IC-746 着手 【2016/03/16】

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 お疲れさまです。本日も少々“オーバー・ローディング”であります。IC-732の修理が完了し負荷テストもOK、出場ラインに出したところです。引き続きアイコム機が続きます。今度は、こちらは所属クラブのメンバーOMよりお預かりしました。

一見正常?
IC-746 ・・一見正常?

 まず受信チェックを実施、HF〜50MHzまでほぼ規定値通りの性能が出ておりました。OMからは「50MHz送信不良」とお聞きしましたが、如何に・・・。本個体100W機のはずですが、HF〜50MHzまで10W(50MHz)〜50W(14MHz)程度しか出てきません。しかもバンドによって疎ら・・・。かなり年季の入った固体であります。OMのアマチュア無線ライフを支えてきた盟友とお見受けしました。多少なりとも云十ワットの出力が出ていることから、ファイナルは生きているようですね。まずは資料集めから・・。IC-746の入場は始めてですので、サービスマニュアルから入手します。回路図を含め難なく調達完了です。

まずは送信系統のアライメントを調整していきましょう。

 まずは概況から。本機にはHF〜50MHz/144MHzが付いています。この固体はHF〜VHF全バンドとも出力が低いため、ドライバ段(2SC1972)若しくは144MHz/HF〜50MHz切替リレー辺りを疑うのが妥当です。本機はIF〜ドライバ段までは全バンドが乗ってきますが、ファイナル手前で分岐、HF〜50MHzは更にLPFと内蔵ATUを通過して2系統のANT端子に出力されます。サービスマニュアルに従って、IFトラッキング、APC調整、ゲイン調整を行いましたが、既に限界値付近に設定されていました。「むむむ、これは50W改造されているのか??」と疑ってみたものの、ゲインVR付近に抵抗は取り付けられていません。オシロで出力波形を追いかけてみると、ドライバの2SC1972(p-p)後ろの出力トランスまでは正常に増幅しているようです。 後から、半分程度しか出力されていないことが判明。しかも、HFで20〜50W、144MHzでは10W弱出ていますから、少なくとも両側のファイナルまでは正常に信号が届いている訳です。ファイナルのバイアス電圧が何れも規定値の2割程度でした。両バンドともバイアスTRは2SD1406が装着されています。何れもベース・コレクタには規定値の電圧が掛かっています。同じトランジスタが2個同時に壊れたようですが、珍しいこともあるもんですなぁ。他にもまだトラップがありそうですが、まずはこのバイアスTRから交換してみることにします。

HF側の2SD1406
HF側の2SD1406
144MHz側の2SD1406
144MHz側の2SD1406
2016-03-16 11.37.31
脂と埃に埋まったPAユニット 取りあえず洗浄
チップの抵抗内蔵トランジスタ・・これも怪しい
チップの抵抗内蔵トランジスタ・・これも怪しい

 

 

 

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2 Responses to "IC-746 着手 【2016/03/16】"
  1. お手数かけて恐縮しております。
    故障履歴がなく50MHzだけと推定しておりましたがかなりへたっているようですね。
    理論はわかりませんがBVXの苦戦をしっかり読んでおります。
    今後はパワー計(SWR)でモニターしながら使用します。
    計測器メーカー(YEW)のOBとして情けなく思います。
    宜しくお願いします。

  2. OMおはようございます。受信については問題ありません。50MHzもドライバまでは問題無く出てきます。記事にも書きましたが、HF系・144MHz系ともファイナルのバイアスが規定の2割程度の電圧です。両方同時にというのが解せませんが、取りあえずチャレンジです!w 2SD1406を調達中です。少々お待ちを! 

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