FL-2100Z ご出場 / FT-847 ご出場【2019/10/17】
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こんにちは。曇り空の横浜は気温も低めです。日が経つに毎に台風19号の被害状況が明らかになってきました。

今朝は二子玉川の本社に来ました。弊社が入っている rise 周辺は水も引き停電も解消されていますが、第三京浜付近は丸子川が溢れ、住宅や病院に被害が出ています。多摩川と丸子川に挟まれる最も低い場所に被害が広がっているようです。弊社のデリバリーをお願いしているヤマト運輸さんも着集荷が大幅に遅れている様です。弊社社員宅がある玉堤や田園調布5丁目付近も多摩川の樋門を閉ざされた丸子川が氾濫して大変なことになっているようです。ニュースで度々報道されている武蔵小杉のタワーマンションに住む社員は、停電が解消されるのは数週間先になると管理会社から通知されたそうです。彼の家は11Fにありエレベーターが使えず地獄の様だと話していました。早く平穏な生活に戻して欲しい。週末に再び大雨が降るとの予報です。汗
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FL-2100Z ご出場
電源を入れるとヒューズが瞬断するという恐ろしい状況です。まずトランスのタップ位置が間違っていました。これが故障の原因ではないと思いますけど・・・。故障は真空管ハウスのセーフティーSWの抵抗焼損と、2400Vラインの倍電圧整流回路の抵抗焼損が原因でした。恐らく真空管ハウスの蓋を開けた状態で電源をONにされたのではないかと思います。本機にはACラインと高圧2400VラインにセーフティーSWが装着されていますが、真空管ハウスの網蓋を開放した状態で電源を入れると、セーフティーSWを介して2400VがGNDに落ちる仕組みです。当然、ヒューズも飛びます。ヒューズが溶断するまでの極僅かな間、高圧・大電流が流れますので、間の整流回路も壊してしまうケースが多々あります。今回は10個整流ダイオードにパラで繫がっている10本の470KΩ抵抗のうち、9本が故障していました。これらを交換したところ、ヒューズ瞬断は直りました。高圧部の検査は少々面倒でして、今時の弱電屋が常用するテスターでは使い物になりません。高圧プローブを挿しても精々1200Vが限界です。どの様に2400Vという高電圧を測るかというと、倍電圧回路のブロックコンの電圧を全て測定して掛け算するやり方です。笑 6本のブロックコンは誤差はあるものの、概ね400Vありました。×6で2400Vとなりますめね。結構神経使います・・・。汗
修理後、動作確認をすべくエキサイタを繋いで送信を試みましたが様子がヘンです。受信状態なのに僅かにIPが流れています。まさか・・・。送信状態にしても全くIPが変化しません。GRID電圧を測ってみると、受信時に-48V( 定格上-50V)掛かっていました。送信時には-2.5Vまで上がります。バイアス回路は正常に動作している様ですね〜。プレートには前述のとおり2400Vが掛かっています。572Bのフィラメントは点灯していますし・・。やはり漏れてました。572Bは交換必至です。オーナー様とご相談させて頂いた結果、真空管はご自身で交換されるとのこと。こちらの修理はご依頼範囲までとしました。
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【ご依頼内容】
電源を入れるとヒューズが瞬断する
以上について修理を承りました。
【工数】
上記作業に3人日を要しました。(故障箇所特定、調達、交換、調整、検証、報告書作成、その他を含む)
【交換部品・使用ケミカル剤など】
- R1 47KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R101 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R102 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R103 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R104 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R105 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R106 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R108 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R109 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
- R110 470KΩ 酸化金属皮膜抵抗 3W
※都合により動画撮影は割愛させて頂きます。
FT-847 ご出場
こちらは定番の減力改造です。周波数拡張未施工の固体ですので、施工後の調整点が異なりますが、特に問題はありません。HFから50MHzまで、100Wから50Wへ減力化を完了しました。
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施工順番の変更について
台風19号の影響により、着荷(入場)の順番が入れ替わっています。ご理解の程、お願い申し上げます。m(_ _)m