Mark V(その1)ご出場 【2019/06/14】

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 おはようございます。段々雲が増えてきました。徐々にお天気が崩れる感じがする横浜です。何だか中途半端な梅雨が続きますねェ。中東からは焦臭いニュースが飛び込んできましたが、ラボはいつも通り始業であります。

(その1)重篤修理完了

 今日は長くなりそうなので、早速本題から・・・。今回のMark V(その1)もかなり重篤でした。受信については微かに聞こえる程度、30dBµVを突っこむと本来ならS9振るはずが、AFボリューム全開状態でやっと “聞こえるか・聞こえないか” といった感じです。送信についてはご指摘の通りで30W程度出てはいますが、内蔵SWRメータがフルスケール表示になります。明らかにプロテクションが介入している状態でした。この症状、二月前に修理したMark Vと実に酷似しています。

送信系の故障箇所

 まずは送信系の故障箇所切り分けから始めることにしました。Hi SWRながら出力していることから、PAユニットよりもANT側で発生している故障と考え、PAユニットの着脱から取り掛かりました。本機のPAユニットは本体上部(正面左)に取り付けられています。天井がヒートシンクになっているため増幅素子が天井に張り付く様なレイアウトで、ドライバ段とプッシュプルのファイナル段がヒートシンクに装着されています。PAユニット自体はシールドボックスにケーシングされ、同じ箱の中にLPFユニットも収められています。出力信号はPAユニットからLPFユニットへジャンパケーブルを介して繫がり、バンド毎にスイッチングされてフィルタを通過した信号は、進行波・反射波のカップラーを介して、後ろのTUNERユニットへと進みます。Hi SWRとなっている状態から鑑み、LPFまでは正常に出力されている可能性が高いと考えました。ジャンパを切り離して終端電力計に直付けして送信したところ、200Wの出力が確認できました。TUNER側の故障とみて間違いありません。今度は本体上部(正面右)にあるチューナーユニットを着脱、半田面から確認したところ、気になる箇所を見付けました。送信ライン上のダイオードに被されている収縮チューブに焼け焦げと思われる痕跡があります。更にその下の基板面には、焼損炭化したと思われる箇所を削ぎ取った痕を確認しました。ダイオードは完全に焼け落ち導通がありません。これでは送信波は出るハズがありませんね〜〜。その直後に例の受信リレーがあります。PTT操作で送受切替を行ったところ、リレーのソレノイドには正常に電圧が掛かっていて、スイッチ側も正常にON/OFFしています。(リレーは壊れていない)このダイオード(U15J)は整流用の比較的大電力タイプのもので、ターンオフ速度が早めなことから高出力・高周波のスイッチング・ダイオードとしても使われています。手持ちのU15Jと比較したところ、リード径がやや小さく見えます。規格外のダイオード(同じU15シリーズ)で交換修理されたのでしょうか?? 取り合えず正規のU15Jに交換しました。

受信系の故障箇所

 前述の通りリレー自体は正常に開閉している様です。取りあえず、RFユニットにSSGを直付けしてテストすることにしました。結果はANT端子軽油と一緒です。僅かながら復調されていることから、ローカル・ミックスよりもRF側のトラブルであると思われます。二月前に修理したMark Vの修理箇所はLPF手前のスイッチング・ダイオードでした。顕微ルーペで同じ部品が焼けていることを確認・・。ここが壊れていると言うことは、やはり送信波が受信回路に回り込んだと観て間違いなさそうです。そして、更に気になる箇所を見付けました。半田面の隅約1cm四方が焼け焦げています。プロット図面で部品番号を確認したところ、送信時にGNDに落ちるスタンバイ回路のリレー周辺であることが判りました。火元はDTC144EUなるデジタルトランジスタです。ここから発火したとみて間違いありません。この先にはアクセサリー端子があり、リニアアンプやトランスバーターと繫がる場所です。オーナー様に確認させて頂いたところ「トランスバーターを繋いでいた」とのこと、、。外部機器に何らかのトラブルが発生している可能性があります。元ヤエスのKさんによると「受信リレーのターンオフ遅延(RX→TX)が原因の可能性が高い(前回)」とのことでしたが、Mark VにとってはLCDブラックアウトと並ぶ「爆弾」と言って良いかもしれません。今回はリレーの交換は行っていませんが、要注意ですね〜〜。本機でのフル・ブレークインは避けるべきでしょうか????   リレー本体もそうですが、制御回路のデジタル・トランジスタも少々プアーな気がします。(前回はフル・ディスクリートで組見直した) 

PAユニット・LPFユニット確認中
LPFユニットからの出力を確認
TUNERユニットを着脱中
おや??
ここか〜〜
D6452(U15J)・・・
RFユニット着脱のためリア・パネル撤去
RFユニット・・
例のスイッチングダイオードは・・・
この辺のはず・・・
ココっ!! 焼けてる・・
取りあえず、撤去・・・
受信フロントエンド手前
前回4月の故障箇所と同じ・・D1066(1SV271)
1S2076Aに置き換えるため・・
こんな感じにバイパスする
なんじゃこりゃ? (DTC144EU周辺)
炭化部をカッターで削ぎ落とした
 
TX-GND(スタンバイ)回路か・・
 
Q1007が焼損

【ご依頼内容】

  1. 受信感度が著しく低下
  2. 送信出力が著しく低下

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に工数4.5人日を要しました。(故障箇所診断・調達・修理・調整・検証・報告書作成などを含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • TX部スイッチングダイオード(D6452)U15J×1
  • RX部スイッチングダイオード(D1066)1SV271×1の代替として1S2076A×1
  • TX-GND デジタル・トランジスタ (Q1007)DTC144EU×1


 本日午後はMark V(その2)に着手します。またまた土日返上の作業となりそうです・・・。(>_<) “花桃”か“王禅寺ふるさと公園”からQRVしようと思っていたのですが、無理っぽいなぁ。皆様、良い週末をお過ごし下さい!!!(^_^)v  

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