IC-775DXⅡ / FT-1000MP / RJX-601 / TM-V7 /IC-736 作業終了【2018/07/25】
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おはようございます。薄曇りの横浜は未明に雨が降ったようで気温もやや低めです。朝練はローラー(室内)で済ませました。昨夜もハンテツ、寝不足MAXであります。お盆前のこの時期は毎年こんな感じです。ここで仕事を積み残してしまうとお盆明けの倉庫は大変なコトになります。汗
今週は2ラインでアマ機対応、稼働率200%でレブリミットに突入中であります。どんどん行きます! 2ラインで5台を仕上げました。
IC-775DXⅡ SSB/CW/RTTY 送信アウト
こちらIFアンプの故障でした。Q36はオリジナルの回路図・サービスマニュアル上は3SK101が指定部品です。ところが、量産機は3SK131に換装されているようです。パッケージ形状は異なりますが、特性は酷似しています。時期的に表面実装タイプへ転換されるタイミングだったのでしょうか。前後のアンプやケミコン類に異常はなく、IFドライバのみの交換で済みました。ココはSSB/CW/RTTY送信時にDRIVEツマミで制御する部分です。ドライビングは浅めでも十分パワーが出ますので、高負荷を避けてお使い頂いたほうが宜しいかと思います。
【ご依頼内容】
- SSB/CW/RTTY 時に送信出力が異常低下
について修理を承りました。
【工数】
上記作業(診断・調達・交換・検証)に3.0人日を要しました。
【交換部品】
- 3SK131 ×1
FT-1000MP インバーター故障の修理

定番の故障修理です。MARK Vも同様ですが、LCDバックライトは高電圧ACで点灯しており、DC12Vからインバーターで変換されています。ここが非常にクリティカルでして、オリジナルの回路ではライン・ヒューズとサーマル・ヒューズによるプロテクションが施されていますが、ここが故障しメーカーに入場した個体の殆どがサーマル・ヒューズを撤去(短絡)の処置を施され戻ってきます。このサーマル・ヒューズがディスコンのためメーカー在庫が無いことが最大の理由と思われますが、ここ撤去してしまうと高負荷・高温状態で異常発振を起こしインバーターのコイルを焼き切るリスクをともないます。お預かりした固体はサーマル・ヒューズが撤去されていました。(メーカー修理歴あり)修理方法をとやかく言う立場には無いので、ここは弄りませんが、発振回路のフィルコンがアウトでした。異常発振を起こしたのでしょう。チップのライン・ヒューズも溶断しています。
また、“電源投入後受信状態が(音の出方)おかしい”とのことでしたが、こちらでは症状を確認できませんでした。ダイヤルノブなどのベトツキについては、樹脂塗装の劣化によるものです。原則部品交換での対応となりますが、こちらは入手困難です。クルマ鈑金屋に持ち込めばやってくれる可能性もあります。
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【ご依頼内容】
- LCDバックライト故障
について修理を承りました。
【工数】
上記作業(診断・調達・交換・検証)に2.0人日を要しました。
【使用部品】
- フィルムコンデンサ×1
- チップ・ライン・ヒューズ×1
※LCDバックライト修理のため、動画撮影は割愛しました。
RJX-601 メンテナンスパック施工
手番メニューです。シャフト径の大きい初期ロッドをお預かりしました。バックテンションも少なめですが、VFO位置はかなりズレています。以下の調整を実施しました。個体コンディションは良好です。尚、本個体は主要ケミコンの殆どが交換済みでした。恐らく、前オーナー様が手を入れられたのでしょう・・・。TR・FETのノイズレベルも低く、CAL用水晶とFMナロー化対策用の抵抗のみ交換実施しました。
- VFOダイヤル 離調トラッキング調整
- RX-IF 全段離調調整 (52MHz AM 最大感度 -125dBm(標準値 -120dBm)、FM 最大感度 -131dBm、(標準値 -130dBm)
- RX-IF 53MHz IFトラップ調整
- TX-IF 全段離調調整
- PA段 AMピーク出力調整 (52MHz MAX6.5W 標準値 MAX6.0W、NO CARRIER時 3.5W)
- FMナロー化対策工事 R80定数変更(抵抗交換)
- CAL周波数変更工事 水晶交換 29.000MHz→30.000MHz
- VR、AQL、DCコネクタ部に接触不良あり。CAIG D5剤にて洗浄処理

【ご依頼内容】
- RJX-601メンテナンスパック
についてご依頼を承りました。
【工数】
規程工数:メンテナンスパック
【交換部品】
- 1/4W 抵抗 ×1
- CAL 水晶 ×1
※定番メニューのため、動画撮影は割愛しました。
TM-V7 サブ側のAFが聞こえない
TM-V7は先月にも別のオーナー様の個体を修理させて頂いたばかりです。そして再びAFの故障・・・。例の2chアナログアンプはストックすているので交換作業であればスムースに・・・と思いきや、どうも様子がヘンです。144MHz側は聞こえます。アンプ手前のマルチプレクサでミックスされる為、SP1端子から144MHzは聞こえて、430MHzだけが聞こえないというのは??です。現に430MHz側のVRを上げるとノイズが聞こえます。即ちアンプは動いているということです。ガサガサ弄っていると、一瞬430MHz側がフツーに聞こえました。「接触不良?」・・見付けました。フロントパネルとメイン基板を繋ぐフラットケーブルが悪さしています。メイン基板側のコネクタ周辺に振れると聞こえたり、聞こえなくなったりを繰り返します。CAIG剤で接点を洗いましたが、状態は変わらずです。コネクタの半田付けは問題ありません。フラットケーブルの折り返し部分が内部で切れかかっている可能性もあるため交換したところ症状が治まりました。コネクタ側もやや緩くなっている感じがしますが、こちらは補修用部品の入手が困難です。揺らしたり、小突いたりしても変化は無く正常動作しているため作業終了としました。430MHz側も正常に聞こえています。
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【ご依頼内容】
AF不良(430MHz側が聞こえない)
について修理を承りました。
【工数】
上記作業(診断・調達・交換・検証)に1.5人日を要しました。
【交換部品】
フラットケーブル×1本
※軽微な作業のため、動画撮影は割愛しました。
IC-736 ハイバンド側でアンロック発生
21MHz〜50MHzが聞こえなくなってしまったとのことでお預かりしました。症状的にはVCOのアンロックです。本機の場合LPL、HPLにそれぞれ2バンド、5バンドのVCOが備わっています。まずLPL側ではアッパー側で10.0Vが規定値となっていますが、本機は15V以上掛かっていました。ここまで離調しているとエッジ付近では常時アンロックとなり、中心近くも時間経過とともにロックが外れてしまいます。また、HPL側は全バンドで規定値の6.5Vが出ていましたが、最上位のハイエッジ側60.00000MHzだけは電圧が安定しません。C39のトリマーがユルユル状態です。こちらは交換が望ましいところですが、補修部品の調達が困難です。以前同様の修理を実施した際には、規格外のTcを取り付けるのに基板加工を余儀なくされました。仮に施工する場合+3人日程度を要しますが、今回はご予算範囲に収めるため調整+αで収めています。このまま事象再発が無ければ良いのですが、激しい振動を与えると電圧が大きく変化しロックが外れる可能性が否めません。トラッキング後に軽く小突いてみましたが、一応大丈夫でした。念の為、C39には固着剤を塗布しています。触っていて気になったのはチューナー動作です。こちらは、不整合終了するケースがございました。ステッピングモーターの劣化かと思います。
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【ご依頼内容】
- 21MHz〜50MHzが聞こえくなった(アンロックの疑い)
について修理を承りました。
【工数】
上記作業(診断・調達・交換・検証)に2.0人日を要しました。
【交換部品】
ナシ
本日はここまで。只今小生のデスクではHL-60Uを診断中です。隣ではHL-1K/6の作業に向け測定器などを入り換え中です。
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