CX-11A 修理着手 【2016/03/17】
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おはようございます。アサイチ投稿復活!! 柳澤OMが渋谷でお仕事に励んで居られるお姿を拝見しながらの投稿であります。さてさて、平行作業中のcx-11aについて作業経過をお知らせしましょう。
Singnal / OneのCX-11Aは、コリンズの流れを組む“アメリカ〜ン”なリグです。1980年代前後の製品で、送受不良・周波数表示異常とのことでお預かりしております。担当しておりますエンジニアによると「測定器の様な中身」とのこと・・。ハイグレードなパーツを惜しみなく使用し、拘りが感じられる作品(製品)です。

電源を入れてもVFOの表示が変化しない

PLLの出力は出ているがVFOを回しても周波数表示は9000のまま変化しません。上位2桁はバンドスイッチで変化するが、これはただスイッチに連動してバンドを表示しているだけ。PLLのVCO電圧は、VFOを回しても変化しません。PLLのダウンカウンタの出力周波数がバンドを切り替えても変化しないので、このICをまず疑って代替品を入手しました。ところが、入手したICの幅が変換基板と合わず、写真のように片側をジャンパして接続この加工が一苦労・・・。
写真のように取り付けて試すと、PLLは正常に動作、バンドを切り替えるとVCO電圧も変化するようになりましたが、VFOの表示は相変わらず変化しません。元のICに戻すとPLLは動作、どうも接触不良が原因か?手間をかけたが、苦労は報われなかった・・(涙)不良個所はPLL以外にもありそうです。
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引き続き、故障箇所調査中
- PTO(VFO)の出力をチェック
- VFO A,B共に信号が出ていない
- 信号が出ない原因はVFOのON/OFF信号がOFFのまま
この信号を回路図から追うが信号名が行く先で違うので、1日費やしても信号の経路が追えません。そこで原則に帰り、電源電圧をチェック。-15Vが0Vになっている事を発見、-15Vのレギレータを外して出力とGNDの抵抗を測定 これが0オームで、負荷側のショートと判明。しかし、-15Vは各基板に行っているので、マザー基板のコネクタを一個ずつ外して、ショート基板を探しだしました。ようやくPLL基板の上にある孫基板のALC基板にたどりつきました。ここまで外したコネクタは10か所以上。

-5V系の部品を外していって、4.7uFのタンタルコンデンサのショートが原因だと判明。外したタンタルの抵抗を測定したところ、0.217Ωを示しています。コンデンサを積層セラミックの10uFに交換して-15V電源を回復、VFOを回すと周波数の表示が変わるようにりました。
ここでヘッドフォンを接続すると・・
- 雑音が聞こえる。
- SGを接続するが、信号が受信できない。
- -30dBmもレベルを上げても信号はかすりもしない。
- ボリュームを回すとかなりのガリオームになっていて摺動時の雑音がひどい。
- 電源電圧を100Vで試験しているので、ハム音も大きい。
115Vで試験するつもりですが、かなり古い無線機なので、この先何があるかない・・。
何れにしても、本格的なオーバーホールとなりそうです。