週明けです。【2016/05/09】
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このタイトルがやけに懐かしく感じます。丸々一週間ブログの更新をストップしていました。GW前半の2日間は予告通り伊豆旅行、 その後は結局ラボで無線機修理でした。ft-101e(その2)の交換部品も届きましたので。笑
まぁ、予想通りです。トピックはいっぱいあるのですが、それらはおいおいお話しするとして、カオス状態のFT-101E(その2)地獄の出口が見えてきたところです。既に4週間が経過し、未だかつてない故障箇所の連続に精神的にも肉体的にも限界に近づいています。
ユニット間に回路図記載のないトリマー

またこのパターンです。FT-101は同一シリーズでも製造時期によって仕様が異なり、今回は手元の資料との矛盾にも悩まされた。拙宅シャックに所有する同型機も必要に応じて分解しながらの作業となりました。結局最後まで悩まされたパワー不足の原因は、回路図に無いトリマー・コンデンサーの不具合と判明しました。第一混合のIF入力のコネクターの半田面側にバラック付けされており、波形整形(マッチング)用に増設されたものであると考えられます。自己所有のFT-101Eや部品供出用のドナー個体内には存在しない部品で、正規のサービスマニュアルにも記載がありません。この様な部品が数カ所で確認されました。このトリマーを外し回路図通りにバイパスさせたところ諸問題は一気に解決、ローバンドでは定格を超える出力が得られる様になりました。ハイバンド側も28MHzを除き概ね100W近く出ていますが、ファイナルの出力がドライバーに回り込んで発振を起こす傾向にあり、PLATE、LOADINGの調整が極端にクリティカルです。自己発振のトリガーはスプリアスであることは間違いないのですが、ミキサーやローカルの出力レベル調整だけでは追いつきません。ミキサーからドライバー段に至る経路上の全ケミコン・半導体の交換、基盤の洗浄、GNDの取り直しなどを行うべきかもしれませんが、大幅に工数超過している為手付かずです。PRESELECTORでIC最大、PLATEでIC最小にした後は、LOADINGのみの調整でパワーを絞り出して頂きたいと思います。PLATEをズラすと発振しますのでご注意を!!。因みに、送信から受信に移行してザザザ・・というノイズが聞こえる場合はドライバーが発振していますので、LOADINGを大きく回してRFをANT側に逃して下さい。放置すると12BY7Aのブリーダー抵抗が焼け落ちます。(コレは101共通)この現象は14MHz以上で起こります。回路図に無い複数の部品はこれらの対策用であると思われます。調整中は必ずICの値に注視して下さい。0.4A以上の連続送信はきけんです。また、急激にICやパワーが上昇するポイントは確実に発振していますので手前で抑えて下さい。厳密には2トーンを入れて同調をとるべきですが、「はぁー」とマイクで叫びながら安定して最大出力が得られるポイントに調整するのが宜しいかと。以下に記述する事情で同調回路がクリティカルですので、シングルトーンでの調整ではダメです。
どちらがオリジナルの製造番号??
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また本個体はリアパネルのシリアル番号と筐体に貼られているステッカーのシリアル番号が合致していないことからニコイチ個体である可能性が高く、在るべきモノがなかったり、、、。また、28MHzに関しては整合が取れず調整を断念しました。μ同調(ギロチン)をサービスマニュアルおの手順通りに28MHz基準で調整すると、14MHzが整合しないためトリマーに並列接続されている補正セラコンの値を変えることである程度は調整範囲を拡大可能(実際に相当追い込んだ)ですが、Qが大幅に変わるためクリティカルになりバンド全体での整合が不可能になります。μ同調はQを優先させているため、経年劣化この様な事象が発生しますが、流石にコイル巻き直しまでは対応できません。m(_ _)m 因みに、ドライバ出力側の同調回路は14MHz、7MHzの補正コンデンサーの値が回路図表記の値から大きく乖離しており、μ同調の離調に対応させた為だと思われます。この後はCWフィルターの取り付けと、キャリアポイント調整を行って最後の仕上げと致します。USB復調異常の修理から始まり、底なし沼状態に至った個体ですが何とか出口が見えてきました。
今後の修理予定
今週から2ライン体制に戻して頑張ります。
- FT-101E キャリアポイント調整、ファン修理
- IC-736 表示異常
- TR-6 全般検査
- NRD-535 PLLアンロック
- TS-830 AGC不良?
- FT-901 ヒーターSW オンオフで受信感度変化??
- 上記以外の無線機