TS-820S 修理完了 / FT-401 修理中断【2019/04/24】

by

 おはようございます。曇り空ですが気温は高めです。半徹明けの水曜日がはじまりましたぁ。平成のウチにあと何台修理出来るかな? 本日も宜しくお願いします。(^o^)

 リソース不足の影響が出てます。当ラボには常時2名のエンジニアが常駐するほか在宅エンジニアも在籍しています。繁忙期には更にアウトスースする協力会社さんにも加わって頂き、最大4ライン体制で対応します。今年に入ってから在宅エンジニアが病気療養で長期離脱したため常時可動は常駐2ラインになっていました。アウトソース先は業務機のみの契約なのでアマ機対応はできません。お伝えしている通り、常駐エンジニアがまさかの故障で、残されたのは小生だけ・・・。もっとも小生自身も頻繁に故障して戦力外になっておりテレコ・ワーク状態。アウトソースできるエンジニアさんを探さなければ自沈しそう・・・。(>_<) 到着した修理品は梱包状態のまま近隣のコンテナ倉庫に入るのですが、そこから各々が担当する無線機を自らラボに運び入れるため、修理だけが我々の仕事ではありません。“倉庫=ラボ”往復・荷解き・検査・調達・修理・検証・報告書作成・梱包・発送が担務。小生の場合、これに加えブログ執筆と動画撮影が加わります。“ブログか動画どっちか一つに絞ったら?” というご意見もありますが、報告書や動画では伝えきれない内容が多々あるため、そうは行かないの現実。“見える化”を掲げる以上、止む無しであります。“働き方改革”とは全く無縁の弊社であります。   トホホ 


TS-820S 受信時にメーターが振りきれる

お面を外したTS-820

 見出しの通りの事象です。TS-820ではお馴染みの症状ですね。メーターAMP、AGCアンプ、半固定VRのガリ辺りの不具合で起こる故障ですが、こちらはFETとトランジスタの交換で終了・・・のハズでした。施工後、メーター振り切れが直ったかと思いきや、メーターの挙動がカクカクしています。RFゲインをクルクル回していると、大きく振れた直後にS9付近で止まります。???「直っていない?」と思いきや、いやいや違います。メーター自体が壊れていました。指先でメーターを小突くと針が戻ります。汗汗汗 ヒゲゼンマイが伸びちゃったのでしょう。この症状はアナログテスターでも頻発するので、体験された方は多いと思います。ご存知の通り、メーターはフレミングの法則により動作します。大電流が流れると針が引っ掛かるところまで動きますが、軸自体はさらに強いトルクが掛かっています。反発力を生み出すバネに相当するのがヒゲゼンマイですが、機械式時計ではコレを動力源としています。このヒゲゼンマイが伸びてしまうと軸自体が吸い寄せられるため、軸受けの中心から離脱することでフリクションが増えたり、針がケースに引っ掛かったりします。TS-820のメーターの場合、針の反対側がケースに干渉してしまい固着します。メーターを分解して被ヒゲゼンマイを元の位置に戻す作業を行いますが、機械式時計の修理に似た作業となります。ウォッチリペアの治具が役立ちましたョ。

 施工後、IFトラッキングを実施しました。送信系は特に診ていませんが100W以上(@14.175MHz)出ていました。

IFユニットを着脱
まずは半固定VRのガリ取り
FETとトランジスタを交換
メーター張り付きはは解消されたが・・
??S9辺りで引っ掛かる・・
メーター取り外し開始
FPシャーシをずらして・・
メーターフレームを取り出す(必ずメーター表面を養生して作業)
文字盤を外して・・
ヒゲゼンマイが伸びている・・汗
 
メーター動作を確認してFP取り付け
 
修理完了!!

【ご依頼内容】

メーター張り付き

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に、工数2.5人日を要しました。(故障箇所診断・調達・交換・調整・検証・報告書作成などを含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 2SK19GR の代替として 2SK192A
  • 2SA465 の代替として 2SA1015


その後

ライン落ち・・・(>_<)

 検査開始時、電源が入りませんでした。内部を一通り確認したのち電源が入るようになりましたが、この事象について原因は不明です。また、内部は著しく劣化しており、使用継続は非常に危険です。その他、以下の通り確認しております。

(受信部の状態)

 ご相談時「受信可能」とのことでしたが、弊社確認時は全バンド受信不可能でした。VFO、ヘテロダインは正常に機能しているため、IF段内の不具合と思われます。ご相談に記載のございました「受信時に異常電流が流れ5Aヒューズ溶断」に至った可能性として、IF段で何らかの故障が発生していたものと考えます。その後、全真空管を取り外し、コネクタ部の接点洗浄を行って再装着したところ受信動作するようになりました。この時点でトランスの2次側出力電圧の降下を確認しています。(大電流が流れている可能性あり) 受信IF回路内でリーク(抵抗焼損・ケミコン故障)等が発生しているものと思料します。受信感度は定格性能を満たしておりません。また、BFO・トーンOSC調整用の半固定VR・トリマコンデンサの故障を確認しました。メイン基板の腐食、ケミコン液漏れなどが顕著で、複数箇所で不具合が起きている可能性もございます。キャリブレーションの動作は確認しましたが、ご相談にございました「ビート音が小さい」のは感度低下が原因です。

(送信部の状態)

 アイドリング電流の異常についても確認しました。時間経過と共に電流が増加する傾向にあり、更にPLATE 操作で反応することなどから、ファイナルで発振を起こしている可能性が高く、周辺のコンデンサは全数交換を要します。また、BIASボリュームの接触不良も顕著です。

(サイドトーンOSCの状態)

 サイドトーン発振回路が動作していません。真空管、コンデンサ、半固定VRの不良を疑います。

(その他について)

 リアパネルのVR類に接触不良の傾向が見られ、石油溶剤で洗浄しましたが復活しません。こちらも相当数の交換を要します。電源部のブロックコンについて、容量抜けが顕著です。こちらも交換を要します。また、本機は時間経過と共に、ケミコンが破裂・ショートを起こす可能性が高く、極めて危険な状態にあります。

 ケミコン全数、IF段の真空管(複数本故障の可能性あり)交換、PA周辺円板コン交換、全基板の半田クラック修復などに10人日程度(フルレストア級)を要します。また、真空管については現在入手困難なものも含まれ、修理に数ヶ月以上を要するものと存じます。※ 正面メーターパネル ビス 欠損 (開封時確認)

 以上の通り、ご報告させて頂きましたが、オーナー様より修理中止の指示を頂きました。


 この後は中型機・小型機の検査に入ります。今日も頑張ります!! 

2 Responses to "TS-820S 修理完了 / FT-401 修理中断【2019/04/24】"

コメントを残す