FT-680 ご出場 / IC-202A ご出場 / LS-202 延長戦突入!!【2019/04/26】
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平成最後の金曜日、雨はあがりましたが、気温は低めです。平成最後のレポートをお届けします。何だか元号が変わる実感がありません。
明日から大型連休に突入しますが、既にお休みに入られている方も多いかと。先週末に愛車が当て逃げ被害に遭い、ラボはリソース不足、、踏んだり蹴ったりの元号末、これが新元号の露払いになりますように。(^∧^) “令和”のスタートも休み返上の無線機修理が続きます。ご用命頂けることに感謝しつつ作業に勤しんでまいります。但し10日中2日くらいは家族サービスに充当しようと思いますけど。まだ場所は決めていないのですが、無線が出来そうな場所でキャンプでもしようかと思います。明日は厚木基地の「日米親善フレンドシップデー」、我が家の恒例行事とともに大型連休が始まります。
FT-680 修理完了
総合調整ということでお預かりしました。検査したところ小数点以下(KHz台)が制御されません。メインダイヤルを回すと表示は正常に変わりますが、送受信周波数は50.000MHzのままです。51MHz台に上がると51.000MHzで固定されます。52MHz以上も同様です。PLLのアンロックによる症状ですね。PLL 1のロック電圧が異常値を示していたので規程値に調整しました。PLL2・PLL3も同様に調整します。リファレンスも狂っていたので校正。正常に周波数が制御できるようになりました。その他、送信・受信のフルトラッキングを実施しました。最大出力が15W程度出ておりますが、ファイナル段の負担を下げる為、規程値レベルに下げています。特にAMのキャリアレベルが高すぎでした。本機のAM定格入力は8Wですから、定格上はAM 最大出力は 4Wということになります。誤差を考慮して5Wとしても、キャリアが3.5W近くでているとなると、あまりキレイな変調は乗らないでしょう。仕様通りにキャリアは2.5Wに調整しました。逆にマイクゲインが浅めだったので上げています。受信感度は -140dBm SSB(測定限界)で信号復調を確認しました。
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【ご依頼内容】
- 総合調整
- 特にAM送受信調整を重点的に調整してほしい
以上について、作業を承りました。
【工数】
上記作業に2.5人日を要しました。(故障箇所診断・調整・検証・報告書作成を含む)
【交換部品・使用ケミカル剤など】
- CAIG デオキシット D5
IC-202A オーバーホール 完了
懐かしいリグです。当ラボへの入場は4年ぶり?? このシリーズは小生にとっても「青春」そのもの、RJXシリーズと並び無線の楽しさを教えてくれた1台であります。残念ながら例の“局免失効事件”のせいでコレらのリグは廃棄処分となりました。久しぶりに弄ってみるとワクワクしてきますね〜。RJX-601派だった小生はもっぱら6m AMが住処でしたが、SSBで開局した連中はIC-202の兄弟機にあたるIC-502を選んでました。ブックバンドで教科書と束ねて肩に引っ掛けるのがオシャレ。どうしても使いたくって、無線に飽きた先輩から永久貸与(もう時効だろう!)の形で我が家にQSYしてきたIC-502は、今もラボの片隅に置かれています。
さて、こちらの個体でありますが、オーバーホールと云うことでお預かりしています。基本的に状態は良い方で、フルレストアが必要な状況ではありませんでした。気になる点は以下の通りでした。
- 改造箇所の現状復旧
- ヘテロダインSWの”0.2(144.200MHz)”側で周波数が飛ぶ現象がある
- メーター照明球切れ
- メインダイヤルの離調
- BFOの離調
- CWの出力が低い?
- 外装フロントパネルの樹脂溶け出し
- その他、劣化部品の交換
- 接点洗浄
1については、スピーカー裏に取り付けられていた「スタンバイ回路のリレー」を撤去し、現状回復させました。
2については、ヘテロダイン水晶横のTcがぐらついていたので半田を付け直しました。水晶の切替はフロントパネルのSWで直接切り替える仕組みのため、スイッチ自体の接触不良によっても不安定になります。ここはCAIGで処理しました。
3については、麦球を交換しています。フロントパネル着脱の際、劣化した保護フィルムは剥がしていますのでご了承ください。過電圧には呉々もご注意下さい。
4及び5については、本機の周波数安定度の低くさは有名ですから、あまり神経質になるのもどうかとは思うのですが、オーバーホールのご用命ですのでしっかり対応させて頂きました。ズレは”0.0″”0.2″ともに-10KHz程度です。せめて線の上にキッチリ乗るくらいの精度はだしたいところです。ヘテロダイン周波数のアライメントと合わせてBFO周波数の校正を実施しました。かなり甲高いノイズが聞こえますが、単なるズレだったのか?? (6に関連) 尚、本機のBFOはLSB→CW(TX)→USBの順番で校正します。マニュアルに記載はありませんが、回路図を見れば解ると思います。IF段でキーダウン時の出力波形が崩れているのが気になりました。(これも6に関連)
6については、動画で言い忘れました。SEND(CW-T)位置でCWキーダウンした際に、1W程度しかでません。確認したのがBFO調整後だったため詳細は不明ですが、SSBの変調音も籠もった感じがしました。BFOはきっちり定格の周波数が出ています・・・。もしやと思い、クリスタルフィルターを外して再生品の同じフィルタを移植したところ、CWキーダウンで4W出るようになりました。変調の籠もりも解消されています。変な波形が出ていたのでおかしいと思いました。
7については、フロントパネル正面左側面に樹脂が爛れたような痕がありました。温度が高い場所で寝かせた状態で長期放置されていたのでしょう。エタノールで溶け出した表面の樹脂を拭き取ってから、1500番の耐水ペーパーで表面を軽く磨きます。その後、シリコンクロスで拭き上げたあと、シリコングリスを薄塗りしてコーティングしました。端子類の腐食、金属部の塗装剥げについては別途作業が必要です。機能としては問題ありません。
8については、ケミコン数個を容量サンプリングの為着脱した際に交換しています。特にケミコン劣化は認められませんでした。注意箇所については既に交換済みです。また、ナイラッチ1個を交換しました。
9については、各スイッチ類、VRなどを石油溶剤(CAIG)で内部洗浄しました。
以上の内容で作業しました。
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【ご依頼内容】
- オーバーホール
- 改造部の原状回復
以上について、作業を承りました。
【工数】
上記作業に4.5人日を要しました。(故障箇所診断・調達・交換・現状修復・調整・検証・報告書作成を含む)
【交換部品・使用ケミカル剤など】
- 中容量ケミコン ×3個(サンプリングのため着脱)
- クリスタルフィルタ FL-3 ×1個 (再生部品を使用)
- メーター照明麦球(12V球)×1個
- ナイラッチ×1セット
- CAIG デオキシット D-5 少量
- エタノール 少量
- 耐水ペーパー(#1500) 少量
- モール ×1本
- 保護フィルム 少量
- シリコングリス 少量
LS-202 修理続行
珍しい無線機をお預かりしています。ベルコムのLS-202であります。こちらも古いハンディー機ですが、ディクリートで構成され小さなボディにギッシリ部品が詰まっています。不具合は「送信出力不良」です。ドライバ段の出力が見えません。キャリアは上がってきているようなのですが・・・。サプライに問い合わせたところ、入手困難とのことでした。本機は実装部の密集度が異常に高いため、プローブなども挿しにくく確認が困難です。(間違いなくAssy交換の類)ドライバ段を入れ替えてみないことには、後段のファイナルをチェックできません。何故ならファイナルが見えないので・・・汗 2SC2538という石らしいのですが、恐らくファイナルの2SC1947とともにバーター調達させられた石と思われます。特性的には松下の2SC1973でも代替できそうな感じがするのですが、兎に角作業が相当困難な箇所ゆえ「ダメなら換えればいいだろう」は通用しません。どうやら国内で在庫している業者があるとのことですが、取引実績がないため即調達ということには行かず、オーナー様経由でご用意頂く事になりました。2SC1947についてはストックが見つかりました。こちらは連休明けの作業となります。
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22日以降にお預かりした分は、連休明けの対応となります。連休中は長期対応中の案件に着手する予定です。次回のブログ投稿は5月8日の予定です。
皆様にとって“令和”が素晴らしい時代となりますことを、お祈り申し上げます。m(_ _)m
- Aperture: ƒ/1.8
- Camera: iPhone 8 Plus
- Focal length: 3.99mm
- ISO: 50
- Shutter speed: 1/15s
202A、実用にならない状態になっています。
周波数を移動するとSメーターが振りっぱなしになって無音になります。
3週前からの症状で困り果てています。
前回修理した箇所ではないので拝見しませんと断言できませんが、AGCの故障かと思います。