HL-130U 修理に着手 【2016/03/24】
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おはようございます。南関東はボチボチお花見の季節でございます。赤坂組の花見は主が移動になったため、昨年以降はやっていません。無線関係の寄り合いも都内でお花見を開催する予定ですが転居後は完全にアウェイとなり、こちらも昨年から欠席。唯一、同窓会系の花見に参加予定です。
無線機修理のオーダーを溜め込んでしまっているため、急ピッチで対応中です。CX-11A、hl-130u、IC-Δ100の3台をエンジニア2名体制で対応中です。
ハイパワーUHFリニア HL-130U

かなり古いリニアですが、430MHz帯では数少ない50W超えの機械です。こちら、送受(プリアンプ)不良とのことでお預かりしました。スルーでは電波が出ていくようですが、ON状態では全く出力しません。受信に関しては、一応正常にプリアンプも動作しているようです。VCC周りを中心に確認後、ファイナルとドライバのバイアス電圧をチェックしたところ、0Vでした。バイアスのラインを追って行くと、2SD526Yのエミッタに電位がありません。コレクタに繋がるR67 15Ω/5W(セメント)が異常発熱しています。コレクタも0Vです。「そんなはずはない・・・」抵抗の反対側には13.8V掛かっています。ということは・・・・。電源を切ってコレクタの接地抵抗を測定すると、ほぼ0Ωです。2SD526Yの規格を調べるとコレクタケース接続と記されていました。見ればトランジスタを固定しているネジが金属製です。コレクタケース接続の場合、プラ・ネジを使わねばなりません。??です。

2SD526Yを交換しGNDから浮かしたところ、バイアス電流が流れ始めました。それでもアンプが動きません・・・。今度は入力端子からオシロを充てながらラインを追って行くことにしました。まず、送受切替のPINダイオードの一つが逝ってます。MI401という型番で、430MHzの送受のスイッチングに使われるダイオードです。この部品は既にディスコン、流通在庫も確認できません。海外のサプライヤーも確認しましたが見当たりません。代替出来そうなPINダイオードを漁っているとUM9401 が見つかりました。偶然なのか、型番も少し似ていますね。他に代替出来そうなものも見つかりません。取り敢えず、これを試してみることにします。
ドライバ段もアウト
入力経路上の故障を見つけたため、そこをバイパスしてドライバ段手前のベース・バイアスラインと入力端子を1000pFで短絡させましたが、コレクタ側には出力されません。こちらも破損フラグ決定ですね。諸々の故障原因は「過大入力」と診ました。