IC-732 作業終了 【2016/03/15】

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 お疲れさまです。今朝はアサイチ投稿をサボってしまいました。m(_ _)m ちょっと朝からテンパっており・・。早速本題に入りましょう。の送受不良の修理作業が完了しましたのご報告申し上げます。

 お預かりした固体は、2〜3ヶ月ぶりに電源を投入したら送受不良になっていたとのこと・・。やはり疑わしははPLL周辺です。恐らくロック電圧が少しずつズレていったものと思われます。本機種をはじめ、当時のアイコム機によくみられる症状です。「5〜6年前に同様の症状が発生しメーカーにてトリマーを交換した」とのことでした。仮に疑っている箇所だとすると、交換から5〜6年で規定値ズレということは、トリマー自体の不良、若しくは周辺のケミコン異常か・・。とにかくチェックしましょう。

PAユニットの下のPLLを掘り出すww
PAユニットの下のPLLを掘り出すww

 IC-732のPLLユニットは、PAユニットとメインユニットに挟まれた第二階層に置かれているため、アクセスが少々厄介です。上蓋を開けてPAユニットを外すのですが、最初にメインユニットとATUに回り込んでいるジャンパー同軸と電源ケーブルなどを取り外さねばなりません。7箇所のビスを外して慎重にPAユニットを取り出しますが、この状態では完全に取り外すことは出来ないので、フロント側に立てかけることにします。PLL調整時に電源投入するので短絡しないよう注意して・・・。

DDS Loop 電圧が大きく乖離
DDS Loop 電圧が大きく乖離
規定値1.0±0.1Vに調整
規定値1.0±0.1Vに調整
調整箇所
調整箇所のトリマーC205

 PLLユニットの主要部分はシールドカバーで覆われています。ここは適宜取り外しながらの作業となりますが、シールドの有無でリザルトが変わる場合がありますので調整穴がある箇所はシールドを付けた状態で調整すべきでしょう。取りあえず“疑惑の箇所”にアタック、DDSのLoopバック電圧を疑っているのですが・・。R133の電圧を測定します。14.100MHzに於ける電圧が1.0V±0.1Vでなければいけませんが、“案の定”でした。

 規定値を大きく乖離し、2V弱出てしまっています。この電圧は周波数によって変位しますが、2.4Vを超えるとロックが外れて暴走します。14.200MHz付近では恐らく暴走してしまい、アンロック状態にあると思われます。逆に電圧が低すぎてもダメ。当然、各バンドでも同様の症状が起こります。ココの調整はC205のトリマーで行いますが、非常にクリティカルです。トリマーが劣化すると、軽く小突いただけで電圧が大幅に乖離するので、調整には細心の注意が必要です。5〜6年前にメーカーで交換した箇所はココでしょうか・・??。トリマー自体はまだ大丈夫そうですね〜〜。HPL側のロック電圧も4つのVCOを調整、それぞれ既定値の7Vに合わせました。更にクロック周波数、リファレンス周波数を確認しましたが、ここは規定値が出ていました。この状態で軽く送受チェックを行ったところ動作が確認できましたので、PLLユニットと、上層のPAユニットを元に戻しました。

クロック周波数は規定値誤差範囲
クロック周波数は規定値誤差範囲
送受可能状態に復帰
送受可能状態に復帰

送受とも問題なし!!

 14.1800MHzにSSGか0.02µV(SSGの最低出力)を入力したところ、かすかにトーンが聞こえます。感度は十分でしょう。既定値にSメータも校正しておきます。他のバンドもチェックしたところ問題なく受信できました。送信は各バンドでCWキーダウンで100W越を確認しました。また、SSBでの送信変調も問題ございません。

 

 

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