TS-820(1)作業順調 / FT-1021X 部品調達中 【2016/12/21】

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 おはようございます。お寒うございますなぁ。今日の最高気温は8℃と平年並みの気温です。昨日は得意先への挨拶周りを予定していましたが、体調不良で中止しました。お陰様で、日中から深夜に掛けラボワークに専念させて頂いた次第です。

 FT-1021Xはオーナー様から”Go”サインを頂きましたので、既に部材調達に入っております。DBMのクワッド・ショットキが要ですので、こちらの到着を待ってから作業に掛かる予定であります。受信感度についてはIFをリトラッキングしてみて、様子を観ながら進めて参ります。

(1)ご入場

 そんな訳で、小生の担当であるTS-820×2、R-820×2の作業が始まりました。年内最後の作業になると思われます。しかし、820ラインを2セットも所有されるなんて、なんて贅沢なオーナー様でしょう!!w 真空管リグの中では比較的に取扱易い機種ですね。何度も当ラボに登場しておりますし、拙宅にも一台眠っています。本機はTS-520をベースに、局発PLL化によってシングル・スーパーにしたKenwood(TRIO)初の周波数カウンタ搭載機です。“コリンズタイプ”と呼ばれるダブル・スーパー機がそれまでの主流でしたが、ミキサー段数が多い分、混変調歪みに対する対策が必要で、シングルスーパーの本機はIF MIXが一段減ったお陰で、IMD特性を気にせずともよくなったと聞いたことがあります。ドライバからファイナルにかけては、ライバルのFT-101シリーズ同様、12BY7A〜SA2001(6146B互換)を使用しており当時のテッパンです。お預かりした1号個体は外装コンディションも良好入場時のチェックでは「送受ドライブ離調」、「受信感度不足」を感じました。埃混入は少ない方ですが、トランジスタ機と異なり高圧部は1000V以上になりますので、冬場に不着した埃に結露で水分が溜まるとそこに電流が発生、発熱すれば発火する恐れが否めません。真空管リグの場合は特に念入りに掃除を行います。毎度登場するモールがが大活躍です。その他、古歯ブラシ、ワイヤーブラシ、エアダスターなどで内部の細かい埃を吐き出します。特に真空管周辺、コイルパック周辺は丁寧に・・・・。真空管は12BY7A、SA2001ともに綺麗でした。ゲッター変色も皆無ですから、使われたことがないか、真空管交換後に使われること無くしまわれていた個体であるとお見受けします。IF、RF、コイルパックに油脂不着の様な痕跡を確認しました。ケミコン液漏れを疑っています

IFユニットが少々草臥れている・・・
こちらは後ほどCWフィルターを取付予定
IFユニットを取り外し整備開始!
ケミコン劣化は1個のみ(意外) ハンダ面を再処理して装着
お掃除道具登場!!
ファイナル・ケース内の埃が酷い・・・
薄積り・・・
プレート・チョークの根元に大量の埃
中和バリコンの羽の間も・・・・
今日はここまで・・

 一通り掃除を終えてから電源投入してみることにしました。異臭や電球切れはありません。SSG終端状態で、RFゲインを最大に無信号受信してみると、Sメーターが下がりきらないことに気付きました。エージングも必要ですが、AGC周りの調整が必要と思われます。恐る恐るヒーターON….。特に変化はありませんが、カチンカチンと真空管が静かに奏で始めました。「未使用」っぽい球なので、こちらも要エージングです。10分経過後、14.175MHzに合わせてDRIVEセンター、LOADゼロ、TUNEモードでSENDスイッチを上げました。メーターが振れています。(球は生きている!!)メーターをALCに切替へ、DRIVEを回して最大点に調整し、メーターをIPに切り替えてPLATEを回して最小点に調整。ここで一旦SENDを下ろします。DRIVEとPLATEの位置からコイルパックの離調を確認しました。受信感度最大点と最大出力のDRIVEポイントがズレていますが、これはコイルパックの調整で解決できます。・・・問題ナシです。今度は最大出力を測定してみます。モードをCWに切替てSENDを上げます。メーターはRFに切り替えます。メータの振れが最大になる様に調整し、PLATEを微調整します。外部のRF電力計の針が70Wを示しました。CARをやや時計回りに捻るとメーターは上昇、何とか100Wに届いています。各バンドで同様のテストを行ったところ、1.8〜14MHzまでは概ね100W以上を確認しました。21MHz以上はやや出力不足、RFトラッキング、ファイナルの中和調整を要します。STBY状態で暫く放置しQRH具合を確認したところ、ヒーターOFFにて300Hz程度ドリフトすることを確認しました。本機にしては平均的な数字ではないでしょうか。ラボのTS-830は800Hz落ちますから・・・汗 

 と言う訳で、チューニングの方向性が定まったところであります。今日はRFユニットを着脱し劣化ケミコンの確認・交換の実施後に、IF、RF、コイルパック、PA部のフルトラッキングに入ります。

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