RJX-601 電源部修理 【2016/02/02】
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本日もパラレル進行です。こんな時間になってしまいましたが、まだまだ時間が足りません。(汗)2台目は自家薬龍中の物の一つRJX-601でございます。外部電源接続中に煙が上がったとのことでお預かりしました。

後期ロットのRJX-601で、外装コンディションは超上級、塗装落ちの無い極上の601は久しぶりです。こちら、DC接続中に煙が出たとのことです。601は通気用のルーバーが無いため、煙が出るということは、中は火炎状態の可能性が高く、案の定凄いことになっていました。まず、蓋を開けて愕然としたのは、DC端子から電源SWを兼ねるAFボリュームに至るリード線が焼けただれていたこと、更にその先の逆流防止ダイオード(ブリッジ)が破裂しており、その先からSP端子に至るリード線も焼け爛れていたことです。当初、単純な逆極性電源接続に電源焼損を疑いましたが、そうでは無いようです。RJX-601は終段コレクタ変調で、ファイナルの2SC1306のコレクタに掛かるVCCラインに変調トランスが挿入されています。更にこのトランスは受信スピーカーの駆動にも使用されるため、スピーカー・ラインはVCCと同電位です。即ち、スピーカーは12Vの電位上で駆動するということになります。この様な構造は、部品点数を減らすための苦肉の策で、非常に珍しい回路構成ですが、同時に取扱には注意が必要です。例えば、電源を共有する他の無線機器と外部スピーカーを共用することが出来ないことになります。リード線の焼け方から「その様な使い方をされた可能性が高い?」と推察します。
焼けただれたリード線と破裂したダイオード・ブリッジ
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ドナー個体からの部品移植

まず、逆流防止ダイオード(ブリッジ)はディスコン品の為、ジャンク個体からのドネーションです。前述の外見通り中は完全に逆導通しています。次に、先に繋がる定電圧トランジスタ、ツェナーダイオードも調べましたが、これらは無事でした。取りあえずドナー個体から当該のブリッジを抜き取ります。RJX-601のハンダ面はシールド板で覆われている箇所があり、このブリッジはシールド板の真下になるため少々手間です。シールド版の四隅と中央2箇所のハンダを吸い取ります。覆いを外して基板ハンダ面にアクセスしました。目当てのブリッジも同様にハンダを吸い取ります。同じ作業を修理個体でも行います。掌に故障したブリッジとドナー・ブリッジを並べ、各リードの導通テストを実施すると確かに壊れているのが分かりました。焼けただれたリード線のうち、他のリード線に融着した部分を切り取って、別のリードでバイパスしました。これで故障箇所の修理は完了です。

メンテナンスパックのメニュー通り、マイクアンプのトランジスタ2個、NFB定数変更、FMナロー化にともなうR80の定数変更、カップリングコンデンサー(タンタル)のオーディオ規格アルミ電解化、CAL用29MHz水晶の51MHz(30MHz)化、アンテナ回路の56pF追加を行いました。本個体はAF野バランスが良く、パックメニューだけで、フラットな変調特性となりました。(ビデオ注)
AMピーク変調で6w
何故かパワー不足、外装状態が良いだけに不思議です。1w出ていますので単なる離調でしょう。IFから追い込んで行きます。スペアナで見ながらスプリアスの少ないポイントを探り、RFまで調整したところ。キャリアで3.5w、AMピーク変調で6wまで回復しました。VFOアライメント、 受信アライメントもキッチリ実施。オーナー様からVFOダイヤル無いの埃除去のご依頼が頂いていますので、フロントパネルを脱着して隙間からエアダスターを噴射して埃を飛ばしました。仕上がりは上々です。
- Aperture: ƒ/2.2
- Camera: iPhone 6
- Focal length: 4.15mm
- ISO: 250
- Shutter speed: 1/15s
外部スピーカにつなぐときは注意が必要ですね(^_^;) 外部電源も逆なので、VX8Gを逆接で壊してる私にとって逆接にも気をつけないと・・・
IC-502シリーズも外側+でしたね。しかし、SP端子のコールドに12Vというのは「他社製品は繋ぐな!」ってことですね。専用のSP電源では何ら問題ありません。ww
このRJX601の所有者です。故障のきっかけは外部スピーカー、マルドルデュアルスピーカー、HSP-DR1と言うもので、音声に合わせてイルミネーションが光る20年程前のスピーカーです。綺麗な601だったの修理ができて本当に良かったです。これに懲りて外部スピーカーは繋がないとしみじみ思いました。
はじめまして。修理を担当しましたJG1BVXことタブチでございます。今、カルテを見返していましたら、煙ではなく異臭ですね・・・。(>_<)
> 故障のきっかけは外部スピーカーを繋いだマルドル、デュアルスピーカーHSP-DR1でした。音声に従ってイルミネーションが光る12v給電する20年程前のものです。
なるほど、やはりそうでしか!
リード線が2本焼けていましたが、部分切除でOKでした。
しかし、この個体キレイ過ぎます。マイク端子もピカピカに輝いてました!!