TS-790S (その1)ご入場【2019/05/29】

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 おはようございます。涙雨の横浜であります。近隣で発生した惨劇の被害に遭われた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。

 同じ年頃の子を持つ親として、昨日起きた事件は他人事ではありません。愚息が通う同じ県内の私立一貫校からも通達がありました。警備会社へ依頼するなどの対策を困じるとのことでしたが、無差別殺人は防ぎようがありません。大事なお子様を突然失われた保護者の心痛は計り知れませんが、唯々怒りがこみ上げます。「死にたきゃ自分で死ねよ!」って思いますけど、犯人が死への退路を絶つ為に他人を巻き込んでいるとしたら、もはや防ぎようが無い???。 本当にムカつきます。


オークションで○○円で購入された無線機について

 最近、オークションで落とされた無線機の修理依頼が増えています。勿論入手の経緯に関係なく修理させて頂きますが、「○○円で落札したから、○○円が修理予算として妥当・・・」(この気持ち個人的には至極納得!!!)とのご相談がとても多くなりました。中には「御社が修理してくれると聞いたのでジャンクを承知で落札した・・」(これは意味不明・・)と仰ってこられるケースもありました。申し訳ございませんが、この様なご相談については修理をお断りさせて頂いております。何故なら “オーナー様を後悔させてたくない” からです。古い無線機を維持されるということは、それなりの覚悟も必要です。ましてや技適非対象となるため、個別に保証認定を取得するか自作機扱いで免許を受ける必要のある物が殆どです。「安かろう」で古い無線機を入手されるのはお奨めできませんし、強い想いが無いのであれば新品の無線機をご購入されることをお奨めします。ジャンクは腕に自信のあるOM以外は手を出しちゃイケません!! 毎度書いているとおり、修理指南ブログではないので技術的な質問にもお応えしかねますけど、EBしてALC注入状態だと、また違った対応になるかも??(笑) 人間ですので・・。

 ちょっと脱線しますが、メーカーが古い無線機を修理できなくなる理由は「新しい無線機を売りたいから」ではありません。補修用部品が枯渇しデバイスメーカーに追加オーダーするためには購買部門を介して発注する必要があったり、エンジニアに個人裁量権がなかったり、直したくてもどうにもならんというのが実情です。規程の工数を超過してしまう場合は、部品交換で対応出来る修理案件であってもユニット交換(Assy交換)というのが常識、在庫の無い部品を担当技術者自ら部品調達に走り工数を要する故障箇所特定を含む作業を行った場合、工賃と部品代のバランスが逆転するためメーカーは大赤字になります。なのでメーカー系“K”サービスさんの覚悟は見上げたもんです。このバランスが崩壊するタイミングが「修理期間終了期」ということになり我々の出番となる訳ですが、ここから先の作業は工数との戦いとなることはお解り頂けると思います。サクッと直せれば一日で収まることもありますけど、部品調達に走れば当然工数が嵩みます。趣味で修理をやっている訳ではありませんこと、どうかご理解ください。(>_<) 

 そんな訳で、日々努力しております。


TS-790S (その1)修理着手

 只今二台のTS-790をお預かりしています。一台目は「430MHzでSSB/CWのみパワー低下」との珍しい事象です。確認したところFMは定格出力(40W以上)出ていますが、SSB/CWは確かに10W〜20W程度と低くなっていました。疑わしき箇所はALCですね〜〜。何らかの理由でALCが上がりきっているのでしょう。実際SSBでALCが振れまくりますが、パワーが出てきません。一箇所怪しいダイオードを見付けました。ALC閾値設定(CW Level)に近い場所で、目視でもダイオードが壊れている様子が覗えます。テスターで順方向を調べたら導通がありません。RLS73という珍しいスイッチングダイオードです。DATAシートで確認したら高速スイッチング型の様です。使用用途から考えて差ほど高速である必要はありません。汎用の1S2076Aで代替しました。取りあえずALCはRFパワーVRに応じて開放側に動作する様になりました。CWではきっちり50W出ます。144MHzはALCの閾値が異なるため最初から最大出力がでていました。430MHzでSSBに切り替えて送信すると、どうも出力の立ち上がりがヘンですね〜〜。一定のシングルトーン(AF)に対してはリニアに反応するものの、肉声などマルチトーンが入力されると針がブルブル震えて先に進みません。送信IMDが劇的に悪化している状態ですね〜。 モニターしてみると、口笛は正常に変調されますが、音声は歪みまくって何を喋っているか解読不能に・・。CWとFMは問題ありません。どうやらSSBだけ異常です。144MHzはは正常に出力されるのでIFは正常に動作しているハズ・・・。送信IFは一旦144MHzのRFユニットに入り、ローカルとミックスされて430MHzを生成、PAユニットに届けられます。最初の故障切り分けポイントはミックス段です。お馴染みのKD487が使われています。RF出力をPAから切り離して直接オシロに突っこんだところ、2トーンがキレイに出てきました。既に5mW程度は出ている箇所ですので、受信機を近づけてみたところキレイなSSB変調を確認できました。どうやら、PA2段(パワーモジュール)周辺のどこかで発振している様ですね〜〜。430MHzなので厄介です。

作業開始・・・
多分IFだと思うのだが・・
ALCの閾値を決める箇所 D76
アレレ・・
CW・・パワー出てきた(40W回復)
果たしてSSBは・・
SSBがヘンな感じがする・・RFかな?
430MHz側PA内部で発振??(中央のユニット)

 取りあえずレポはここまで、本日も励みます。(^o^)

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