AS-76 作業日記3【2017/04/20】
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おはようございます。今日も良いお天気です。昨日は季節外れの蒸し暑さでしたが、今日は最高気温は25度を下回って過ごしやすい一日になるようです。朝礼の後は先日の検査結果を聞きに病院へ。その後はサプライヤ回りでございます。今日も一日忙しくなりそうです。
AS-76 復活です!
重厚な名機が完全に復活しました。以下の通りです。
【ご依頼内容】
1)デジタル周波数表示が機能しない
2)デジタル周波数表示ズレ
3)AFリップル混入(ハム音)
4)電球切れ
以上について修理を承りました。
【症状・処置】
上記1)について、症状を確認しました。原因等は以下の通りです。
(1)表示不安定の件
周波数表示ユニット、周波数カウンター・マルチプレクサユニットの電解コンデンサー容量異常を確認しました。
また、周波数表示ユニットの基板スルーホールの導通不良を確認しました。コンデンサーは要交換です。
(2)VFO操作に表示追従しない件
5V定電圧回路が10V程度掛かっており、周波数表示ユニットのIC1が異常発振していました。
上記2)について、1)を修復後に症状を確認しました。原因等は以下の通りです。経年劣化により、1stOSC、2ndOSCの局発周波数にズレが生じています。
上記3)について、症状を確認しましたが、ご指摘の様な顕著なノイズ混入は観測できませんでした。使用環境等により症状の発生具合が変化する可能性がございます。
上記4)について、症状を確認しました。正面左側の電球(ソケット)部の接触不良です。1)2)4)について作業を実施しました。施工後、Sメーター校正、IF,RFのトラッキングを実施しました。-140dBm(測定限界)で受信復調を確認しています。
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【工数】
上記故障・調整箇所判定、部品交換、調整に3人日を要しました。
【交換部品・使用ケミカル】
- 電解コンデンサー×5個
- 基板洗浄剤(サンハヤト)
- 接点洗浄・復活剤(CAIG デオキシット原液50ml)
【作業メモ】
以上の通り、AFハム音に関しましては、弊社内で顕著な状況を再現できませんでしたので未着手です。「暫く使用していなかった」とのことでしたので、エージングすることで症状が緩和した可能性がございます。電球は使用可能状態ですので、交換しておりませんが、輸送中に緩む場合がございます。そのような場合は、太めの輪ゴムで引っ掛け締め付けを行ってください。また、本個体に搭載されている周波数表示ユニットの回路は、お預かりした資料とは異なっておりました。リビジョン時期の違いによるものと思われます。鉛筆書きで記してお返し申し上げます。
これにてご出場であります。
FT-680 作業かかれ!!

6mのコンパクト機です。送受ともにアウトです。エンコーダーに周波数表示は反応していますので、「VCOのロック電圧が外れ」を疑いました。案の定1stVCOの電圧が1V以上離れており、送受不良はこれが原因です。PLL調整で局発は動作するようになりますが、PAユニットのファイナル・トランジスタが故障しています。RX時にベース側に電位を確認しました。本来、TX時のみバイアスが掛かるところです。恐らく、コレクタからの越流でしょう・・・。要交換です。詳細は以下の通りです。
【症状・処置】
上記1)について、症状を確認しました。原因等は以下の通りです。
(1)受信不良
PLLの1stVCOロック電圧が異常値を示しています。規定値への調整を要します。
(2)IFトラッキング 乖離 段間結合トランス、Sメーター指示にズレを認めます。
(3)送信不良
(1)同様、PLLの動作不良により局発周波数が生成されていません。
(4)出力異常 ファイナルトランジスタが故障しています。バイアス電圧が規定値の3倍掛かっており、分圧抵抗器の焼損を疑います。
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以上の通りです。既に隣のラインで作業に掛かっています。
- Aperture: ƒ/1.8
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