TS-690S ご出場 / FT-101E ご入場 【2019/10/08】

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 お疲れさまです。また大きな台風が近づいてきました。週末は荒れそうですね〜。ラグビーもアンテナも心配です。AMEさ〜〜〜ん、助けて〜〜〜!!

 先月から俄に仕事が立て込んでいます。約半年間お休みしていた浅利さんが現場復帰することになりました。腰の調子は良いとのことです。ww 2ライン稼働できるとやはり仕事ペースがあがります。中継技術の技術者派遣もリスタートするタイミングなので感謝感激! アマ機の修理も40日の待ち時間が一気に20日に短縮できそうです。キャンセル分もあるので急遽日程の再調整を行っています。お待ち頂いているお客様に前倒しのご案内も差し上げているところです。やはり無線機は早く直して欲しいですよね。冒頭でも触れましたが、今週末は再び大荒れになりそう・・。台風が一直線に関東に向かってきます。ローカルOMにお願いしてアンテナを降ろさねば・・。そうそう観艦式も心配ですね。

ご光臨

 修理ではありません。DJ-G7に続くJG1BVX所有の最新リグ(受信機)です。アルインコの受信専用機の購入はDJ-X10以来ですので、かれこれ20年ぶりくらいでしょうか。筐体はDJ-G7と共通でPTTボタンもそのままです。何故気になったかと言うと、型式に“A”が付く本機にはAGCが搭載されているからです。これは短波受信時にも威力発揮しそうです。RFゲインとATT、更にAUDIO設定(高域カット)を駆使することで、7MHz帯のLSB交信を、混信を避けながら見事に聴くことができました。本機はIQ信号が取り出せるので、PCに取り込めばSDR受信機になります。ポータブル・デスクトップ機とうたっているだけあって、充電用クレードルに挿した状態でクレードル後ろのUSB端子をPCに繋げばリモートも可能です。まぁ使う機会は無いでしょう・・・。何より受信性能が素晴らしい! スペックには現れていない性能、使い勝手の良さを感じさせられる一台ですね。

 先に購入したDJ-G7と並べるとそっくりなのがわかります。筐体は共通ですが、DJ-X11Aはバッテリー経由でUSB(シリアル通信)接続するため、DJ-G7のバッテリーとは互換性がありません。(実際に装着することもできない) 仕事で航空保安施設関係のメンテナンスを行う事があり、AGC付きは非常に重宝しますぅ。空中線調整の際に従来のハンディ機だと設備の直下では飽和してしまうため、まともにモニターができません。144MHz AMで実験してみましたが、しっかりAGCが効いていました。鉄道無線もデジタル化が進んでいるので、この手の受信機の主用途はAMのエアバンド受信中心になってゆくのは確かで、オマケ的な存在だったAMをキッチリ聞けるハンディー機はユーザーに歓迎されるでしょうね。

 因みに300MHz台の受信感度をDJ-G7と比較しました。同じアンテナ(コメット AB-35SW)を使用してもDJ-G7では微かに聞こえる程度の復調レベルなのに対して、DJ-X11Aはフルスケールで入って来ます。アマ機は用途が異なるので、この周波数の感度低下は致し方ないところですね。TH-D74と諸元比較すると、短波帯の感度差ではDJ-X11Aが圧勝。但し、TH-D74にはSSB、CW用のIFフィルター(DSP)が付いていてますが、DJ-X11Aは前述の高域カットフィルタだけです。3KHz/500Hzの帯域フィルタをDSPに上書き(ファームウェア更新)できないものか・・。アルインコさんお願いします。m(_ _)m 

7MHz LSB 受信中 HF機並の受信性能
20km先の厚木TWR320.400MHzがホイップアンテナでS9入感
兄弟機のDJ-G7 型番を除けば見分けが付かない
コメット AB-35SW

 以下、仕事のご報告に移ります。


ご出場

 総合点検・調整でお預かりしました。外装もキレイで概ね良好の個体です。以下の不具合を確認しました。

  1. 受信感度離調
  2. 50MHzの送信異常

 1についてはIFトラッキングで解決しました。-140dBmで信号復調が確認できるレベルなので優秀です。2ついては少々厄介な症状です。送信出力自体は48W出ているのでOKですが、変調がガサガサします。AMモードにすると明らかにハムノイズが沢山のっていました。スペアナで観ると近傍にいっぱいスジが立ち上がっています。SSBで変調を入れると70%程度以上の出力になると、マイクゲインをゼロに絞った後もピーク出力が出ています。SSBですからキャリアはありせん。回り込みによる発振でしょうか・・・・。

 本機は50MHzの最大出力が50Wの為、HFの増幅回路と分離しています。50MHzも100Wで設計していれば、HFと共通のRF回路を使っているはずですが、本機の場合は前述の事情から2SC2879がプッシュプルで2セット搭載されています。ナント贅沢な・・・。HFと50MHzが回路共有されていれば同じコストで200W機が作れたことになりますね〜〜。

 すみません脱線しました。話を戻します。50MHzのRF出力は一旦HFのPAユニットに入った後、リレーで分岐して50MHz専用の10Wアンプに入ります。(10W機の場合はここがファイナルになる)その後ろに2SC2879のプッシュプルアンプが付いていて、出力はLPFを介してアンテナ端子に出てきます。

 10Wアンプと50Wアンプを切り離して、10W出力を終端電力計とカップラを介してスペアナに繋いでテストしたところ、上記の様な症状は出現せず、変調もキレイになりました。やはり50Wアンプに繋いで送信状態にすると35W付近から発振することがわかりました。最初は回り込みを疑い、ジャンパ類にクランプコアを付けてみたりしましたが全く変化はありません。50Wアンプを本体から切り離して、別のリグ(KX3)をエキサイタにしてテストしたところ、同じように症状が出ました。2SC2879の不調か周辺のコンデンサ劣化(最悪、基板の炭化劣化?)を疑います。この先の作業に入ると工数超過になってしまいます。不具合は50MHzの50Wアンプ使用時に限られるためオーナー様とお打合せして「10Wアンプの出力をLPFに直結する(10W機仕様にする)」こととしました。2SC2879は非常に高価な石ですし発振原因が基板炭化劣化の場合 +3人日では収まりません。良好コンディションのTS-690S中古機が買えちゃいますね。オーナー様は賢明な選択をなされたと存じます。逆に50Wは固定で使用するに中途半端ですから、10Wエキサイタで大きめのリニアを軽くドライブするのもイイですね。※ 検査結果の詳細は工事証明書に記載させて頂きました。

HF側PA ここから50MHzは分岐
LPFの入力側では盛大に信号が乱れていた
50MHz専用の50Wアンプ 発振源はファイナル周辺と断定
PAへの電源・ALCケーブルをカット 1oW → LPF直結
受信感度は合格点!
14MHz 最大出力
3.5MHz 最大出力
21MHz 最大出力
28MHz 最大出力
50MHz のみ 10W機化

【ご依頼内容】

  1. 総合点検・調整

以上について作業を承りました。

【工数】

上記作業に工数1.5人日を要しました。(故障箇所特定、調整、検証、報告書作成、その他の作業を含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

ナシ

※ 工数1.5人日未満の軽微な作業につき、動画撮影は省略しました。


ご入場

 比較的にキレイな個体です。何年か前に弊社で整備させて頂きました。時々ランプが暗くなる他、ローバンドでプリセレクタが送受で離調してしまったとのことです。前回(2017年7月)のカルテを見る限りではキッチリ調整しているのですが、やはりオールドリグは最低でも2年に一度程度の総合点検は必須です。当時のリグは新品でも定期的な調整が必須でしたので、致し方有りません。中も数年で立つと埃堆積が目立ちますね。前回レベルには戻したいと思います。ご期待下さい!! 

 アフターサービスのプログラムも始まりましたので、当ラボご利用のオーナー様は是非是非ご相談下さい。納品2年以内の総合点検なら最大1.5人日で承っております。

パネルもだいぶ埃を被っている・・
今のところ症状はみられないが・・
2年でだいぶ汚れた感じが
前回交換を見送った高圧ブロックコン
PROC、RFユニット周辺も手入れします
こちらも着脱して整備します

 今日はここまで!!

 

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