IC-551 修理完了 【2016/02/12】
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おはようございます。連休中日の金曜日でございます。昨日は「関東UHFコンテスト」が開催され、430MHzは大賑わいでした。HFは14MHz、18MHzのローカル・コンディションが上がっていたようでスコープ内に柱が目立ちましたが、こちらは休日返上で修理作業でございます。ww HL-1Kfxはロードテストも合格、本日チェックアウトと致します。

平行で作業に入っているic-551の電源部ICも昨日着荷、既に交換作業を終えております。お知らせしているように、受信性能の低下を確認しており、IFトラッキングを実施して感度回復させました。同時にSメーターも規定値の0dBµV=S5、90dBµV=+60dBとなるように調整しましたが、半固定VRが劣化しており、僅かな振動をあたえただけで離調してしまいます。その他の箇所も基板腐食が進行しており、コンディションは芳しくありません。送信系統は各モード、出力、BFOともに特に調整の必要はないと思われます。
PLLアンロック発生?

こちらの個体、電源投入直後は周波数が表示されません。PLLのOSC出力電圧が規定値の1割以下です。電源投入から時間が経過すると僅かながらOSC出力が上昇して閾値に到達するようです。原因は水晶発振器の後ろのバッファ(2てい倍)の出力不足、若しくは同調トランス(2段)内の溶断が考えられますが、ここは10mVなければダメで、RFミリボルト計ともに限界測定値ギリギリの1mV程度しか見えてきません。調整でカバーできる範囲は作業しておりますが、作業の方も限界です。一応、VCOリファレンス周波数、VXOの100Hzピッチの調整は行いました。オーナー様のご意向で、作業はここまででストップです。PLLがロックさえすれば、送受とも問題ないのですが・・・。

何れにしても、トランジスタはディスコンです。修理はドナー個体からPLLユニットをそのまま移植するより術がございません。前述のとおり、全体的な劣化が酷いのでフルレストアのベースとしては少々厳しいかもしれません。取りあえず出場とさせて頂きますが、小生としては不本意であります。何とかならんものか・・・。
どうやらCPUエラーが原因
CPUリセットで回避可能!!
色々試したところ、CPUリセットでPLLが正常に動作するケースがあるということが判りました。このリグにはバックアップ電池が存在しません。リチウム電池が使用される前の無線機で、AC(またはDCコネクタ)電源が供給されている状態であればRAMに記憶されたデータを読み出すことができます。即ち電源が接続されていなかったり、停電などが発生すると、RAM内に保存されているデータが消えたり、記録の一部が毀損してしまう訳です。リア・パネルのメモリースイッチがOFFの場合、電源の接続有無に関係なくパラメータ(直前まで表示されていた周波数など)やメモリデータは消去されますが、メモリースイッチをONにしておくと、CPUにのみ電源が供給され続けるためデータが消えないわけですが、この状態で不用意に電源を抜くなどすると、PRAMにおかしな情報が残ってしまう為、CPUがエラーを起こしてしまうのでは無いかと推測します。
本機のリセット方法
基本的には、電解コンデンサーに蓄えられた電荷が完全に放出されればリセットされることになりますが、本来なら無通電時に電源ラインをGND短絡させるべきでしょう。しかし、本機にはその様な機能は備わっていません。少々荒っぽいのですが、以下の方法でリセット可能です。
- 電源OFFにする
- ACコードを抜く
- 電源ボタンを押す (電源ON状態)
- ACコードを挿入する
取り敢えず、この方法でCPUはリセットされるようです。
追記:2016/02/12 20:37
その後、コールドスタートにおいても症状の再発はみられません。