FT-1000MP ご入場+ご出場【2019/07/09】

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 おはようございます。相変わらずの天気があと10日は続くとの予報が出ている横浜であります。昨日の午後は少しだけ青空が見えたのですが、ほんの束の間でした。

修理完了

 イキナリ本題です。平行作業中の案件が先にC/Oです。申し訳ございません。Mark Vと表記していましたがFT-1000MPの間違いでした。ご入場中の  Fieldとほぼ同一機種になります。以下のご相談を頂戴しておりました。

フロントパネルのスイッチ類が全て操作を受け付けない

送受切替が不安定??

 前者については先日フロント陥没したMark Vでも似た事象を確認していたので一瞬ゾッとしたのですが、Fastボタンのみ機能とのコメントアウトが救いになりました。汗 ロジック回路の制御エラーの多くはVDD電圧の降下、若しくはユニット間を繋ぐフラットケーブルの接触不良です。本機の場合、各スイッチユニットと制御回路が収められているDisplayユニットはフロントパネルに装着されているため、何らかの理由でフロントパネルを開け閉めしたとしても、スイッチ類とロジック回路を結ぶジャンパは基板の裏側から回り込んでいるため、一度に全て不動になるような接触不良は起こり難く、消去方的に直ちに除外となりました。そうなると、ロジック回路自体の生存確認が必要になるわけです。手っ取り早い方法はCAT端子からロジックを操作できるか否かということになります。本機は昨今のテキストデータ(ASCII)ではなく、Hexコード(16進)を採用しているため、これらを扱えるターミナルソフトが必要になります。OSXでは “SerialTerminal”が使えます。メーカー頒布のCATコマンドを打ち込んでもボタン系操作は反応しませんでした。・・となると、やはりロジックの動作不良となります。最後の頼みは、VDD電圧異常です。これが正常に出ているとなると完全にお手上げでした。

7805の出力電圧が低すぎる・・・

 Displayユニットの回路図を確認したところ、全てのプロセッサは7805から供給される5Vによって駆動していることがわかりました。ライン上のケミコン類は10µFが数個あるだけで、ケミコン故障由来の電圧降下は考え難く、ピンポイントに7805の動作不良を疑いました。まずOut側のピンを浮かせた状態で、5VラインのGND抵抗を測定したところ、とくに問題はなさそうです。外部電源から5Vを印加したところ、全ボタンが正常に動作しました。入力側の電位が正常なので7805の故障と断定、交換したところ全操作が可能となりました。3端子レギュレーターは入出力前後にあるコンデンサの故障に起因して動作が不安定になるケースが多いため、10µF×2については予防交換しています。いずれにせよ何らかの高負荷がレギュレーターを壊してしまった様ですね。後期ロッドでは78M05が使用されている様ですので、在庫のあるこちらのレギュレーターでリプレイスさせて頂きました。消費電流的にも問題ないと思います。

変調が乗らない!!!!

 動作可能状態になったので一通りテストしました。送受切替はPTT操作、MOS操作、CWキーダウンとも正常に行えました。ところが変調が乗りません。マイクアンプでも壊れているのでしょうか・・・。PATCH端子にAFジェネレーターを繋いだところ、各モードとも正常に変調が乗りました。????? 回路を見ると、フロントのマイク端子(8番ピン)とPATCHはスイッチなど介さず、インピーダンス整合用の抵抗のみで直接繫がっています。(即ち直結状態) マイク入力だけAFが通らないとうことは、ジャンパ線でも抜けているのか?? 作業時に抜き差した箇所はDisplayユニット上のコネクタだけです。経路を確認すると、マイク端子=Displayユニット=AFユニットと引き回されています。PATCHからの信号はAFユニット上で一緒になります。AFユニットのマイクラインのコネクタにAFジェネレーターを繋いだところ正常に変調が掛かりました。続いて、Diplayユニットとマイク端子を繋ぐ側のコネクタを外して、Displayユニットに直接信号を入力したところ、やはり正常に変調が掛かりました。“マイク端子=Displayユニット間のジャンパが断線しているのか???” マイクコネクタ裏の8番ピンは正常に半田付けされていて、ジャンパも導通しています。何が何だか解らなくなってきました・・・。なんと、マイクGNDの7番ピンに繫がっているはずのジャンパ側マイクGNDが1番ピン(UP操作)に半田付けされているではありませんかぁ!!! フロントパネルの着脱についてはオーナー様よりご申告頂いておりましたが、全く関係の無いマイク端子については未確認でした。流石にこの状態ではマイクは機能しません。1番ピンから7番ピンに半田付けし直して作業完了です。ふと思ったのですが、レギュレーターの故障は、もしかするとこのマイクピンアサインの間違いに起因するものかもしれません。マイクについているUP/DOWNなどの操作はプッシュスイッチで論理回路を短絡させて行います。即ちここには常に5Vが掛かっています。ここがMicGNDに落ちていたと云うことは、常時短絡されている状態となりますね。ロジック回路はLSIの中にあります。ココが壊れていたら修理不可能でした。早期に直せて本当に良かったです。

送受切替の不良について

 送受切替の異常については事象確認に至っておりません。

Displayユニットの不具合?
プロッセサのVDDが4.2V・・ちょっと低いかな??
78M05の故障
マイク端子のUP操作(1番)にMicGNDが繫がっているぞ!!(5V常時短絡状態)
1番から7番に付け替え
修理完了!!

【ご依頼内容】

  • Fastスイッチを除く一切のパネル操作が不能
  • 送受切替が不安定(未確認)
  • 変調が乗らない(弊社にて確認)

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数3.0人日を要しました。(故障箇所診断・調達・交換・調整・検証・報告書作成などを含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 7805の代替として、78M05(後期ロッド規程補修部品)×1個
  • 10µF / 10V 表面実装アルミ電解コンデンサ ×2個


本日のレポートはここまで・・。

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