IC-706MkⅡ ご出場【2019/07/11】

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 おはようございます。そろそろ梅雨明けしてもよさそうな時期ですよね〜〜。相変わらずハッキリしないお天気が続く横浜であります。何だか“電波の空”もハッキリしません・・・。

 昨日は(も)イブニング帯に「丘」に登りました。カワサキCH101さんに触発され(笑)“ピコ6”(ズホ通信 MX-6S)を持ち出したんですけど、流石に平日夕方は何にも受信出来ませんでした。(>_<) 6m機持参で当地に立つのは初めてですが、拙宅とは比較にならないほどノイズレベルが低いです。拙宅はこの丘から目視可能な一山先の頂上付近(標高は“花桃”がやや低い)です。やはり住宅街はノイズだらけなのです。11m機に持ち替えてみましたが、こちらも全く聞こえません。お馴染みの“Esチェッカー”CH-580からチクタクが聞こえないっ!! 今シーズン、コンディションが落ち込んでもチクタクが全く聞こえない日はありませんでした。そういえば仕事中に修理機に外部ANTを繋いで受信チェックした際にも全バンド静まりかえっていたなぁ。梅雨明けとともに“電波の夏”もさりぬ・・か。

 7月に入ってから殆どエアコン付けてません。梅雨が明けたらアンテナを3m上げようと思っているんですけどね〜。その頃にはコンディション↓↓↓・・・トホホ

ラボから車で2分(徒歩15分)
ピコ6と共に丘に登ったが・・

IC-706MkⅡ 減力改造 完了

 100W機からの減力改造を承りました。いつものルーチンかと思いきや、少々様子がヘンです・・・。お預かり時に”Power Level 5”にセットされていたので”H”(フル)に変更して送信したところ、いきなりシャットダウンが掛かりました。どうやら”Level 6″ 以上で全バンドとも同じ症状がでます。外装コンディションが良好なのですが、何とも残念なところから出発となりました。間違いなくプロテクション動作が介入しています。サーキット・ディスクリプションによると複数のプロテクションモードがあるようです。その中の“Hi SWR mode”ではないかと睨みました。消去方で考えると、”Over Current” “Hi Temperature” などは除外できました。PA出力の出口付近に進行波・反射波の検波部(カップラ)があります。そこからフィードバックされる電流値によってALCやメーターが作動しているわけですが、反射波ラインを遮断するとシャットダウンは発生しません。整流ダイオードが故障した場合、そもそもDCが出力されません。ディテクタ(カップラ)付近に何らかのトラブルがあると睨みました。SWR Detector ADJのトリマーを小突くと、出力が変化することがわかりました。摺板が緩んでグラグラになっています。代替部品を探しましたが、使用可能なものは入手困難です。一か八かで、トリマー本体をコテ(低温)で暖めながら摺板を上から押さえたところ、グラツキが解消され容量値が安定しました。この状態でサービスマニュアルに記載されている方法に沿って調整したところ、シャットダウンが起こらなくなりました。取りあえず、減力作業に掛かれそうです。

本題の作業へ

 本機は旧型のIC-706と異なり、50W減力の為のSWが搭載されていません。これらの改造に関しては原則SWを撤去して常時50Wとなるように施工する必要がありますが、本機の場合は、ALC調整半固定VRの定数変更が必須となります。しかしながら当該部品は入手困難で、メーカーにも在庫がありません。HFと50MHzにそれぞれ半固定VRがあるので、それぞれの定数を並列抵抗追加によって変更する必要があります。この半固定VRは表面実装タイプの極小ポテンショメーターですが、それぞれ端子を跨ぐ形で固定抵抗を半田付けします。通常部品でもチップ抵抗でも構いませんが、ガッチリ半田付けする必要があります。弊社では1/4Wの通常部品で施工しています。施工後は、Power Level “H”にて、RTTYで50Wになるよう調整。その後、裏メニューから “Set up” を起動して、Power Meterの校正を実施して作業完了です。施工箇所の工事証明を付けてお戻しします。小さくて操作性の良いリグですね。末永くお使いください。

プロテクションモードに関係する場所は・・・
ここです ↑↑
ALC調整 VR
二箇所に固定抵抗を追加
メーター校正前
メーター校正後
3.5MHz 50W
7MHz 50W
14MHz 50W
21MHz 50W
29MHz 50W
50MHz 50W

【ご依頼内容】

  1. IC-760MkⅡ 100W機の50W化減力改造

以上について承りました。

【工数】

規程のセット工数に加え、故障箇所診断・修理施工に0.8人日を要しました。(2.8人日相当)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 酸化金属被膜抵抗 1/4W ×2個


その他の進捗

 Mark V Filedについて

 只今部品調達中です。海外(今回はヨーロッパ)から来ますので少々お時間を頂戴します。作業再開まで暫くおまちください。

リニアアンプ接続ケーブル(8本)

 オーダー本数が5本から8本に変更になりました。こちらも部材が不足しています。調達まで少々お待ちください。

TS-820S、TS-780、その他

 本日診断作業に入ります。

 都度投稿によるご報告は以上です。次の進捗は報告は、週明け月曜日になる見込みです。皆様良い週末をお過ごしください。

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2 Responses to "IC-706MkⅡ ご出場【2019/07/11】"
  1. FT-1000MP1ヶ月出張から帰って来てパワーonしたら電源が入らず起動しません?
    修理できるんでしょうか?

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