TS-850・FT-790Rご出場 / FT-736MX ご返却【2017/09/06】

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 おはようございます。曇り空の横浜から失礼致します。測定器の一部が校正から戻ってきたので、ラボ内のレイアウトを変更しました。近々エンジニアのOJTも始まるので、不要品も整理しなければ・・・。そんな訳で今朝は寝不足であります。因みに校正に出していたのはNo.1周波数カウンターとNo.2ミリバルメーターです。半年毎にリース会社系の校正屋さんにお願いしていますが、周波数カウンターはゼロ校正でした。入れ替わりでNo.2カウンターを入場させま〜す。

 今日は案件が多いので与太話はすっ飛ばして本題に入りますね。

TS-850S 復活!!

 大変長らくお待たせしました。周波数表示が逝かれてしまったの修理が終わりました。LCDを表示させるドライバICは二つあって、片方は周波数側、もう片方はメーター側を受け持ちます。今回故障していたのは周波数側のICです。表面実装(機械打ち)されているICで素手で交換することは困難。そもそも部品自体入手できません。こうなるとメーカーでもお手上げとなり、Assy交換できなければ修理不可として返却されてしまうパターンです。本機のLCDトラブルとして一般的なバックライト切れの場合ケミコン交換で直るケースもあるのですが、今回はそこではありませんでした。今回使用したLCDユニットAssy(再生品)はオーストリアのディーラーが在庫していた最後の一枚です。偶然見つかったのラッキーでしたが、そうそう入手できるものではありません。リビルトパーツですので、念の為ケミコンは交換した上で装着しました。

LCD ユニットAssy 着荷(上)
組み込み完了!(動作確認)

【ご依頼内容について】

1) ディスプレイ異常(周波数カウンタのセグメント異常点灯)

について、修理を承りました。

【症状・対処について】

上記1)について、症状を確認しました。 LCD ドライバの動作異常です。 リビルトLCDユニットを調達し、ケミコンを交換の上Assy交換を実施しました。この際、フラットケーブル1本を交換しました。

【工数】

  • 故障箇所診断:0.5人日
  • 部品調達作業:0.5人日
  • LCDユニットAssy交換:1.5人日(コンデンサ交換、負荷テストを含む)
  • 合計工数 2.5人日

【交換部品】

(1)TS-850 LCD UNIT Assy(再生品)
(2)小容量コンデンサ×3
(3)フラットケーブル

 

精密調整実施

 USB/CWのみ送受不可という??な症状で入って来た個体です。調べてみると送信も受信もOKでした。但し周波数が大きくズレています。PLLローカル周波数、78MHz(第二IF)及び各モードのBFOが完全に転けています。外装はメチャメチャ良好な個体なのですが、中身は少々草臥れておりました。USB/CWについてはBFO離調が追い打ちを掛けていたようです。

外装は「新品同様」・・・
内部は・・少々錆が出始めている

【ご依頼内容について】

1) USB、CW送受信不良
2) 周波数ズレ

について、修理を承りました。

【症状・処置について】

上記1)について、承りました。 弊社で8時間以上動作テストを行い、内部も検査しましたがご指摘の事象再現に至っておりません。上記2)について、上記1)の検査実施時に事象を確認しました。 各モードで最大50KHz程度周波数がズレていました。原因はPLLローカル周波数、2nd Lo周波数、各モードのBFO周波数が離調しています。これらを精密調整し、送受信IFをトラッキングしました。 

【工数】

  • 診断作業:0.5人日
  • PLLリトラッキング:1人日(負荷テストを含む)
  • IFリトラッキング:0.5人日(負荷テストを含む)
  • 合計工数:2人日

【交換部品】

ナシ

FT-736MX 修理未着手ご返却・・・

・・・短絡の痕跡も無い

 V/U大型固定機のご入場であります。こちらは144MHzで送信中に異常電流が流れ出力低下とのことでした。しかも内蔵電源のトランス一次側に大電流が流れたとのことで、シャック内の照明が暗くなるほど・・だそうです。こちら二日掛けてロード、内部も徹底的にチェックしましたが、事象再現もなく、症状を起こす可能性がある原因となる短絡が発生した痕跡もありません。短絡レベルとなると、まず煙が出て強烈な異臭が漂うはずです。送信受信とも正常でした。PAユニット内に埃が溜まって結露を発生させたのかもしれませんが、その様な痕跡も一切ありません。う〜〜〜〜〜ん・・・ で、こちらで確認できたのは、ご依頼とは全く関係ないメインエンコーダー異常です。滑りまくっているのでLED劣化・受光素子劣化、或いはピッチズレ、コンデンサ容量抜けが起きている可能性が否めません。オーナー様にご連絡したところ、チャネルダイアルを使用するので「放置」でOKとのことでした。よって、修理作業はせずに検査のみでお戻しします。

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