TS-940 ご出場【2019/11/20】

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 おはようございます。秋晴れの横浜地方であります。庭の片隅に植えたブルーベリーが実を付け始めました。アンテナが折れたまんまです。週末までもつのか心配です。

ナガラ 着荷!

 後ろ髪を引かれる気分でありますが、今回はデルタループを卒業することにしました。性能は申し分ありませんし、何と言ってもノイズに強かった! 当地は電気自動車を所有されているご家庭が多く、充放電ケーブル接続時のノイズがローバンド帯を埋め尽くしています。ダイポールにしたらどうなるのか心配ではありますが、個人的には14MHz・21MHz・50MHzに出られればOK。WARCは花桃の丘から出ることにします。巨大なシャモジの様な物体が屋根の上に乗っているので近隣の皆様もさぞ気になっておられたことでしょう。ロータリーダイポールで大人しく続けます。

 昨日ポチったTV-416Jが早々に届きました。近々MKさんに手伝ってもらってセットします。


ご出場

 周波数カウンターがブラックアウト、受信音も聞こえないそうです。送信もできないとなるとPLL故障が濃厚です。ハイっ、案の定VCOアンロックが発生していました。フィルタが経年で離調してしまう症状です。バリキャップ交換とると更に厄介でしたね。PLL1のハイ側が規程の8Vから大きく離調しています。AVR側の電圧設定も狂っていました。PLL2側も同様に離調しています。これらを規定値内に調整したところ、ゼネカバを含む全バンド・全周波数でPLLが戻りました。送受信ともOKです。VCOフィルタのコアが少々緩んでいます。蝋を流し込みましたが、振動などで再び離調しなければ良いのですが・・・。出場ご輸送中にズレて再入場なんてケースが希にあります。汗

 総合調整は後回しにして、二つ目のオーダーである電池交換を実施しました。「オヤ? サブディスプレイに時計が表示されないぞ?」電池枯渇のせいでしょうか・・・。作業前に電圧を測ったところ規程3.0Vのところ、2.8V出ています。う〜む、まだ電池残量はありそうですが、オーナー様のご指示ですので交換実施させて頂きました。2.8Vでも目減りが始まっているということは、この先どんどん残量が少なくなると思われます。羽根付きのリチウム電池で交換させて頂くことにしました。メモリを確認したところゼネカバ(中波帯の放送波)が保存されていましたので、プロセッサ側に別の新品電池を繋ぎバックアップした状態で電池交換を実施しました。ケンウッド製の無線機の場合はあまり気にする必要もありませんが、アイコムの一部の無線機ではバックアップ電池を取り外して放置してしまうと、プロセッサのパラメータが消えてしまい起動できなくなることがあります。バックアップ電池交換の際はお気を付け下さい。さて、電池は交換したものの時計は相変わらず表示されません。VBTの動作状況をインジケーションする機能なども使えませんでした。

 動画撮影後、プロセッサ横のリセットスイッチを10秒ほど長押ししてみたところ、TRIO-KENWOOD(初期メニュー)が表示され、サブディスプレイ機能が回復しました。電池交換前から発生していたので原因は不明です。取りあえず由としましょう。

 続いて総合調整に移りました。30dBµVを入れるとS7〜S8程度の振りでした。特に感度低下などは感じませんが、一通りトラッキングすることにします。また、例のFETは正しい方向に装着されています。IFをフルトラキングしたところメーター読みで1目盛り分感度改善しました。先程の振れがS9まで上昇しています。SSGで感度を確認したところ、-140dBm(測定限界)でかなりハッキリと聞こえます。ここまで感度の良いTS-940は初めてです。送信側は特に離調はありませんが、規程値出力となるようにALCなどを調整しました。

PLLは調整で修復できた
バッテリーは2.8Vあるが時計が表示されない
交換前の電池
別の新品電池でプロセッサをバックアップ
交換後
サブディスプレイ機能復活
時計も動いてる
グラフ表示も回復

【ご依頼内容】

  1. 周波数カウンタ・ブラックアウト
  2. AF出力しない(送受不能)
  3. バックアップ電池交換
  4. 総合点検・調整

 以上について作業を承りました。

【工数】

 上記作業に工数3.0人日を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、報告書作成、その他の作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • CR2450 羽根付き リチウム電池 ×1

※ アンテナチューナーが動きませんでした。こちらは詳細検査はしておりません。

  • Aperture: ƒ/1.8
  • Camera: iPhone 8 Plus
  • Focal length: 3.99mm
  • ISO: 100
  • Shutter speed: 1/15s

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3 Responses to "TS-940 ご出場【2019/11/20】"
  1. 小生が入手したTS940は二個とも白粉を噴いてゼロボルトでした。取り替えた所、サブディスプレイ及び、メモリーも使えるようになりました。CPUボード側はZ80A乗っていて驚きました。EP-ROMが刺さっていて、抜いて逆アセンブルしたい衝動に駆られましたが、もはやツールも有りません。 交換ちゅうのバックアップは要らないみたいでした。

    • はい、ケンウッド機はまず大丈夫かと思います。・・・が、代金を頂いて作業しておりますので、念には念をいれております。汗汗

  2. BVX様、「見える修理」が素人の小生には非常にありがたいです。TS-940Sですが、先日 SWR[無限大。ALC振り切れで突然送信できなくなり、あれこれ調べると送受切り替えのR135が断線していました。ついでにD44も替えても復活でした。

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