FT-690 ご出場 / TS-690S ご出場【2018/04/20】

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 おはようございます。快晴の青空、気温も高めの横浜であります。今朝は半袖にしました。ラボ内は測定器や電源の排熱で冬でも暖房要らずです。唯でさえ暑いのに、こうなってくると思考力も低下しますなぁ。アッという間に金曜日、明日は厚木の“日米親善春まつり”、例年旨いBBQとピザを目当てに一時間待ちの行列を覚悟します。今日は残業にならないよう頑張りま〜す。 メインラボにはFT-690、、そしてサブラボにはTS-690S、TS-50Vが入場中であります。まずは作業を終えたFT-690からレポートします。

AM復調できず

IFの段間結合方法を変更

 前号でご報告したとおり、AM IFの455KHz IFT(T1014)とIF AMP Q1022の故障が原因でした。5.5mm角のAMラジオ用汎用IFTを入手したのですが、ココでまた大きなハードルが出現・・・。オリジナルのIFTはセンタータップ付きで、後段への出力はココから引き出されていました。ところが入手したIFTはタップ無しです。他に選択肢は無いのでこのIFTで何とか修理するより術はありません。基板側を確認すると、IFTの二次側ランドがオープンになっています。即ち、パターン切除することなく、二次側の出力を利用することが出来そうな感じです。そこで図の様に改造を施しました。さほどインピーダンスを気にする必要もなさそうです。故障の原因は恐らくQ1022の異常発振と思われます。交換候補のIFTな巻線数が多い様で、一次側の直流抵抗が多めでした。即ち、Lが長いことになります。ポビン径は同じで、線材の太さは同程度でしょう。ということはQが低めということになります。二次側の抵抗値も一緒なので、入出力比1:1ではないかと想像しました。即ち出力インピーダンスは入力に等しいと考えられます。であれば後段への影響は限定的です。むしろ、Q1022のICEが低下する可能性が高いのと、エミッタ電圧が下がりすぎるとダイオードSWの動作に影響を及ぼすことを懸念する必要がありますが、同時に“発振”のリスクも低下します。ということで、色々と考えた結果、施工に踏み切ることにしました。結果はオーライです!! 全く聞こえなかったAM受信時のノイズがSPから出てきます。SSGで30%MODを突っこんだところ、トーンがSPから出てきました。比較対象が無いの是か非かは何とも言えませんが、実用的な50MHz AM受信機として機能復活を果たしたようです。

交換対象のIFT
交換後のIFT(コアネジ形状が異なる)

【ご依頼内容】

  1. AM復調故障
  2. その他

 について、作業・修理を承りました。

【工数】

 上記作業に3.5人日を要しました。

【交換部品】

  • AMラジオ用IFT (IFT 455KHz 代替として、)
  • 2SC2603×1


TS-690S 修理完了

 こちらも前回お伝えしている通りです。直前に施工した別のTS-690も全く同じ症状でした。AFの470µF故障というのは、もはや定番となりつつあります。既に交換部位の写真については前号でご紹介していますので割愛します。

【ご依頼内容】

  1. AFゲインを上げても音量が上がらず

 以上について修理・作業を承りました。

【工数】

 上記作業に2.0人日を要しました。

【交換部品】

  • 470µF /16V ×1


FT-736M

 フルオプションのFT-736です。50MHz〜1200MHzまで搭載し、全バンドが生きてます。ご相談は以下の通りです。

1)430MHzのFM受信時聞こえるノイズ
2)送信時にノイズがのる
3)ヘッドホン使用時 ハム音が気になる ( DIMボタン操作で変化)

 以上について、1)のみ確認できました。2)3)については、弊社環境では顕著な事象を確認するには至っておりません。特に2)ついては、マイクケーブルからの回り込みは確認しています。空中線路(同軸ケーブル)やコネクタをの半田不良やSWRを確認して頂きたく存じます。3)についてはソニー製の高級ヘッドフォンで無変調を受信し、AFをモニタリングしましたが、ハム音は聞こえません。本機は電源搭載機ですので、大容量コンの劣化なども考えられますが、ACラインに乗ってくるコモンモードノイズに起因する可能性がございますので、こちらもご確認ください。

ヘッドホンでモニタリング

 さて、1)についてであります。こちらは430MHzのみで確認しています。IFは各バンド共通ですので、バンド切替SWのダイオードよりも430MHzのRF側で発生していることは間違い有りません。この手のノイズとなると、増幅素子の劣化やケミコン劣化を疑うほか、半田クラック・スルーホール陥没による接触不良も考慮する必要がありまそうです。ケミコンは着脱しませんとコンディションの確認ができません。目視での液漏れなどは確認できておりません。かなり腰を据えた作業となりそうです。こちら、小生の担当になりました。

 


TS-50V 進捗

 すみません。SではなくVでした。過去記事も訂正しておきます。こちら、次々に問題が出てくる個体です。(汗)まず、突然DDSが動かなくなりました。どうやらケミコンが相当数ダメっぽいです。目視では分からないのですが、コンパネ・PLLともに大量の実装ケミコンが使われており、これらの多くをサンプリングする必要がありそうです。未だに予定工数が見えてきません。担当エンジニアが相当苦戦しております。(>_<) 週明けには修理方針が定まると良いのですが・・・。

 今週のミッションはこんなところであります。冒頭で触れた通り、明日は厚木航空隊におります。お近くの方はマーカスへ!! 多分ゲート奥のロータリー裏にある芝生(仮設ステージ前)にいると思います。430MHzのハンディーでも持っていこうかな。皆様、良い週末をお過ごし下さい!!m(_ _)m

 

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