おはようございます。薄曇りの横浜地方、今朝は冷え込みました。平成最後の年の瀬まで余すところ10日となりました。仕事関係の忘年会は一段落、学校・友人関係の宴がチラホラ残っていますが、ラボはそれどころではありまへん。

 ラボの引越が正式に決まりました。来月の後半を予定しています。それに向け色々準備しなければなりません。余剰の測定器やら無線機・周辺機器の処分も始めなければ・・。そんな訳で来月も中旬以降は変則的な対応になりそうです。これで作業効率が改善すれば良いのですが・・・。


初入場!!

 今朝はてんこ盛り、与太話ぬきで本題に入ります。当ラボ初お目見えのリグが上がって来ました。松下電器株式会社 謹製 RJX-1011であります。小生も約40年前に一時所有(もとい借用・・)していました。重厚な内部はまるで測定器のような構造です。他の無線機メーカーとは全く異なる思想で造られていることは一目瞭然。業務用無線機を数多く手掛けていた松下通信ならではといった感じですね。本機はHyGainブランドにOEM供給され米国でも売られました。(本個体はOEM版です) 50MHz専用機でデザインが一緒のRJX-661を並べたカタログ表紙に思いを馳せたOMも多いのではないでしょうか。とにかく、怒濤の超高級機であったことは間違いありません。

とにかくデカイ

 「突然聞こえなくなった」とのことです。ラボで最初に電源を入れたとき、ノイズすら聞こえないためAFアンプの故障かと思いました。スイッチを弄っていると微かにノイズが聞こえてきました。SSGから30dBµVの信号を突っこむと各バンドでS2程度振ります。しかし、RFゲイン最大でもS2近く振れています。ノイズが聞こえないのはAGC故障のせいか? いやいやそれだけではありませんね〜〜。送信もアウトです。しかもヒーター電源をONにして1分くらい経過すると激しいノイズが出てきました。終段付近で発振しています。低圧のDCに高圧が掛かった痕跡も見付けました。中・大容量のケミコンは全数交換必至でしょう。送受アウトなことからVFOやPLL周りを探って行くと、局発出力が異常に低いことが判りました。受信感度が低いのはコレが原因か・・・。丸2日掛けて判ったことはつぎの通りです。

(1)主要因の故障以外に、ATT、NOTCHなどのスイッチ類接触不良、並びにRF部のリレーに接点不良が発生。
  これらが導通している状態では僅かに入感。

(2)PLL出力が規定値に1/10程度しかない。その為、送受信共に正常動作しない。 

  受信感度 40dB以上低下
  送信出力 最大100mW 程度

(3)終段付近に発振の兆候を確認。(ヒータースイッチONから暫くするとノイズ発生)

(4)全体的にケミコン類が劣化。(特に中容量・大容量ケミコンは全数交換が必要)

(5)内部のモール材(緩衝用クッション)が劣化(粒化)し、各ユニットに散乱。

 これだけでも結構な内容です。構造的に、各ユニットにアクセスするのは至難の業。全分解必至の状態です。長期対応の重篤フラッグが上がる案件ですね。

良い部品使ってる まるで測定器

カウンターユニットもガラエポ基板

中容量ケミコンの容量抜けを確認

モール材が劣化し粒化している。これは厄介。


(その1)減力改造・総合調整・バンド拡張改造(追加対応)

 お馴染みのFT-847のメンテナンスです。12月は3台の847をお預かりしています。今朝までに2台仕上がりましたのでご報告したいと思います。まずは「その1」から。

 減力改造箇所は毎度の通りですが、本機は追加で総合調整とバンド拡張工事を施しています。写真を中心にご報告します。

製造番号 8K150537

電池残量異常ナシ

まずは既設チップ撤去

撤去完了

1.8MHz 50W化完了(内部メーター未調整段階)

28MHz 50W化完了(内部メーター未調整段階)

50MHz 50W化完了(内部メーター未調整段階)

メーター校正1.8MHz

メーター校正 7MHz

メーター校正 14MHz

メーター校正 21MHz

メーター校正 28MHz

メーター校正 50MHz

7MHz/3.5MHz拡張 ジャンパ変更

3.7MHz拡張

7.1MHz拡張

【ご依頼内容】

  1. FT-847 50W化減力改造(改造箇所証明資料付き)
  2. 総合調整 その他
  3. 7.1MHz / 3.7MHz 拡張帯送信制限解除改造

以上の作業を承りました。

【工数】

減力改造パック工数+2人日を要しました。

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 減力改造用チップ抵抗×3個
  • バンド拡張用チップ抵抗×1個

※追加オーダーのバンド拡張については動画に記録していません。


FT-847 (その2)減力改造+樹脂パーツ類洗浄

 「その2」についても減力改造のオーダーです。まだまだ現役のFT-847であります。こちらは減力改造のみですが、フロント周りの汚れが酷かったので樹脂パーツの超音波洗浄と、輸送時に脱落したと思われるVFOの外輪レバーを再装着しました。(何れもサービス実施)

製造番号 8J120693

同じくチップ3個を交換

交換後です

1.8MHz 50W化完了(内部メーター未調整段階)

28MHz 50W化完了(内部メーター未調整段階)

50MHz 50W化完了(内部メーター未調整段階)

メーター校正1.8MHz

メーター校正7MHz

メーター校正14MHz

メーター校正21MHz

メーター校正28MHz

メーター校正50MHz

超音波洗浄器でツマミ類の垢を落とす

黒光りするフロントに!

【ご依頼内容】

  1. FT-847 50W化減力改造(改造箇所証明資料付き)

以上の作業を承りました。

【工数】

減力改造パック工数。

【交換部品・使用ケミカル剤など】

  • 減力改造用チップ抵抗×3個

 ※定番メニューのため、動画撮影は割愛させて頂きます。


修理完了!

 回路図がないと流石に辛いです!(汗) 東京ハイパワーの場合、機種が違っても設計者が同じなら概ね想像がつくのですが、この様なレアな機種で、しかもWSE製となると資料が全く見つかりません。その為、回路解析に1〜2人日程度余計に掛かってしまいます。回路図を起こしながらの作業となりました。本機はリニアアンプではなくFMブースターですので、バイアス回路ないのかと思いきやキッチリB級構成でした。青のポテンショメーターはアイドリング調整用です。しかし、144MHzについては入力のインピーダンス調整のみで、出力側はナント無調性同調回路です。出力側トリマーはUHF用でした。アンプはV/U共通で、UHFは正常に動作することから、キャリコン周辺の故障であることは判っています。そして、このアンプはメンテナンス性がイマイチです・・・。基板をひっくり返すのに数カ所の半田をはずす必要があります。もっともTHPのリニアも端子部の半田を外さねばなりませんけど・・・・。表面から眺めていて何となく判ったのは、入力端子直後にLCで周波数を分解していること。Lの巻数が多い方がVHFです。πマッチ回路の途中にダイオードが2個ついています。ここがキャリコンの検波部でしょう。そこで整流された信号はICを介して、2石のオープンコレクタ回路に入ります。その先がリレーのソレノイドに繫がっていることを突き止めました。間違いありません。故障箇所は検波ダイオードで確定です。赤い帯の巻かれたガラス管のダイオード言えば、検波ダイオードの代名詞“1N60”です。昨夕、サプライヤに立ち寄って部品を調達。交換したところ、VHF側の正常に動作するようになりました。

キャリコンのトリガ変換はICか・・・厄介だな

DCは出ているけど電位が低い

マイナス側の整流ダイオードが落ちていた 2個とも交換しておこう

元気に動いてる!

【ご依頼内容】

  1. 145MHz帯のみ 増幅動作しない

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に、工数 3.5人日を要しました。(故障箇所診断・調達・修理・調整・検証・報告書作成などを含む)

【交換部品】

検波ダイオード×2個


 週末となりました。これからFT-847(その3)、IC-775の修理に着手します。皆様良い週末をお過ごしください。

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