FRDX400 に着手(動画追加) 【2015/11/12】

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 FT-101ZDは週明けにはチェックアウトできそうです。入場時とはベツモノになりました。送信系は特にチェックしていませんが、送受の周波数ズレは解消しています。総仕上げまであと一歩でございます。予告通り、FRDX-400をラインに上げました。八重洲無線の400ラインの受信機です。

 小生の開局は70年代後半ですので、400ラインは近所のOM宅でチラ見した程度の記憶しかありません。セパレート型の無線機システムというと「高級機」というイメージです。TS-311でスタートした小生には無縁でございました。をお引き受けするようになってからは何度かご対面しております。60年代の無線機ですから小生と同世代です。実に半世紀前の受信機です。

15m が聞こえてこない

FRDX400 ご入場!
ご入場!

 取りあえず電源を入れてみます。一旦メーターが振り切りますが、これは真空管時代のAGCでは普通の光景です。数十秒後にSメーターが下がって、AFからノイズが聞こえてきます。80mバンドでテストを開始。SSGから突っ込んだ電波をキャッチしメーターが振れることを確認。160m、40m、20mの各バンドも試してみます。セレクタツマミで同調点を探しながらバンドを移動。感度もまずまずです。15mはホワイトノイズも少なめですね〜〜〜。「おやおや、聞こえないぞ!」10mも4つあるウチの1つしかホワイトノイズが出ていません。ヘッドフォンでモニターしながら再度セレクタツマミを回してみます。ディップポイントが見つかりません。???? バンドセレクタは7連のロータリースイッチです。回路図を眺めていてすぐに閃きました。「もしや水晶の接触不良では?」 15mを受信しながら水晶をコツンと突いてやるとザザというノイズが一瞬入りました。15m用の水晶をプラスッチク・ドライバーで揺らすと、キャリブレーターの発信音が聞こえてきました。バラック配線ですし、ある程度予想できる事かもしれませんね。10mバンドも同様の反応でした。

6mだけハム音盛大

細長い基板(上側)が6m RXVT
細長い基板(上側)が6mクリコン

 HFは修理箇所が見えましたが、オプションの50MHzと144MHzのトランスバーターのチェックも忘れずに行います。ケースの上蓋したの細長い基板2枚がこれらのトランスバーターです。何れの周波数も受信は出来ているようですが、6mだけ内部CALがハムってます。少々追いかけてみます。

 その後・・・、受信全般をチェックしましたがAFにリプルが載っているような感じはしません。キャリブレーターを使用するときだけなので特に問題は無いようです。

 

 

RFアライメントを実施

その後、クリコンのアライメントを実施しましたが、受信には特に影響は無い模様です。総括すると、以下の通りです。

修理のご依頼内容:

① 受信感度不足 の解消
② AF出力不足 の解消

状況:

① について、症状を確認しました。前述の通り15mは全く受信できませんでした。
② について、症状を確認しました。 
③ 弊社にて、VFOズレ -25KHz〜-35KHz程度を認めました。
④ CWナローフィルター機能不良を認めました。
⑤ キャリブレーター周波数の離調を認めました。

原因:

① について、RF、IFの離調が原因です。15mは水晶ソケットの基板接続部分に接触不良が発生しております。
② について、①が改善することで解消できます。
③ について、VFOの離調が原因です。
④ について、ナローフィルター内部の不良です。(要交換)

処置:

① について、各部のトラッキングを実施しました。状況は改善しております。
② について、①の改善により、十分なAF出力が得られております。
③ について、アライメントを実施しました。
④ について、調整を試みましたが、フィルター自体の交換が必須につき、状況の改善はみられません。
⑤ について、100kc、25kcとも、±10Hz以内の精度で校正しました。

各バンドの規定周波数で -73dBm 入力に対するSメーターの振れは以下の通りです。トリマーコンデンサを再ハンダ等で処理した結果、計測データが向上しました
(基準 -73dBm = S9 )

21MHz不具合は水晶付近の接触不良と断定
21MHz不具合は水晶付近の接触不良と断定
バンド 調整前数値 1回目調整 2回目調整
160m S7 +35dB +40dB 
80m S7 +40dB +50dB 
40m S5 S9 +20dB
20m S5 S9 +20dB
15m —- S9 +10dB
10m S1 S6〜S7 S8〜+15dB
6m S1以下 S4 S9〜
2m S1以下 S5 S8〜

CWフィルターは要交換

 各バンドとも必要な感度は得られています。ローバンドは絶好調、14、21MHzもまずまずの感度でしょう。28MHzは映像収録後に再調整した結果大幅に改善し、他のバンド同様の数値を記録しています。また、CWナローフィルターはエレメント自体がアウト、調整を試みましたが限界でした。50年の歳月を考慮すればかなり優秀だと思います。

 

動画を追加しました ↓ ↓

 

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2 Responses to "FRDX400 に着手(動画追加) 【2015/11/12】"
  1. すみませんが、教えて下さい。トリマーを再ハンダをしたら、【特性が改善した】とのことですが、
    文字通り、ハンダ鏝を当てて、再ハンダ付けをしたという事でよろしいのでしょうか?

    • スミマセン。古い投稿へコメントを頂き、気付くのが遅れました。m(_ _)m もう3年前のことなので覚えていませんが、多分半田面の再処理だと思います。

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