全く反応ナシです。送信IFが出ているかも疑わしい・・・。430MHzだけ出てくるというのは解せません。もしやと思い、430MHzの送信波を調べてみると、本機の周波数カウンターに表示される周波数では出力されていないことが判明しました。メーターが振れているのてっきり430MHzは正常に送信されているものだと思い込んでいました。470MHzの信号がそのまま出てきていることが判りました。IFミクサの故障かと思いきや違います・・。PLLから出てくるTXローカル信号が制御されずに400MHz台で固定されていることが判りました。RXローカルは正常にでており、VCOも正常に動作しています。TXローカル側に分岐された後、ICで周波数変換していますが、ここが壊れている様でベースのクロック周波数だけが出力されていました。完全にお手上げです。ロボットリフローで表面実装されたICですから、仮に部品が入手できても交換は不可能ですね〜。Assy交換が必須です。メーカーに問い合わせましたが在庫は無しとのことでした。誠に申し訳ありません。m(_ _)m
TS-2000 ご出場
こちらも修理不可の可能性が極めて高い案件でした。メーカーサービスで「修理不可」で返却された個体とのことです。当ラボではメーカー修理対応中の機種については原則お断りさせて頂いています。落雷による誘電障害の可能性が高い場合、修理範囲が広範に及ぶため工数が見えないばかりか、修理しても他が壊れてしまう可能性があるのです。その辺りをご理解頂いた上で作業させて頂く事としました。同業他社でも修理不可フラッグが揚がったみたいです。本機はHFから430MHzまで運用可能なタイプのTS-2000S。全バンド・全周波数とも送受信できない状態でした。FT-847と異なりローカル信号は周波数帯毎にステージ分けされています。ベースとなるリファレンス周波数は30MHz台で、こちらは正常に出力されていました。VCOのロック電圧も特に異常はなく全て規程値付近に収まっていました。よく見るとPLLとRFユニットを結ぶフラットケーブルに焦げた痕があります。導通を確認したところ、GNDに漏れ出ている箇所が確認できました。基板をひっくり返してみると案の定、焼けて炭化している箇所が確認できました。恐らく誘電障害により瞬間的に大電流が通過したものと思われます。幸いな事に素子やケミコン類に被害は及んでいない様です。これらを修復して、全PLL調整項目を最初からやりなおしたところ、全バンド・全周波数・全モードで送受が可能となりました。正直なところ直せる自信はありませんでした。(汗)
作業に夢中になりすぎたため肝心の箇所の写真を失念してしまいました。動作状態は動画でご確認ください。施工後、8時間経過しましたが送受基本動作は全て正常です。
【ご依頼内容】
- 落雷に起因する故障(送受不可)
以上について修理を承りました。
【工数】
上記作業に工数4.0人日を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、報告書作成、その他作業を含む)
【交換部品・使用ケミカル剤など】
- 8pinフラットケーブル ×1
- 13pin フラットケーブル×1(12pin用にカットして代用)
- 基板修復レジスタコート 少量
今日はFT-1000MPとMarkV の平行作業です!
- Aperture: ƒ/1.8
- Camera: iPhone 8 Plus
- Focal length: 3.99mm
- ISO: 100
- Shutter speed: 1/13s