FT-847・RJX-601・HL-206Vご入場中【2018/12/28】

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 おはようございます。平成30年最後の投稿となります。晴天の横浜の気温は午前10時現在で6度です。昨夜は家族が倒れ、夕方から深夜まで救急搬送先で過ごしました。ちょっとバタバタな年越しになりそうです。

 後期高齢者の父が脳梗塞で倒れました。初期の軽度な梗塞ですんだのですが、救急搬送先にそのまま入院することになりました。救急指定の大病院なので、救急外来は混雑しています。最初「ウチでは診れない・・」と言われたのですが、少々喧嘩して強引に突破しました。結果的に、キチンと診てもらうことができて良かったとは思うのですが、病院は日々同じ様な対応しているんでしょうね〜。7年前には同じ脳梗塞で母が倒れ、処置が遅れたことで脳幹まで梗塞が広がり他界しました。その時の苦い経験があるので、強行突破する決意で挑んだ甲斐はあったようです。年の瀬の厄落としになってくれることを祈るばかり・・・。


電源入らず・・ 

 故障修理でお預かりしました。以前にも入場記録のある個体です。今回は電源が入らなくなったとのことです。ヒューズ溶断の後、交換しても復帰しないそうです。調べたところ、電源の間接制御回路のトランジスタ(NPN)のベース側に電位がありません。電源SWが閉じられると、プロセッサに5Vが供給されTTL出力がトランジスタを押してリレーのソレノイドに電流が流れる仕組みです。メインユニットの裏面にある78L05UA(表面実装)の出力電圧2.3Vしかありません。これではプロセッサは起動できませんね〜〜〜。レギュレーターの出力側、即ち5Vの低電圧ラインにGND短絡はみられません。直接5Vを印加させても問段なさそうなので、実験用電源器から+5Vを加圧したところ電源が入りました。電流値に異常はありません。78L05UAの故障によるものと判定しましたが、何故78L05UAが故障したのかが謎です。簡単に交換できる場所ではないので、故障原因が不明のままでは問題アリです。DCラインのヒューズが落ちたことも解せません。内部でショートしない限り落ちない場所です。レギュレーターの故障要因としては異常発振が考えられます。レギュレーター前後のコンデンサも交換しておいたほうが良さそうです。汎用の78L05なら在庫しているのですが、表面実装型の部品はありません。サプライヤに発注済です。今日着けば年内にお届けできるのですが、・・微妙です。

追記:2018/12/29 21:33

 78L05と周辺のコンデンサを交換したところ電源は入るようになりました。送受信とも問題無いようです。その他、ファン騒音が酷いとのことでしたので、前後ファンを分解清掃しました。後部ファン(小型)については軸受け部にシリコングリスを塗布、前部ファン(中型)は流体軸受けのため、ミシン油を適量注しました。施工前よりは静かになりましたが、元々静音ファンではないので多少の音は残ります。通常の騒音レベルまでは下がっていると思います。放熱効果が低下するようなら交換をお奨めします。

 フロントの汚れも目立ったので、樹脂パーツ類は着脱して超音波洗浄しました。その他気になるところはサービス対応しました。

電源が入らない・・・
故障箇所は裏面の78L05か・・
78L05着脱中・・(追記)
新しい78L05を装着(追記)
シールドが剥がれている部分を網線で修復(追記)
こんな感じで修復行く(追記)
リアファンを着脱・・汚れが酷い(追記)
軸受け部にシリコン塗布(追記)
フロントファンも同様に(追記)
液流軸受けファン・・キレイにしてから軸受けに注油(追記)
ツマミ・樹脂パーツは超音波洗浄(追記)
キレイになった(追記)
シリコン処理でご覧の通りピッカピカ(追記)
黒光りするフロント!!(追記)

【ご依頼内容】

  1. 電源が入らない
  2. ファン異音

以上について修理・作業を承りました。

【工数】

上記作業に工数2.5人日を要しました。(故障箇所診断・調達・交換・調整・検収・報告書作成などを含む)

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 78L05UA ×1
  • 0.01μF 16V 表面実装型コンデンサー ×2
  • シリコングリス 適量
  • 工業ミシン油 適量
  • CAIG D-5 少量


メンテナンスパック + 照明LED化

 こちらは定番中の定番なので内容は割愛します。オーナー様ご指摘の様に変調がやや浅い気がしました。しかし、これは個体差もあるので故障とは言えないレベルです。AMに関してはファイナル周りの同調がとれていないので、+変調になっていませんでした。調整後、キャリア3.5W、AMピークで6W出ることを確認しています。また、VFOダイヤルが意図的にズラされていました。これはNGです。VFOの調整はOSCのコイルとトリマーで行わなければなりません。50MHzはメモリ位置に揃っているのですが、54MHzはVFOの同調範囲外のままなので、ダイヤルが合いません。ダイヤル板の調整とOSC部の精密調整を行い、50.000MHz・54.000MHzのトラッキングを実施しました。LED化については超高輝度の白色LEDを使用しましたが、以前使用していた抵抗内蔵タイプの在庫が切れてしまい、LED単体に減流抵抗を組み合わせた物を2セット製作し、埋め込みました。その他はメンテナンスパックのメニューに従って処理しています。

使用した超高輝度白色LED
この上から更に熱収縮チューブを巻く
オリジナルの麦球と同じサイズ
こんな感じ・・

【ご依頼内容】

  1. メンテナンスパック
  2. 照明ランプのLED化改造

【工数】

上記作業にメンテナンスパック+0.5人日を要しました。

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 水晶発振子 パックに含まれます。
  • 1/4W抵抗 パックに含まれます。
  • 超高輝度白色LED ×2個
  • 1/4W 炭素抵抗 ×2個
  • CAIG D-5

※定番メニューにつき、動画撮影は割愛しました。


電源入らず・・

 こちらも電源が入らないとのことです。内部ヒューズとも生きています。嫌な予感・・・。東京ハイパワーのミドル・リニアはPCBパターンが脆弱で、すぐに焼け落ちます。本機は200Wクラスのリニアですので、多少は考慮しているとは思うのですが・・・。まず、ファイナルを確認したところ、ドレイン=ソース、ゲート=GNDの抵抗値が異常です。VDDがゲート側に流れ込んでGNDに抜けた様ですね〜〜。裏側を見てみると予感が的中しました。VDDラインが4箇所焼け落ちています。オーナー様によると、発生時に煙が出たとありました。ココが焼けた為ですね。ファイナルは故障するものなので、VDDに異常電流が流れることを考慮してパターン設計すべきですが、こんな細いパターンでは焼け落ちて当たり前です。SD1477は国内調達困難のため海外サプライにオーダーします。修理開始は年明けになります。

HL-206Vを確認中
DCラインのパターンが焼けている・・・

 大型機のラインが開いたので、以下の3台について診断作業に入ります。年明けのレポートとなります。

  1. FT-1011
  2. Mark V(その1)
  3. Mark V(その2)

 以下については、FT-847の修理が終わり次第、診断に入ります。年内は厳しいかな・・。

  1. TS-600(以下は年明け以降に対応)
  2. WP-712H
  3. FT-757GXⅡ

 今年は250台弱修理させて頂きました。ほぼ1日1台のペースです。ライン別けしたことで僅かながら効率改善した様です。来月25日〜31日の間にラボを引っ越し。修理お問い合わせへのお返事は、正月7日から再開させせて頂きます。

 今年は大変お世話になりました。来年は年号も変わります。皆様にとって幸多き一年となりますよう、お祈り申し上げます。    

 JG1BVX  // かながわST124

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4 Responses to "FT-847・RJX-601・HL-206Vご入場中【2018/12/28】"
  1. お世話になりました。601のオーナーです。
    意図的にですか?
    ダイヤル面の汚れが酷かったので前面カバー外して清掃しましたが、そのせいでしょうか?
    いずれにせよ、お手数お掛けしました。
    ありがとうございます。
    JO4JKN

    • お世話になっております。
      恐らく、OSCを調整せずにダイヤル板をズラして合わせたのかと思います。

  2. 送信してから、あっ!と思ったのですが、やっぱり名前出てしまいましたね。
    お手数おかけしますが、可能でしたら削除お願いします。
    重ね重ねご迷惑おかけします。

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