FT-897M ご出場 / FT-900 修理中止【2019/09/12】
by
おはようございます。雲の間から青空が見え隠れする空模様の横浜です。午前3時過ぎまでラボワークでし。眠い。。。。 ブログを書き書き終えたら少し寝ます。
週末の台風の影響がまだ続いていますね〜。千葉では今日現在35万戸が停電しています。こちら神奈川も鎌倉市・逗子市・葉山町で停電が続いていました。東電さんも他社からの応援を含む1万人体制で復旧を急いでいるとのこと、こちらのノイズ対策云々は暫くお預けですね。こちらの案件など、チョー暇な時に対応してくれればOKです。
昨日は午後からHFが賑やかでした。お昼過ぎにEsが発生しハイバンドが賑やかでした。アンテナ再構築の直後だったのでワクワク♪♪です。仕事の合間に10局ほどQSOさせて頂きました。夕方には50MHzもオープン、空電ノイズをともないながらでしたが、4エリア、6エリアの6局と繫がりました。9月なのに珍しいですね〜〜。
ところで、再構築後のデルタループですが絶好調であります。カラスが“ブランコ”したせいで、竿のロッドが一段落ちてしまい急遽修正しました。ついでに、AMEさんと心配していた単管ジョイントも交換しました。フィーダーの固定を解いてブラブラ状態にしたところ、SWR=2.0止まりだった24MHzもしっかり同調するようになりました。フィーダー部の引き回しには一工夫必要かもしれません。G5RVでもフィーダーは金属構造物から離すことが重要とされているので当然でしょう。半ば諦めていた3.5MHzが大幅に改善、8、7、5、6の各局と繫がりました。久しぶりにQSLカードを書いています。笑
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
FT-897M ご出場
全バンドでパワーが上がらない旧技適の897Mをお預かりしました。例によってドライバ段のMosFET故障です。FT-857やFT-817でも経験している修理作業ですが、この2SK2975の交換は一筋縄ではゆきません。比較的に広い面積の表面実装部品で、半田槽ドボンで溶接されており半田コテによる着脱は困難です。基板がヒートシンクになっているため、裏面の金属部がガッチリ溶接されているのです。通常、この手の部品を着脱する際はマスク着用でバーナー処理するのですが、付近にリレーやコイルなど樹脂を多用する部品が隣接しているためNGです。少々手荒ですが、センターポンチで粉砕しながら少しずつ除去するしか術がありません。この作業には数時間を要します。撤去後は溶接部をフラットに整える必要があるため、カッターで削り出します。真っ平らにしないと新品部品が載りません。この作業に終日要しました。施工面の周りに半田コブが広がっていますが、フラックス、低温低温融解半田を多用しながらの作業の為、半田のノリが悪くなっています。本来ならAssy交換となる修理なので、こちらはご了承ください。施工後、Idqを規程値に調整して、HF〜144MHzで50W、430MHzで18Wの最大出力を確認しています。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
【ご依頼内容】
- 全バンドで送信出力が低下
以上について修理を承りました。
【工数】
上記作業に工数3.0人日を要しました。(故障箇所診断・調達・交換・調整・検証・報告書作成・荷解き/梱包などを含む)
【交換部品・使用ケミカル剤など】
- 2SK2975 ×2個
- レジストコート剤
- 低温融解半田(部品除去用)
- その他
余談ですが、本個体はSメーター感度が高すぎです。FT-897はDSPでSメーターを制御しているため、裏メニューでソフトウェア設定する必要がありますが、何故か規程のコマンド(A+B+C+電源ON 長押し)を受け付けません。一部のロットでコマンドが変更されている様です。バンッと振り切れるとAGCが下がるまで暫くフルスケールを表示してしまいますが、受信そのものには影響はないようです。AGCもSLOW/FASTで正常に切替られました。ご依頼箇所ではないので取りあえずそのままですが、裏メニューに入れないとなると調整できません。悪しからず・・・。(>_<)
FT-900 修理中止
こちらはハイバンド側でパワーが低下している個体です。ドライバ段2SC3133(プッシュプル)の片側付近の基板に焼損痕を確認しました。L4002(RFC)にも焼け爛れた痕が残っています。焼けた基板は一部が炭化して導通していました。基板の中層がどの様な状態になっておいるか確認できませんが、容量性の反応が出ている可能性が否めません。この状態ですと、表面部分の炭化部を除去しても、中層に残った炭化部がコンデンサの様になり発振を誘発します。誠に残念ですが「修理を中断」させて頂きました。
![]() |
![]() |
FT-401Dの作業に戻ります・・・