LS-602 ご出場 / FT-920 ご出場【2019/06/26】
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梅雨の中日です。朝から蒸し暑い横浜です。明日以降は大荒れのお天気が予想されますが、週末は静岡県下田市へ出掛ける予定でして、天気予報に釘付けの小生であります。トホホ
ECUのコーディングにチャレンジ
電気もコンピュータも専門分野でありますが、クルマのECUについては正直なところ門外漢です。特に最近のクルマはエンジンだけでなく、ナビやコンフォートアクセス系など全ての電装部品をECUで集中制御しています。かつてECUチューニングといえばエンジンの点火マッピングを書き換えたりすること意味していましたが、昨今は制御可能な電装部品の動作自体をカスタマイズするという新たなカテゴリが生まれました。特にBMWの場合、純正ナビのiDriveを始め、各ディスプレイに表示されるメニュー、ドアミラーの開閉タイムラグ調整など様々な電装品をECUが集中管理でしています。それらのパラメーターを弄ることで、出来ないはずのことが出来るようになってしまうんですね〜〜。勿論ディーラーさんは「絶対やめて〜〜〜!!」と言います。(汗) 最近のBMWもOBDポートを介してECUにアクセスしますが、DMEもこのポートから弄れるためリスクが高いのは確かですね。E系からF系に乗り換えた直後から気にはなっていたのですが、ショップに頼むと諭吉先生が何枚も飛んで行くし、ディーラー入庫でリセット(最新ファームにアプデ)されてしまう可能性も大きい・・・。となると、その都度ショップでコーディングし直してもらう羽目に・・・。そんな訳で中々足を踏み入れられなかった世界です。何とか自分でコーディングできないかと漁っていたら、Studieさんが“BREX CODE PHANTOM”なるツールを取り扱っているではありませんか!!。OBDポートとスマホをBluetoothで繋いでアプリでコーディングするというものです。単にシリアル通信するだけのI/Fにしては38,000円は値がはるなぁと感じ、ネットで漁ってみたところAmazonに“Vgate iCar Pro BLE 4.0”(以下にリンク)なる商品を見付けました。同様のI/Fですが、こちらは6,800円と安価です。確かに“安かろう・・”はリスキーではりますが、ネット上の評判は上々でした。どちらかというと重要なのはアプリの方です。ドイツの方が開発された“Bimmer Code”というソフトをAPPストアからダウンロードしました。Webページにはとても細かく書かれているほか、不安材料を払拭するような記述も多々あり、安心して使えそうです。フリー版ではECUデータの読み取りしかできませんが、これで大体のイメージが掴めました。実際にコーディング(上書き)を行う際にはPro版(3,800円)が必要になります。何れもAPPストアからダウンロードできます。“BREX CODE PHANTOM”の名誉の為に補足しますが、Studieさんでしっかりサポートが受けられるメリット忘れてはイケません。絶対に価格なりの安心が得られるはずです。
まず鉄板のメニューからコーディング開始

“Vgate iCar Pro BLE 4.0”をAmazonで注文しました。こちらはPrime対象で発注翌日に着荷しました。“Bimmer Code”はDL済なので、取り説のPDFを読みながら設定開始です。iPhoneを機内モードにしてBluetoothのみをアクティブにします。クルマのイグニションSWを押してiDriveを起動させます。この状態でOBDポートに“Vgate iCar Pro BLE 4.0”を装着します。LEDが点灯してI/Fが動作し始めたことを確認。アプリを起動してクルマの種類を選択しECUのデータを読み込みます。まずはデータのバックアップを即されるので従います。実はこの作業とても重要でして、元々存在しない機能拡張やパラメーターを書き込んだ際に元のデータが消失してしまうと、オリジナル状態に戻せなくなる可能性があるのです。因みアプリをiPhoneから削除するとバックアップデータも消えてしまうので要注意です。エクスポート機能があるので、PCなどに書き出しておくことをお奨めします。鉄板中の鉄板と言われている機能を幾つか弄ることにしました。まずは「スポーツ表示」、iDriveディスプレイにエンジン出力とトルクを表示させるものです。昨今のクルマは沢山のセンサーを持っているので、こんな表示が裏メニューとしてあるんですね〜。というか、最新のMモデルやMスポーツモデルには表メニューとして標準装備されています。F10の場合裏メニューに隠れていました。写真のように、Kw表示の出力メーター、Nm表示のトルクメーターが追加されました。コーディングだけで、こんな機能が追加できてしまうんです。次はインフォディスプレイ(スピードメーターとタコメーターの間)にデジタル速度計を追加してみました。クルーズコントロールを装備しているので、当然ながらデータとしては持っているはずですね。その他にも沢山弄れる項目がありますが、面白いところでは「USBメモリに保存した動画ファイルの再生許可」なんて項目がありました。道交法との絡みもあるのでしょうか?? 1万円位で遊べる内容にしては、かなりお得な気がします。因みに、F系の他、G系にも対応している様です。ハマリそうな予感が。 呉々も “at your own risk” で・・! 関係ありませんが、インタークラーを交換しようかと思う今日この頃です。
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LS-602 ご出場
お待たせしました。RIT VRの交換他の作業が無事に終了しました。お知らせした通り、素のままでは装着できなかった交換VRですが、固定ピンの角を削って何とか装着することができました。指定部品はセンタークリック付きですが、調達可能な部品はクリック無しのVRでした。(実際に外したVRを片手に部品屋さんを回って採寸) 機能上問題はありません。VR交換にともなって送受周波数のズレも修正する必要があります。LS-602については回路図がないため、LS-102を参考にしました。両者は完全な兄弟機種で、デジタルVFO(PLL)のヘテロダイン周波数が違うだけでIF以下は同じ構成でした。本機は受信側の周波数アライメントは送信側で行います。まず、基準周波数を確認したところ500Hzほどズレていました。こちらを校正してから送信周波数を合わせました。ただ、リファレンスやIFに使用される水晶の精度がイマイチで、筐体内温度の変化で周波数がドリフトします。40年前の無線機ですから・・・。調整自体はホット状態(起動後30分以上経過)で行っていますが、3時間監視して−80Hz+300Hz程度ズレました。結構振れ幅が博いですね〜~。その為のRITです。その他、受信感度もかなり落ち込んでいます。IF/RFをトラッキングして20dB回復しました。-140dBm付近で復調を確認できる状態です。オーナー様より「FMの変調をモニターすると割れる」とのご指摘がありました。こちらはFズレと深めのデビエーションが原因です。周波数精度の高い昨今のFMナロー機で受信すると、こうなります。AFC回路全盛期のリグですので、こちらも致し方有りません。全体的にイイ感じで仕上がったと思います。
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【ご依頼内容】
- RIT VR故障
- FM変調異常
- 周波数ズレ
- その他
以上について修理を承りました。
【工数】
上記作業に工数5.0人日を要しました。(故障箇所診断、調達、交換、調整、検証、報告書作成などを含む)
【交換部品・使用ケミカル剤など】
・10KΩB 一軸VR A軸11.5mm ローレットタイプ(溝切り)センタークリック無しにて代替交換
FT-920 ご出場
出力異常低下の原因はATUの故障が原因でした。スルー状態では正常に出力しています。 チューナーが整合する前にタイムアウトしています。原因はステッピングモーター故障によるものでした。LOAD・TUNE(Tマッチの入出力バリコン)を駆動する二個のモーターが何れも滑っています。モーター内部のピニオンギア摩耗によるものでしょう。指定部品は入手困難なため互換品で修理しましたが、本来エアコン用の補修部品のため、コネクタ形状が異なりました。そもそも、ピン配列自体が違うので例え刺さったとしても使えません。魔改造(笑)で対応しました。装着されていたモーターのケーブル端に付いているコネクタケースをバラして、新たに用意したモーターのコネクタ部に移植しました。ピン幅及び高さが微妙に異なりましたが何とか装着できました。写真でご覧下さい。ATU動作はスムースになり、素早くチューニング完了します。
【ご依頼内容】
- 出力異常低下
以上について修理を承りました。
【工数】
上記作業に3.5人日を要しました。(故障箇所診断、調達、交換、調整、検証、報告書作成などを含む)
【交換部品・使用ケミカル剤など】
- 互換ステッピングモーター×2個
TS-790 (その2)作業中
こちらも本日中のC/O目指し鋭意作業中であります。少々お待ち下さい。
悪天候になることは間違いなさそうですが、金曜日から下田移動のためブログ投稿はお休みします。TS-790の作業進捗については、追記にて対応します。
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