IC-756・TM-V7・FT-227Aご入場 / TS-50Vご出場

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 おはようございます。今朝は気持ちよく晴れましたョ。久し振りに鶴見川サイトを走ってこようと思いきや、前輪がパンクしてました。替えのチューブがありまへん。断念します。。トホホ

 ハムワールドの6月売り号で“リモート特集”を組むそうで、当ラボから“RRS-Pi+”1台を読者プレゼント用に進呈致しました。ヤエス FT-991Aとのコラボ記事を予定されているとのことで、発売が楽しみであります。ラボワークの方は慌ただしい一週間となりましたが、久し振りに全ラインともアマ機対応中であります。来週後半は小生が戦力外となるため、“カローワーク”状態であります。汗汗 


電源投入不可能!!

デジタル・トランジスタ・・・コレがNG!

 まずは小生の担務から・・・。う〜む。また厄介な案件であります。アイコムさんの場合、ラインリレーがPAユニット内に隠れていて、ココが切れるケースもありますが、残念ながら今回は単純ではなさそうです。まず、ロジック(プロセッサ)側は通電状態でした。チェックは簡単でして、電源ボタンを押すLEDがちゃんと点灯します。即ち、ロジックには+5Vが掛かっているということです。電源リレーが動かないことからプロセッサをチェックすると、プロセッサのVDDに電位を確認できました。次にバックアップバッテリーを調べましたが、こちらも正常電圧です。壊れる前、“LCDに縦縞が出た”とのご報告を頂戴しており、もしや「プロセッサが逝った?」と疑いました。電源ON/OFFはプロセッサのTTLトリガでデジタルト・ランジスタQ9(UN9211)を押して、コレクタ=エミッタを閉じる一般的な回路です。TTLトリガ(PWRS)を確認すると、電源ボタンON時(LED点灯時)に5Vが見えました。(一安心・・) そうなると、デジトラかリレーか、しかありません。PAユニットのラインヒューズ横に電源リレーがあります。その真横に1mm角のチップ部品が数個表面実装されている場所があります。ここにQ9があるのですが、どうもコイツが怪しいです。前後のGND短絡有無を確認後に、コレクタ=エミッタを意図的にショートさせたところ、見事に電源が入りました。・・・

ラインヒューズはPAユニットにあるのだが・・
ヒューズは生きている・・
リレーの上にある小さな部品・・・ここが故障

 さ〜て、問題は部品調達であります。このUN9211はバイポーラのデジタル・トランジスタです。単純にNPNのオープンコレクタ回路を構成しているだけなので、極論を言えば2SC1815の様な汎用トランジスタでも代用できる場所です。ただ、こちらは極小のチップ部品であり、こんな狭いランドに適当な代替部品を使用するわけにも行きません。法人契約しているサプライヤー数社に確認したところ、どこも取り扱いがありません。方々を探したところ、一社扱っているサプライヤーを見付けました。テープ売りで100個単位だそうです。他にも用途があるかしら?? 「これからも定期的に発注するので、何とか10個単位にしてください!」と土下座して・・・。(ウソです) 無理を聞き入れて貰いましたぁ。ということで、弊社購買から正式発注。・・・バイク便で即着です!!! 

 只この場所、すんなり交換できそうにありません。リレーと真横の半固定VRを養生する必要があるいます。一旦周りの大きな部品は着脱して作業することにします。


音が聞こえない・・・

 KenwoodのV/Uモービル機です。格好イイですね〜〜。こちらはMAIN/SUBとも受信音が聞こえません。デュアルバンダーで、2波同時受信が可能ですが、どちらもアウトです。外部スピーカーも同様でした。素直に回路を追うしかないですね。AF 再終段はオペアンプ(IC1 LA4446)です。IFでAFに落ちた信号はIC18を経由してココに至ります。ミュート回路も疑ったのですが、本機の場合、フロントパネル側にこれらの機能があります。オーナー様曰く「別個体に着脱式のフロントパネルを移植したところ正常に機能した・・」とありました。両チャンネルとも受信時にSメーターが振れ、スケルチ開放も正常に機能しBUSYも点灯します。IC1の入力ピンにオシロを充ててAF VRを回したところ、電圧が変化することを確認しました。しかし、出力側には何も出てきません。両チャンネルとも結果は同じでした。やはりオペアンプか? 

 そして、このオペアンプもディスコンです。しかも三洋製です。巷の部品屋に卸されていればいいのですが、これを探すのも至難の業です。海外ディーラーに問い合わせたところ、米国・中国にオリジナルの在庫を確認しました。着荷に20日〜30日程度は掛かるかもしれません。

電源は入るが、何も聞こえない・・・
オペアンプが故障してる!!

FT-227A 送信不能!!

 こちらも小生が担当、怒濤の3台目であります。ちゃんと電源は入ります。受信もOKでした。しかし送信はNGです。PTTを押すと周波数に関係なく3.00を表示します。本機のPTTはPLLに絡んでいます。単純に送受切替だけなら、リレーのソレノイド側をPTTでGNDに落とせば宵でのですが、本機の場合PLLを一緒に切り替える関係で、5Vの低電圧回路に集約しています。その為、M4069(Hex Inveter)を介してトランジスタSWを押す「間接制御方式」です。故障しているのは、このトランジスタSWでした。2SC1815Yなので在庫は豊富にあります。交換したところ機能回復しました。送信出力もHi側で10Wを確認しました。変調も問題ありません。修理完了であります。

PLL コントロール ユニットに PTT SWがある
Q15 が故障してま〜す!
交換完了!!
送信してるぞ〜〜!

【ご依頼内容】

  1. 送信不能

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に2.0人日を要しました。

【交換部品】

  • 2SC1815×1


TS-50V ご出場であります(`_´)ゞ!!

送受ともOK!

 大変長らくお待たせしました。TS-50Vの修理が終わりました。送受不能(時々受信できたり、出来なかったり・・)というコンディションでお預かりしたのですが、PLLが安定せず、ケミコンを変えたり、半田面のスルーホールを再ハンダしたりと、色々やりましたが状況は悪化する一方です。終いにはDDSが全く出力しなくなりました。制御信号を出しているプロセッサがLCDユニットにあり、ここのケミコンも交換してみましたがダメです。何故かこのユニットだけは回路図が公開されていません。Assy交換前提という訳です。もっとも、プロセッサが表面実装されている箇所なので、回路図が読めても手の施しようがありません。別のエンジニアさんが自宅シャックに置いている同型機を持ってきてくれて、フロントをそっくり入れ替えたところ見事に動きました。海外のメーカー系ディーラーにAssyがあったので、引っ張りました。(オーナーご希望のAT-50用接続ケーブルは、別途制作致しました。)

7MHz受信中(感度良好!)
送信確認 10W出てる!
AT-50連携確認中(AT動作開始!)
AT-50 正常終了!

【ご依頼内容】

  1. 送受不能
  2. AT-50接続ケーブル制作

以上について修理を承りました。

【工数】

上記作業に4.0人日を要しました。

【交換部品】

  • LCDユニットAssy
  • 小容量ケミコン ×10個(予防交換)


 FT-736とFT-1021Xがスタンバイしています。何れも重篤フラッグが上がってます。上の3台も部品待ち状態であります。只今着荷後平均2〜3週程度要しています。指定週・指定日にお送り頂きますよう、重ねてお願い申し上げますぅ。m(_ _)m 

 それでは皆様、良い週末をお過ごし下さい。(^o^)

 

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