TR-9000G ご出場 / IC-551D ケミコン交換終了【2017/11/08】
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おはようございます。雨の横浜です。ここ10日ほど“朝ラン”“夜ラン”ともお休みしています。どうも体調が優れませぬ。消化器系不調・・・。明日・明後日は今年初の忘年会であります。(早い?w)飲み過ぎないように注意しま〜す。そうそう、“平成29年度 自衛隊音楽祭り”(日本武道館)が近づいて参りました。陸幕さんから18日の“招待公演”にご招待を頂いたのですが、実は17日〜18日と福岡出張(中継技術の打合せ・ロケハン)が入っておりました。が・・・・
「あ〜残念」となるところでしたが、福岡のRKBさんから「翌日にリスケしてくれ」と言われたのでラッキー!!! 伺えることになりましたぁ。この音楽会、応募倍率20倍以上とのことです。海自東京音楽隊 三宅由佳莉3等海曹の歌声を堪能して参りたいと思います。まぁ、横浜や横須賀でしょっちゅう聴いているのですが、陸海空自衛隊に加え、米軍バンドも出演する音楽会は規模が違いますね。楽しみです。♪♪ そうそう海自東京音楽隊が新しいアルバムをリリースしました。「シング・ジャパン-心の歌-2017」であります。iTune Storeで試聴しましたが、三宅3曹が新旧日本の名曲をオーケストラをバックに見事に歌い上げておりました。お勧めのCDであります。
TR-9000Gの作業を終えました
多臓器不全状態の個体をお預かりしておりましたが、作業を完了しましたのでご報告申し上げます。

“CWサイドトーンが出ない” こちらはOSC(CR発振回路)の動作不良でした。前回ご報告の通りですが、トランジスタのhFE低下が原因だったのか、コンデンサまたはダイオードの不良だったのか、ハッキリしません。OSC部は流石にタンタルを使用しているので劣化は限定的と思われます。ダイオード、ケミコン類を交換した時点では復旧せず、トランジスタを2SC7755E→2SC1815GR→2SC7755Eと交換したところ、正常に発振するようになりました。顕著な相違点はhFEくらいです。OSCですのでhFEが低下すれば発振し難くなるのは当たり前なのですが、200程度あれば発振するはず・・・。実は回路シミュレーション・プログラムにOSC部分を書き出して確認もしました。hFE=100程度で800Hzを発振し始めましたので、2SC1815GR(実測 hFE=200程度)でも問題なく発振すると思うのですが、結局2SC7755E(実測 hFE=300以上)に交換し正常に発振し始めました。複合的な故障だった可能性も否めません。
“短点・長点がひっくり返る?” とのことでした。本機にはキーヤーは内蔵されていませんし、意味が理解できなかったのですが、恐らくサイドトーンが聞こえない状態で打電されたことで、ミス・キーされたのではないかと思います。若しくは、キャリア漏れのせいでしょうか・・・。こちら症状は確認できませんでした。
“周波数ズレ”については、1.5KHz程度の離調と伺っておりましたが、実際はそこまで酷くはありません。800Hz〜1KHz程度ではないかと思います。本機はTCXOを搭載していませんのでQRHは否めませんね。コールド・スタートから30分経過しますと200Hz程度ドリフトします。即ち暖機運用する必要がありますね。リファレンスOSC、BFOをファインチューンニングしました。また、VCOの離調も大きめでしたの、ここも修正しています。周波数ステップが狂っていたため、VFO操作中にある周波数から下に回すと、実周波数が上に移動してしまう珍現象が発生していました。PLL離調にはよくある症状です。こちらもキッチリ調整しました。
“出力異常”については、Hi時3W程度と伺っていました。ラボでは数百ミリワットしか確認できない状態でした。IF〜ドライバまでリトラキングを実施したところ、最大17W程度まで回復(12Wに調整)しました。
“Hi/Lo切替ができない”事象を確認しました。Lo時に0Wとなってしまいます。こちらはドライバユニット内の半田劣化によるものです。再半田の結果、Lo時に5Wを出力するよう調整しています。
“SSB変調割れ” 上記を修理後にテストしたところ、FMは正常に変調するのですが、SSB時に変調が割れまくります。マイクゲインは低めなので、明らかにケミコン劣化の症状です。DBM回路周辺のケミコンを交換した結果、キレイな変調が出るようになりました。
【ご依頼内容】
- サイドトーン機能故障
- CW動作異常
- 周波数ズレ 1.5KHz
- 出力異常
- Hi/Lo切替SW Lo側が機能しない
- SSB 変調ワレ
以上について、修理を承りました。
【工数】
5.5人日
【交換部品】
- フイルムコンデンサ 3個
- アルミ電解コンデンサ 4個
- タンタルコンデンサ 2個
- トランジスタ 1個
- ダイオード 1個
以上にてC/Oであります。
IC-551D 変調ガタガタ・・・
良好な外装コンディションのIC-551Dですが、各部にガタがきています。特に顕著なのは変調ワレですね。FMにするハム音が確認できます。SSBの方はカップリング・コンデンサの劣化と思われるような歪みも目立ちます。こうなるとケミコン全数交換を視野に入れざるを得ません。と言うことで、先週よりメインユニットを取りだして、DCライン系及びAFアンプ〜変調器〜IFステージ周辺のケミコンを中心に30個のケミコンを交換しました。本機のメインユニット裏はカオス状態です。バラック配線の様にリードが張り巡らされており、表のジャンパを外すだけでは基板を着脱できませんでした。半田で固定されたリードバイパス8箇所を外さないと基板が取り出せません。汗 更に、大量のリード線がケミコン交換を阻みます。何故にこんな構造になっているのか・・・。コレ、アイコムさんの当時のリグに共通してます。
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特に酷いのは470µFのアルミ電解です。容量はそこそこ維持していますが、パンク部品を多数確認しました。同容量のケミコンは全数交換です。同様に220µFも劣化が進行中、こちらも全数交換。その他はAF〜IFのカップリングコンデンサを全て交換しました。
ハム音が消えた!!
本機はマイクコンプレッサー回路、IFの一部をPBTユニットに搭載しています。その為メインの次はこちらも施工する必要があるのですが、取りあえずメインを組み戻した状態でテストしたところ、見事にハム音が消えました、SSBの変調もクリアです。キャリアポイントがズレている様な気がしますが、こちらはPLLのリファインと共に調整したいと思います。今日中に作業を終え、明日には負荷テストに移行できると良いのですが・・・。
今日はここまで・・。
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