CX-11A キーヤー異常の原因判明  IC-821は順調 【2016/03/30】

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 おはようございます。今宵辺りは夜桜が楽しめそうな横浜地方であります。昨夜は深夜2時過ぎまでと格闘・・。せっかく本体の修理が完了したので、難儀なものを発見してしまいカオスに突入中です。

は調整工程へ

基準信号の校正終了
基準信号の校正終了

 昨日もパラレル作業です。日中はIC-821の作業が中心であります。スルーホールの再ハンダ付け作業を終了しました。本日、PLL(OSC、LOCAL、ロック電圧)とIF(主にBFO)の調整を行います。こちらは標準水晶が実装されていますが、経年の割にはドリフトも少なめでした。取りあえず基準信号は写真の通りバッチリ校正しております。オーナー様からは2台のV/U機をお預かりしておりますが、IC-821か今週中にC/Oできそうです。

 こちらは順調です。

 

 

CX-11A キーヤー異常の続報

 LM339をオーダーしましたが、全く規格違い。先日のPLL部IC同様、現行品は表面実装のマイクロ・デバイスでございました。早い話が “使えません” 。 ただ、調べて行くとIC異常ではないような気がしています。LM339はソケットに刺さっているの外してブレッドボード上でテストしてみたところ、普通にコンパレーターとして各チャンネルが動作します。作業開始時から気になっていることは・・・

  • 電圧降下 VCC4.3V(規定値5V)しか掛かっていない
  • LM339周辺の回路定数が変更されている?

 前者に関しては、そもそも本機は115V定格のため100V環境下での調整に無理があるかもしれません。レギュレーターの限界電圧を下回るため、電圧降下が末端電圧に直接影響します。また、本機のキーヤー回路はそもそもクリティカルな設計のため、ヒゲの様なトリガーでも発振する恐れがあります。

 後者に関しては、前者に絡む部分でもあります。特にLM339周辺のNFB定数が微妙に変わっていたり、無いはずのコンデンサーが追加されていたりと、明らかに自己発振と戦った形跡があるのです。

5Vライン上に200mVのリプル混入
5Vライン上に200mVのリプル混入
6800μFパラでリプル抑制
6800μFパラでリプル抑制

 オシロを充てて見えてきました。キーヤー動作に関係なく変な波形が漏れ出ています。オシロの内蔵周波数カウンターは100Hzを表示しています・・・。矩形波のような頭打ちの波形ですが、50Hzのリプルとみて間違いありません。電源ラインにオシロを充てて愕然としました。5V(実測4.3V)のVCCラインで200mVのリプル混入は酷すぎます。試しに6800µFをパラで基板のVCC入り口付近に取り付けてみたところ、リプルが大幅に減少しました。この状態でキーヤーをチェックすると発振が止まりました。なんと、自己発振のトリガーは電源のリプルだったのです・・・トホホ。 

 間違いなく電圧降下が原因。本体側の修理ラインでは115Vチェックしていたため、AFにもハム混入は感じられませんでした。115Vの昇圧トランスを持ってきてテストします。

 

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2 Responses to "CX-11A キーヤー異常の原因判明  IC-821は順調 【2016/03/30】"
  1. いつもながら流石ですね。 業務上 交渉が難航している時など 故障原因の追い込み法を 頭に浮かべて参考にさせてもらってます。 ありがとうございます。 想わぬところの原因に気づくことがあります。修理というのもヒュ-ウマンウエアですね。

  2. 昔「迷った時はオシロに聞け!!」と習いました。 正に聴診器ですね。それを忘れて遠回りしています。(反省)

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