HL-350Vdx 故障箇所特定【2015/12/03】
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本当に今回は手こずりましたね〜〜。何とか元巣に辿り着きました。NJM2072の5番ピンに繋がるダイオードが逆極性に対して僅かに導通があることを確認。ココは当初より何度も確認してきたのですが、全く気付きませんでした。ブレッドボードまで持ち出して回路図通りに再現しシミュレーションも行いましたが、ボードと実装状態では出力電圧に大きな差があったので、周囲のパーツを1本1本交換しながら確認。ダイオード10本、コンデンサ14本を交換して正に最後の1本がヒット・・・。
複数の故障を確認

ACC/REMOTE端子に繋いだ自作機器で発生した短絡に起因し、制御基板の一部が焼損。ココが炭素化して更に短絡を誘発していたようです。また、5V系電源ラインがTX/RX時に0.4Vの電位差を発生。NJM78L05が何らかのストレスで動作不安定になっているようですが、入力電位が僅かに上下するだけで出力が左右されてしまうというのは、まぁアウトですね。因みに本機は大飯喰らいの高出力トランジスタがドライバ・ファイナルに5個使用されています。その他にパワーリレーを10個使用するなど、スタンバイ状態でも相当な電流消費量です。コンティニュアスに50A以上を出力する大電源を使用しないと安定動作しないでしょう。因みに、一緒にお預かりした60A電源はインバータが完全に逝かれており修理は不可能です。BVXラボの電源はMAX50Aが最大なので、本機のフルテストには少々役不足です。Hiモードで25W程度で押しても、部屋の明かりが暗くなるのが分かります。(汗)そんなリニアアンプですから、電源ラインの引き回しはシビアであるべきです。ヒューズは4箇所に6本使用され、TX時や異常電圧時のプロテクション回路もしっかりと作り込まれていました。故に今回の故障は意外です。
5V系電源回路は容量不足

NJM78L05は 最大100mAの小回路用3端子レギュレータです。本機の場合、5VラインはNJM2072の他に、DC-DCコンバータや複数のオペアンプ(メーター駆動用)に電源を供給していて、最大100mAでは少なすぎるような気がしました。NJM7808の手持ちがあったので基板裏に副電源回路を追加、NJM2072は電位変動で動作が不安定になるため、5Vラインから切り離して7808で駆動させる改造を施しました。12V系は主電源回路からダイレクトに来ているので、そのまま7808を接続。回路保護として出力側に330Ωのソリッド抵抗(3w)を接続しました。NJM2072のVCCで6V程度の電位が確保される計算です。NJM2072は8V定格ですが0.9V〜7Vが推奨値です。
組み直し作業

メーター照明の球切れを確認しています。こちらは白色超高輝度LEDへ交換しました。その他、NJM2072の6番、7番にコンデンサを増設、発振防止用の対策としました。軽微なテストは動作確認できたので組み直すことにします。どうやら受信プリは逝かれているようですね〜〜。オーダー外なので取りあえず処置は見送りますが、スルーで十分使用できます。その他、RF回路も確認が必要なので、もう少々お時間を頂戴したく・・・。
明日は早朝より大磯出張です。チャックアウトは来週火曜日頃を予定しています。